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アンドリュー・デュアー(2021)『子ども司書のすすめ JLA図書館実践シリーズ44』日本図書館協会

「子ども司書」という制度があることをはじめて知った。
司書の資格をとるように、単位をとり、司書のしごとや図書館の役割について学ぶ。コースを修了したら、「子ども司書」として学校図書館や地域で活動する。

子どもたちが読書活動でいちばん影響を受けるのは、友だちだという。
これはわたしにも実感がある。
親や教師がすすめるような本より、友だちが実際に読んでいるところをみた本のほうが魅力的にうつるのだ。あの子が読んでいるならわたしも読もうと自然と手に取りたくなる。

「子ども司書」は、このように本がすきな子どもたちがほかの子どもたちにあたえる影響を活用しようというこころみだ。

自治体によってさまざまなプログラムがあるようだが、実際に選書に参加したり、読み聞かせをやってみたりするそうだ。さらには、コミュニティラジオでおすすめの新刊を紹介するという活動をしている自治体もあるのだとか。
ビブリオバトルや上記のラジオ番組への出演をとおし、ひとまえでじぶんの意見を述べることに慣れるという副産物も期待できる。

「子ども」とよばれる年齢をこえても、「マイスター」として「子ども司書」とかかわり、刺激しあえる関係を築いている。

じぶんが子どものときにあったら、きっと申し込んだだろう。
まわりの子どもたちがやっていないことで、おとなたちにまざって活動するというのは幼少期のわたしにとってとても魅力的にうつったはずだ。
もちろん本もすきだった。
「子ども司書」になっていたら、いまとまったくちがう未来にいたかもしれない。

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