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シン・短歌レッスン

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#齋藤史

シン・短歌レッス127

シン・短歌レッス127

 珠玉百歌仙

塚本邦雄『王朝百首』は予約されていたので、とりあえず返却して代わりになる本を探したところ『珠玉百歌仙』はその続編のようなアンソロジーだと本人が書いている。

この百歌仙は和歌の韻文に重きを置いたとある。塚本邦雄は藤原定家『百人一首』の批判から『王朝百首』を編纂し、さらにそれ以後もそうしたアンソロジーが並んでいく。

それは定家『百人一首』の形を借りた本歌取りではないかと思うのである

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シン・短歌レッス126

シン・短歌レッス126

 王朝百首

花は桜だとすると雁は季重なりなのだが、和歌は関係ないのは、むしろその対比によって歌の本意を示しているからだろうか?帰雁しない春の雁。そして塚本の詩では夕桜と見ている。和歌が恋の歌ならば夕闇から曙まで待っていても音沙汰がなかったということか?そして曙に恨みの文を渡してねぐらに帰るのか?

西行

辻邦生『西行花伝』から。

「十二の帖」
西行の歌の師匠藤原為忠の四兄弟は西行と親友なのだ

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シン・短歌レッス125

シン・短歌レッス125

 王朝百首

「やなぎさくら」は柳とさくらなのか?枝垂れ桜を「やなぎさくら」と称しているのか、よくわからないが、塚本邦雄は詩でやなぎとさくらをそれぞれ別の色に喩えているから柳と桜なのだろう。素性法師という風狂な人だから桜より柳が最初なのかとも思う。どちらも街路樹としてよりもやはり庭木なんだろうな。広大な宮廷の庭がにしきなりけるというような。

齋藤史

梯久美子『この父ありて』から。

史が198

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シン・短歌レッス124

シン・短歌レッス124

王朝百首

「やなぎさくら」は柳とさくらなのか?枝垂れ桜を「やなぎさくら」と称しているのか、よくわからないが、塚本邦雄は詩でやなぎとさくらをそれぞれ別の色に喩えているから柳と桜なのだろう。素性法師という風狂な人だから桜より柳が最初なのかとも思う。どちらも街路樹としてよりもやはり庭木なんだろうな。広大な宮廷の庭がにしきなりけるというような。

NHK短歌

NHK俳句の第4週は句会で面白いのだけど、

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シン・短歌レッス123

シン・短歌レッス123

王朝百首

紀貫之の歌は情緒よりも理知的な部分があるという。それがあえて「水無き空に」とことわる部分であろうか?「なごり」は「名残」より「余波(なごり)」であるという。「天のさざ波」が「あった花」ではなく「失われた花」の幻想という部分は塚本邦雄らしい解釈か?つまり華やか日々を回想しているという情況なのだ。それが理知なる言葉で歌を構築していく紀貫之の言葉。

NHK短歌

吉川宏志も今月で終わりだっ

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シン・短歌レッス121

シン・短歌レッス121

王朝百首

西行の影響にある武人歌人。ただ七十過ぎまで歌壇に居続け、敗走したというのは武人としては情けないのではあるまいか?歌は単純明快、質素剛健という感じか?

西行

辻邦生『西行花伝』
「三の帖」、藤原秋実が西行の親友の僧西住から母を無くしてから鳥羽院の北面の武士になるまでの経緯を語る。

西行は西住と知り合い母の喪失の悲しみを自分本位のものとして反省する。そして流鏑馬の極意を教えた源重実を

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シン・短歌レッス120

シン・短歌レッス120

王朝百首

俊成卿女は新古今時代の代表的女性歌人。子規内親王を別格とすれば俊成の孫にして養女、藤原定家の姪に当たる歌系。後鳥羽上皇も『新古今 恋二』の最初に置いた歌人でもある。

王朝百歌の歌は過ぎ去りし恋の思い出なのか?塚本邦雄は月が好きだな。ディオニソス的な幻想世界なのではないかと思う。アポロ的詩とは対極の。

西行

辻邦生『西行花伝』
「一の帖」、藤原秋実が西行の生まれ故郷紀の国の乳母(9

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シン・短歌レッス119

シン・短歌レッス119

王朝百首

塚本邦雄『王朝百首』から。坂上是則。紀貫之が催す歌会。庭園の小川に盃を浮かべてそれが回ってくる間に一首詠むという歌会で漢詩の題詠は「月入花灘暗」。落花を浮かべて急流を下る、三日月も山の影に隠れようとしているの意。望月だったらもっとはっきり見えたのにの意味か?

NHK短歌

これ初心者コースだったとは。かなり内容が濃かった。情景を変えてしまう言葉を一つ入れて短歌をつくることで別世界に連

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シン・短歌レッス112

シン・短歌レッス112

王朝百首

塚本邦雄『王朝百首』から。

塚本邦雄は後鳥羽院が好きだよな。この辺がよくわからないし、この歌の良さもわからない。『枕草子』の「秋は夕ぐれ」という当時の常識に反問している歌だという。「山もと霞む」だから春の景色なのだろう。画像間違えたな。春の桜の山とか選ぶべきだった。

でも夕べだからな。山よりも夕陽だろう。夕陽が美しいのは秋ということなのかな。「なに思ひけむ」と清少納言が思ったのだか

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シン・短歌レッス111

シン・短歌レッス111

王朝百首

「若草の宮内卿」と言われた歌だそうで、雪斑の中に若草が萌え始めている様がなんとも美しいという。その作成年齢が15・6歳の頃で千五百番歌合で寂蓮の和歌に勝ちを得たということで話題騒然となった少女歌人なのだろうか?その素質は後鳥羽院にその才能を認められ俊成卿娘と切磋琢磨したという。わかりやすいと言えばわかりやすい歌なんだが。

NHK短歌

ぐっとくる瞬間 「日記」。選者岡野大嗣さん。ゲス

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シン・短歌レッス110

シン・短歌レッス110

王朝百首

この辺の良さがよくわからん。詰め込みすぎのような気もするんだが。春と花散るが重なっていたり。俳句じゃないからいいのか?上句は華麗で下句は陰があるからいいのかな。それほど天才の歌とも思えないのだが。「百人一首」にも藤原義孝が載っているがそっちは駄作だという。

直接的過ぎるのか。早逝の歌人だそうだが。

NHK短歌

吉川宏志。会話を入れる。「ごめん」

会話がないな。心の会話ということ

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