たけしの首を取るぐらいの映画でなければ
『首』(2023年製作/131分/R15+/日本)【監督】北野武 【出演】ビートたけし/⻄島秀俊/加瀬亮/中村獅童/木村祐一/遠藤憲一/勝村政信/寺島進/桐谷健太/浅野忠信/大森南朋
『ナポレオン』とどっちを観ようか悩んだのだけど、Filmarksでは賛否両論あったのだが評価は『首』方が高かった。上映館も『首』の方が時間的に取りやすかったので『首』を見たけどちょっと評価はできないな。
最初の戦闘シーンは黒澤明のオマージュかと思うほど力が入っているシーンなんだが、最初でガツンとあって後は尻つぼみの感じがした。首切りというスプラッター要素はあるのだが、そういう映画も見慣れてくると珍しいものでもないし、何度もあると食指気味になるのは当然のことだと思う。
ストーリーの中に組み込まれる同性愛は大島渚的なのかな。それもあまり美しくないし、笑いの要素がたけしの持ち味なんだろうけど、織田信長のキャラが秀吉のようで、イメージと違った。そのイメージを覆すだけのキャラだとは思うが、感情移入できないタイプだった。たけしが秀吉役なのだが、これも違って家康タイプだった。たけし映画だから主役を張らなければならないとしたら、それがミスキャストだったかもしれない。
明智光秀の⻄島秀俊ももう一つだった。『ドライブ・マイ・カー』のイメージを崩す感じだったのだろうが無理があったような。けっこう役者はオールキャストのように揃えているが華がないのだ。まあ男の戦記物だからあまり女性を出すのに抵抗があったのかもしれないが。ちょっとそこも残念だった。
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