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マッチ一本歌事のもと

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連載歌物語『マッチ一本歌事のもと』、男子高校生が繰り広げる短歌バトル!
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2023年1月の記事一覧

マッチ一本歌事のもと(第三話)

マッチ一本歌事のもと(第三話)

上条フミコの家はスタジオを兼ねたビルだった。けっこう金持ちの娘なんだと思ってしまった。応接間なのか骨董品が並んでいるような部屋で瓶コーラの自動販売機があり、コインを入れたフミコに何を飲むか聞かれた。セルフだからというのを、セフレと聞き間違えてドキマギする。

俺は彼女のコーラも持たされ階段を上がっていくと彼女の部屋に入った。そこは必要最低限のものしかない閑散とした部屋だった。白い壁、白い天井。白い

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マッチ一本歌事のもと(第二話)

マッチ一本歌事のもと(第二話)

「やっぱ女史の歌は奇抜ですね」と眼鏡男が言う。
「上句でいにしえの日本に思いを馳せながら最後で現代っ子なのよね」とデブ女が答える。こいつら漫才師なのか?男の方はいまどき牛乳瓶の底のような眼鏡で、女は派手な着物を着ていた。正月なのはわかるが、まだ成人式でもないのに。

「アイツは、柳棚国男。おっべか野郎だわ。アイツまだ童貞よ」そんな上条ふみ子の言葉に俺はドギマギした。俺もまだ童貞だ!それよりお前はも

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マッチ一本歌事のもと(第一話)

マッチ一本歌事のもと(第一話)

寺川修司はマッチを擦っていた。俺は父の本棚からこぼれ落ちた本の見開きページにこの魔法のコトバを見つけたのだ。さっそく母に「マッチはないか?」と問う。百円ライターじゃいけないのだ!

「燐寸(マッチ)なんてあったかなぁ。あなた放火でもする気?未成年は煙草は駄目よ!」
「マッチというものを擦ってみたくなったんだ。この本………」と俺は父の本を母に示した。
「寺山修司?懐かしいわ。それでパパを勘違いしたの

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