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懐かしのSF世界

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』

1970年8月に刊行が開始された文庫レーベル、ハヤカワ文庫SF。2015年に通巻2000番に到達したことを記念した特別企画として1番『さすらいのスターウルフ』から2000番の『ソラリス』まで、番号順にすべての読みどころと意義をSF作家・評論家らが徹底解説。“SFマガジン”誌上で展開された大型特集が1冊の単行本で登場!

図書館で気軽に読める本を探していたら返却本の中にあり、何気にSFが読みたくなって取った本。カタログというか目録の豪華版。今だにディック、ヴォネガット、ハイラインとそのへんのアメリカ作家が中心であるような。私が読んでいた時期(80年代)にギブスンとかのサイバーパンクが出てきたがそれ以降をれほど変化がない。もっともこの本も2000年だった。

それ以降の激変は今の方があるかも(ゼロ年代以降)。例えば中国勢の台頭とか。女性作家とか。その兆しは感じられるがまだ中心ではなかった(テッド・チャンやコニー・ウィリスは知らなかった)。SFと言うとアメリカ中心(ニューウェーブでイギリス系)になるのだが、そんな中でスタニスワフ・レムは異色だが、この辺だと幻想文学系の現代文学にも繋がっていく。よくサンリオ文庫が懐かしのSF文庫として取り上げられるが、サンリオ文庫がその境界線を外したのだと思う。それ以降現代文学興味になっていった。

SFが好きになった頃に友達(とも呼べないのだがSFの話は盛り上がった)のアドバイズとしてハヤカワの青い奴は読んでおけと言われたのだ。でもサンリオに浮気してしまった。SF万遍なく興味を持つというよりディックとヴォネガットだけを集中的に読んだような。ハイラインは好きじゃなかった。

読みたいと思った本(メモ)。
『デューン』映画の影響で原作も読みたくなった。
『バベル17』、『虎よ、虎よ!』、サミュエル・R. ディレイニーはビッグネームだが読んでなかった。
『幼年期の終わり』アーサー・C・クラークのこの古典も。
『スターシップと俳句』俳句の使われ方に興味がある。日本を舞台にしたというからサイバーパンク系か?
『たった一つの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアも読もう読もうと思って読めなかった。
『わが愛しき娘たちよ』コニー・ウィリスは80年代にはまだ出てなかったと思う(80年代の作家だから)。一応の目安としてはヒューゴー賞とネビュラ賞受賞作家は読んでおけみたいな。
『ブレイクの飛翔』ウィリアム・ブレイクの興味からかな。SFは古典文学とも繋がりが深い。
『ハイペリオン』名前だけは轟くSFの
『ディアスポラ』これも題名からか。ポストアメリカSFというような感じがしたので。
『リヴァイアサン』名前だけでも壮大なSFをイメージする。

感動したSF(この本の中で。)
『オッド・ジョン』オラフ・ステープルドンはけっこう良かったような気がする。最近も『スターメイカー 』(ちくま文庫)が話題となっていた。
『地球の長い午後』ブライアン W.オールディスはイギリスのニューウェーブのSF作家。この辺が好みだった。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』。ディックは全部読めと言いたいが一つ上げるとしたら映画化されたこれか?映画とは別物。
『スラン』もディック系アンドロイドもの。このへんも好きなジャンル。
『ソラリス』言わずとしれたレムの名作。
『闇の左手』アーシュラ K ル グィンはSFというよりファンタジー作家の部類だよな。
『スローターハウス5』ヴォネガットも愛読書だった。それでもこれはドレスデン爆撃を描いた戦争文学の異色作。
『人間以上』電脳人間というようなアンドロイド系に繋がる特殊能力人間の話だった。
『レ・コスミコミケ』イタリアのカルヴィーノの作品がここにあったのが驚きだが幻想文学からの流れなのだと思う。これは傑作だしカルヴィーノでは読み易い。


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