北野勇作(2023)『ちょっとこわいメモ』福音館書店

ちょっとこわい、ちょっとふしぎな4つの物語が収録されている。
主人公は、勇気がある人、と書いてゆうと、と読む名前をもった男の子。
実際のゆうとは、勇気があるというより、ちょっとこわがりだった。
ある日、ゆうとは、ちょっとこわい出来事があったら、そのことをメモに残すように決める。そうすれば、あとから見返して、なんだこんなことか、とおもうことができるとおもったからだ。

これは、ゆうとが書き残したメモを振り返り、そのちょっとこわいふしぎな話をたのしむ本だ。

買い物の帰りにこっちを見てくるクマのぬいぐるみ。プールが苦手な子を見守るカッパ。

くらいきもちになる装幀に、実際に本にはさまったように見えるメモが雰囲気をつくっている。
おさない子どもでも読むことができるような文章だが、しっかりその世界観に誘い込まれてしまう。


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