あおい

本と音楽、ラジオ、アイドル、文房具がすきです。

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最近の記事

角田光代(2023)『明日も一日きみを見てる』KADOKAWA

著者の愛猫、トトについて書かれたエッセイ。 引っ越しをしてから急にねこらしくなったトトにおどろく。トトが出てくるエッセイはずっと読んでいたが、もうかなり年齢を重ねていることにも気がつき、胸がきゅっとなった。 エッセイを読み、トトへの愛を感じてしまうから、ずっとずっと長生きしてほしい、とおもう。文章のなかだけで生きていて、とおもってしまう。 やはりわたしは、いきものと生活をともにすることはできない、と切なくなった。

    • 天宮ひかる(2024)『ゆるワニビビ くちのとじかたおしえてください』パイインターナショナル

      あくびをしたら、口のとじかたがわからなくなってしまったビビ。 なかまのワニといっしょに、口をとじる方法を模索する。 あれこれ試す様子がかわいらしく、おもしろい。 そして、もう一度読み帰したくなるオチもたのしい。

      • くりはらたかし(2024)『ミスター・ソフティークリーミーまちをゆく』佼成出版社

        ミスター・ソフティークリーミーは、ひかげしか歩くことができない。 なぜなら、直射日光をあびるととけてしまうから。 ミスターを食べようとおそってくる怪物から逃げながら、無事に散歩をおえて家に帰ることができるのか。 たのしくかわいい絵本。 見返しがアイスの包み紙のようでぐっとくる。

        • エリーズ・ボールディング(1988)『子どもが孤独でいる時間』(松岡享子訳)こぐま社

          子どもが精神的に成長するためには、ひとりでいる時間が必要だ、ということが書かれている。 かなり昔に書かれたもので、じぶんの専門とは重ならない分野なので、注釈がつけられている単語がわからないものだらけだった。 ひとりでいる子どもだったが、そのおかげかそのせいか、内面的なことばはだいぶ発達していたようにおもう。じぶんのなかに、じぶんしか知りえない宇宙があり、そこをいつも漂っていた。 わたしは、ずっと内側にいたから、社交性を失ったわけだが、適度に外と内を行ったり来たりしながら成

        角田光代(2023)『明日も一日きみを見てる』KADOKAWA

        • 天宮ひかる(2024)『ゆるワニビビ くちのとじかたおしえてください』パイインターナショナル

        • くりはらたかし(2024)『ミスター・ソフティークリーミーまちをゆく』佼成出版社

        • エリーズ・ボールディング(1988)『子どもが孤独でいる時間』(松岡享子訳)こぐま社

          井出幸亮(2022)『POPEYE特別編集 本と映画の終わらない話。』マガジンハウス

          さまざまなひとに、本と映画を選んでもらい、そのことについて聞く、というインタビューがまとめられたムック。 特にテーマがあるわけではないが、じぶんで課してくるひとがいたり、印象にのこっているものをもってきたり、60人にきくと60とおりの組み合わせがある。当たり前だが、それがおもしろい。 無人島にもっていきたい本と映画もある。 無人島にもっていく。究極の選択である。ひとが選んだものをみることも、じぶんだったらなにをもっていくか考えることもたのしい。

          井出幸亮(2022)『POPEYE特別編集 本と映画の終わらない話。』マガジンハウス

          永良サチ(2023)『ばいばい、片想い』PHP研究所

          美和と環奈と優はおさななじみ。 いつも3人一緒にいた。 環奈と優は美男美女で、美和はずっとコンプレックスを抱いていた。 しかも、美和は優がすきだったにもかかわらず、優は環奈がすきで、環奈も優がすきなのだった。 2人から相談されるたび、美和は苦しいおもいをしていた。 じぶんのおもいがばれてしまえば、3人の関係は崩れてしまう。その不安から、美和は優がすきなことをだれにも言えずにいた。 しかし、ある日、クラスメイトの鮫島から、いきなりそのおもいを言い当てられてしまう。 そして、美

          永良サチ(2023)『ばいばい、片想い』PHP研究所

          天川栄人(2023)『虹色のパズル』文研出版

          おもっていることをすぐにはなすことがむずかしい琴子。 ある日突然、ゲイでドラァグクイーンの叔父、圭一郎と出会う。 奔放に悩みなく生きているようにみえる圭一郎と知り合うことで、琴子はすこしずつ変わっていく。 琴子は、人付き合いが苦手で、ありのままのじぶんはだめだとおもっている。学校ではクラスのグループにすべりこみ、同意をするだけでなんとかやりすごしている。 グレーのパーカーを着て、フードをかぶっていると落ち着いた。バスのなかでは、いつもルービックキューブをしている。 両親が

          天川栄人(2023)『虹色のパズル』文研出版

          小池アミイゴ(2023)『ポストがぽつん』アリス館

          ずっと使われていなかったポスト。 動かないポストに、海のいきものたちが手紙を投函する。 すると、ポストは目を覚まし、その手紙をつむじ風のところまで届けに行く。 手紙をわたしおえたポストは、つむじ風にのってとばされていく。 手紙を届けること。 そのことだけに存在意義を見出しているポストが健気にみえてくる。 そして、だれかに手紙を書きたくなる。

