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源氏物語

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源氏物語の感想など。与謝野晶子訳Kindleから。
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記事一覧

男尊女卑の天皇制に洗脳された者たち

『窯変源氏物語〈12〉椎本 総角 早蕨』橋本治 (中公文庫) 光源氏の一人称から紫式部の三人称…

やどかり
2日前
6

「千年の孤独」という『源氏物語』

『源氏物語 A・ウェイリー版4』紫式部 (著), 阿部 公彦 (その他), 藤井 貞和 (その他), アーサ…

やどかり
3週間前
39

「私の代わりはいくらでもいる」、そう姫たちが叫び始めた

『窯変 源氏物語〈11〉 雲隠 匂宮 紅梅 竹河 橋姫』橋本治 (中公文庫) 『窯変 源氏物語』を…

やどかり
10日前
16

夕霧も困ったお人だが、光源氏があれだからか。

『窯変源氏物語 (10) 』橋本治(中公文庫 ) 「横笛・鈴虫・夕霧」は光源氏の息子夕霧の不器用…

やどかり
1か月前
5

源氏弦楽四重奏曲の激しさ

『窯変 源氏物語〈9〉 若菜下 柏木』橋本治 (中公文庫) 「若菜下」「柏木」と柏木メインだが…

やどかり
1か月前
17

『源氏物語』から疎外された光源氏の小説

『窯変 源氏物語〈8〉 真木柱 梅枝 藤裏葉 若菜上』橋本治 (中公文庫) 真木柱 原作が面白す…

やどかり
2か月前
10

ともづな(家)に繋がれる欲望

『新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)』田辺聖子 (新潮文庫) 大君がそこまで薫を拒絶するのは男には興味がないからなんだろうか?以前は父の遺言に縛られた不幸な姫君だと思っていたが理由は他にもありそうな気がする。大君の妹愛も一人善がりな感じがした。 薫は優柔不断な男すぎる。匂宮とセットなのかな。以前は対立する薫とライバル関係だと思っていたがそうでもなさそう。薫が優柔不断すぎるのだな。柏木の血筋だろうか?違う翻訳を読むたびに感想が変わっていく。それだけ原作も色々視点があるのだろ

「世界文学」から「現代文学」への『源氏物語』

『源氏物語―A.ウェイリー版〈3〉』毬矢まりえ+森山恵姉妹(日本語訳) 『雲隠』の帖が削…

やどかり
2か月前
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ダース・ベイダーとしての光源氏の老いの世界は喜劇となっていく

『窯変源氏物語〈7〉胡蝶螢常夏篝火野分行幸藤袴 』橋本治(中公文庫) 玉鬘十帖のうちの7話。…

やどかり
2か月前
6

『源氏物語』の「もののけ」は当然の感情である。

『源氏物語 A・ウェイリー版2』紫式部 ,アーサー・ウェイリー(翻訳),毬矢 まりえ(翻訳),森山恵…

やどかり
3か月前
16

光源氏の手はずとしての娘たち

『窯変 源氏物語〈6〉 朝顔乙女 玉鬘 初音』橋本治 (中公文庫) 「朝顔」が結婚しない女のエピ…

やどかり
3か月前
8

光源氏はかくも美しきダークサイドの王なのか?

『窯変 源氏物語〈5〉 蓬生 関屋絵合 松風 薄雲』橋本治 (中公文庫) 各帖がページ数以上に長…

やどかり
3か月前
14

窯変は男たちの「源氏物語」

『窯変 源氏物語〈4〉 花散里 須磨 明石 澪標 』橋本治(中公文庫) 須磨 葵の母の大宮と弘徽…

やどかり
4か月前
21

もののけと無常観の「源氏物語」

『新源氏物語(下)』田辺聖子 (新潮文庫) 他の方のレビューもある通り一番読みやすい(漫画は除外する)『源氏物語』かもしれない。後半部は出家したいという話が多いのだが、そういう無常観の文学なのか?ただ『源氏物語』には光源氏の出家は描かれておらず、「雲隠」という何も書かれていない帖があるのだが、田辺聖子はそこも描こうとしたようだ(『幻』は元々ある帖だから違うのかな?そんな論文があったのだが)。それも光源氏の愛情なのか? 田 聖 子 源 氏 物 語 体 験 光源氏が位の高い