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雷雨かな旅立ちの盆のあとさき

今にも雨が降りそうな天気だったが降らなかった。夜には月も出ていた。残暑の季節だった。これが9月まで続くのか?そろそろ旅行の準備もせねば。大したものはいらないのだが。決行日を決めるとか?

もう図書館の本も一時的に借りないようにしなければと思うもののまた借りてしまった。J・M・クッツェー『サマータイム、青年時代、少年時代──辺境からの三つの〈自伝〉』「サマータイム」は愛人のインタビューが終わって従兄妹の思い出。従兄妹はクッツェーの理想の人でなんでも話せる的な。そこからクッツェーのアンチ・アフリカーナの性格を語っていく感じか。父の失敗とアフリカーナ的なマッチョな男になれなかったトラウマ的なもの。クッツェーには彼を守ってくれる女性が必要だったのだ。

永井荷風『つゆのあとさき』映画を観てからの原作読書だが、映画と多少ストーリーが違っていた。映画では琴音(君江)は最後女友だちが出来てその彼女は死んでしまうのだが、原作では自殺する男は一人で死ぬことになる。君江を道連れにしようとしたのかもしれないが、最後君江の人情味に触れて、その時が幸せだったのだ。そういう刹那観というような物語が永井荷風のロマンチシズムなんだと思う。欲望にまみれていながら、君江はまだ日本的情緒がある人なのだ。そういう風情が東京の吹き溜まりのような土地を描いていた。『濹東綺譚』に繋がっていくような物語。

映画の方はもっとドライな感覚で今風なのかな?

NHK短歌・俳句と見て、今日のレッスンをやる。

今日は「百人読書」はおわったのでまとめ的なものを。その後に「シン・俳句レッスン」だな。今日も日中暑そうだ。ポイントで映画を見るか?

今日の一句。

雷雨かな旅立ちの盆のあとさき 宿仮

死地の旅のような句だった。今日の一首。

盆のあとさき
天気を気にして
旅立てぬ日々
ご先祖様は
待ってはくれぬ

そうだ。アラン・ドロンが亡くなったというニュース。やっぱ『太陽がいっぱい』かな。『山猫』もいいよね。

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