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岡田よしたか(2009)『特急おべんとう号』福音館書店

小学生のとき、おべんとうの日があるとわくわくしてお昼がたのしみだった。
給食も家で食べられないものを知ることができて、手作りのものばかりでもちろんおいしかった。だが、偏食で慣れ親しんだものが好きなわたしにはやはり母の味がうれしかった。

そんなこころときめくおべんとうの中身が主人公なのが、この物語。
3つのおはなしが入っている。
なんともおいしそうな挿絵に、リズムのいい関西弁がおどっている。なんともたのしい本だ。

おべんとうの具材が、マラソン大会をして1位を決めるという。それだけでおもしろいのに、それを人間たちが見物しているのだ。なんだこの世界観。すてき。

文字を追うなんてつまらない、とはもういわせない。本に苦手意識をもっているひとだって、これなら次々と頁をめくる手がとまらないことまちがいなし。

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