          小池アミイゴ(2023)『ポストがぽつん』アリス館

          エド・フランク(2023)『月のボールであそぼうよ』(鵜木桂訳)徳間書店

          友だち同士のパンダとリスが繰り広げる、ユーモアのある物語。 短い物語が入っているので、さくっと読み切ることができる。 月をとろうとする展開はありきたりだが、その過程で交わされる会話がおもしろい。 雪が降ったときに一緒に遊ぶにしても、このふたりはただ雪だるまをつくるだけではおわらない。 しっかりした名作調かとおもいきや、ちょっと新しい印象を受ける1冊。

          エド・フランク(2023)『月のボールであそぼうよ』(鵜木桂訳)徳間書店

          赤羽じゅんこ(2023)『ひと箱本屋とひみつの友だち』さ・え・ら書房

          本を読むことがすきな小学5年生の朱莉。 ある日、「ひと箱本屋」の「SHIORI」と出会う。 そこは、ひと箱ごとにオーナーがちがう小さな本屋の集まりだった。それだけでも朱莉には目新しかったが、そのオーナーのなかに、朱莉と同じ小学5年生の女の子がいたことが驚きだった。 じぶんと同じ年の子が、物語をつくって本にし、それを売っている。 興味をひかれた朱莉は、その本を買うことに。 そして、感想を手紙に書いて、書き手に渡してもらった。 その手紙の返事を読み、同じ本がすきなことがわかると

          赤羽じゅんこ(2023)『ひと箱本屋とひみつの友だち』さ・え・ら書房

          大久保雨咲(2023)『りすねえさんのさがしもの』(りすねえさんのおはなし)光村図書

          りすねえさんと、ともだちのエナガさんたちが繰り広げる、おだやかですこし愉快な物語。 たいせつなものをなんでもとっておこうとするりすねえさん。 その性格が災いし、たのしみにしていたコンサートのチケットが見つからなくなってしまう。 部屋中をさがし、土を掘り起こしたりすねえさん。 しかし、友だちとはなしているうちに、チケットを見つけることができる。 短いおはなしが3つと、漫画を読むことができる。

          大久保雨咲(2023)『りすねえさんのさがしもの』(りすねえさんのおはなし)光村図書

          えがしらみちこ(2023)『ようこそ こどものけんりのほん』白泉社

          やさしい絵で、こどもに認められている権利についてやさしく説明した絵本。 すべてのこどもがじぶんらしく生きることができるようになるといい。 カバーの裏が、子どもの権利条約をまとめたポスターになっている。子どもが身近にいるおとなこそ、しっかり把握しておくべき内容。

          えがしらみちこ(2023)『ようこそ こどものけんりのほん』白泉社

          林廉恩(2023)『HOME』(一青窈訳)工学図書

          かえると安心できる場所。 そのホームを、段ボールや紙のコラージュで表現した絵本。 アートデザイナーがつくったといわれて納得。アートとしてはたしかにいいかもしれないが、子どもに与える絵本か、といわれるとすこしちがう気がする。

          林廉恩(2023)『HOME』(一青窈訳)工学図書

          ひとり飲みの女神様

          五十嵐雄策(2018)『ひとり飲みの女神様』一迅社 五十嵐雄策(2019)『ひとり飲みの女神様 2杯目』一迅社 お酒とつまみと赤ちょうちんをこよなく愛す女性のはなし。 物語自体はあまりなく、ただただお酒とつまみが羅列されている。 それだけだが、ひととひと、ひとと店との縁を感じる。 お酒があまり飲めないじぶんが恨めしくもなる。 主人公とその同僚とが結ばれるわけでもなく、お互いがお互いをただの同僚としてみているところがさっぱりしていてよかった。

          ひとり飲みの女神様

          田口久美子(2014)『書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない』筑摩書房

          職場を変えつつも、1973年から書店員として書店を見つめ続けてきた著者。 同じ書店で働くひとたちのインタビューが収録されている。 じぶんは書店で本を買うけれど、図書館もネット書店もおなじようによく使う。じぶんが求めるものに応じて、使い分けていきたい。 それに、新刊を一覧できる実店舗の書店には、これから先もずっとなくならないでほしい。

          田口久美子(2014)『書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない』筑摩書房

          佐藤まどか(2022)『スネークダンス』小学館

          主人公の圭人は、ローマ生まれローマ育ちの中学生。両親は日本人で、自身も日本国籍をもつ。 ローマの風景をスケッチすることがすきだった。家族は美術の道に進むことを提案していたが、本人はピンときていない。 美術館や遺跡に触れる機会が多く、じぶんには美術のみちで生きていくような才能はなく、ただ美しいものを写しとるということがすきなのだ、とわかっていた。 ある日、父がひき逃げされて亡くなってしまう。 そして、日本にある母の実家へ引っ越すこととなった。 愛するまち、ローマを離れること

          佐藤まどか(2022)『スネークダンス』小学館