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たけしの首を取るぐらいの映画でなければ

『首』(2023年製作/131分/R15+/日本)【監督】北野武 【出演】ビートたけし/⻄島秀俊/加瀬亮/中村獅童/木村祐一/遠藤憲一/勝村政信/寺島進/桐谷健太/浅野忠信/大森南朋

北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。

天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。

『ナポレオン』とどっちを観ようか悩んだのだけど、Filmarksでは賛否両論あったのだが評価は『首』方が高かった。上映館も『首』の方が時間的に取りやすかったので『首』を見たけどちょっと評価はできないな。

最初の戦闘シーンは黒澤明のオマージュかと思うほど力が入っているシーンなんだが、最初でガツンとあって後は尻つぼみの感じがした。首切りというスプラッター要素はあるのだが、そういう映画も見慣れてくると珍しいものでもないし、何度もあると食指気味になるのは当然のことだと思う。

ストーリーの中に組み込まれる同性愛は大島渚的なのかな。それもあまり美しくないし、笑いの要素がたけしの持ち味なんだろうけど、織田信長のキャラが秀吉のようで、イメージと違った。そのイメージを覆すだけのキャラだとは思うが、感情移入できないタイプだった。たけしが秀吉役なのだが、これも違って家康タイプだった。たけし映画だから主役を張らなければならないとしたら、それがミスキャストだったかもしれない。

明智光秀の⻄島秀俊ももう一つだった。『ドライブ・マイ・カー』のイメージを崩す感じだったのだろうが無理があったような。けっこう役者はオールキャストのように揃えているが華がないのだ。まあ男の戦記物だからあまり女性を出すのに抵抗があったのかもしれないが。ちょっとそこも残念だった。

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