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しめのゆき(2021)『せっしゃ、なべぶぎょうでござる!』ポプラ社

鍋がすきだ。
冬になるとわくわくする。冬は鍋がおいしい。春先はキャベツやにんじんをいれた鍋をするけれど、やはり鍋には冬の葉物野菜が合う。もう毎日鍋をたべてもいい。

わたしはひとりで鍋を食べるのがすきだけれど、鍋といえば親しいひとたちでかこむもの。
ひとつの鍋からおなじものを食べるということは、より親密さを濃くする。

食べることがだいすき、仲良し一家の鍋田さんも、鍋がすき。
だが、家族のこのみがばらばらすぎて、なかなか同じ鍋をみんなでおいしく食べることができない。

末っ子のヒロは、みんながおいしいとおもえるよう、それぞれの好物を詰め込んだ鍋をつくってみた。
コロッケやうめぼしがうかぶ鍋を見た家族は、よろこぶどころかどこかげんなり。

いったいどうすればいいのか悩むヒロ。
すると、ぐつぐつ煮える鍋のゆげが、徐々にひとのかたちになっていった。
現れたのは、侍のような格好をした男の人だった。
きくと、その男は「なべぶぎょう」だという。

なべぶぎょうは、みんなでおいしく食べることができる鍋づくりをじぶんに任せるように言う。

そこで、鍋田一家はなべぶぎょうの作る鍋を食べるのだ。

なべぶぎょうが作った鍋の具材が書かれているので、ご家庭で再現することができる。
すこし変わった鍋や、究極の鍋まで、おいしそうな鍋がずらり。

親しいひとと鍋を食べたくなる。

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