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one day

わたしの話をしよう 何もないわたしの話 立ち行かないわたしの 綺麗に繕うわたしの話 臆病が顔を出す 引っ込みがつかない厄介な顔 暑さが満ちても天井は変わらない 揶揄う時間が過ぎてゆく 都合のいい話 わたしの話をしよう

    • zine「beautiful」_04

      「永い」 それはそれは永く 慣れない景色は続く しらない色が広がるばかり それはそれは永く 時があることだけ それだけは分かる それはそれは永く 掴んだものを疑うことはなく 危うく眩しい嘘言 それはそれは それは永い、

      • zine「beautiful」_03

        「手の鳴る方へ」 脳が揺れている 言い切れないでいる きのうよりも 憧憬よりもそれは、 わからない、わからない わかる術がない 辿り着く先 結局のところ 走り出すだけ 彼女の艶の声 もっと 手の鳴る方へ 間違っていたことも 奪われたものも 時には 流れて浸潤 それから それからは 染みになってゆくだけ 朝がまだ泣いている 雨はあがる

        • paper

          泣きながら 机で目覚めた彼女は 次に強く瞼を閉じた 今見た夢が続いていかないようにと願ったに違いない そのあとは 大きな涙をながし、すっと席をたった わたしは 彼女の背中が見えなくなるまで動けなかった

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        • movie
          2本
        • no name
          1本
        • zine「beautiful」
          4本

        記事

          mary

          浮気な時間を 不機嫌な夜に あなたのいない人生なんて興味がないの、 だから怖いの、と その人 遠くを見ていた 思いなんてどうでも良かった 包む腕とその背中が、私には痛い

          cakes

          ケーキに刺さったツリーみたいな深緑の群 流れてくのをただ見ているだけ 連なり濃くなる緑が陽の光りを吸い込んでゆく さっきまでの雨が一緒になって何か言ってくるから 思わず目を背けてしまいそうだ それでも わたしときたら もったいないからって 大きく息を吸い込んだ もう、あの場所には戻れない

          no name_01

          それは、 ほんのちいさなはなし。 廊下の明かりが台所の磨りガラス越しに洗ったグラスに小さく宿る。 君のいなくなった部屋は昨日より少しだけ整っているようだ。 脱ぎっぱなしだったパジャマはベランダで風を受けてるのが見える。 それでも玄関の床に目覚まし時計が裏返しになって落ちているのを見つけて、 わたしは小さく笑ってしまった。 手に取った時計が示した数字をもう覚えていない。 薄暗い部屋の中。ベランダでパジャマが揺れてる。 窓を開けると湿った風が大きく部屋の中に入り込んで、 スッと

          zine 「beautiful」_02

          「翅」  静寂に身を浸した  深く息  縋るものなど何もないと、気づく  瞼も重く  遠のく意識につづく  耳にした衒いのないことばを反芻し  沈むさきは深淵  青いそれを準えるなら  きみはなんと、  待っていても仕方ない  わたし  あの時  ことばは翅音と  知りもしないで  汗を纏った背中  噤むよこがお  胸に口づけ  マリンバの弾ける音は序でだと  きみもまた身体を揺らす  欠落を埋める行為もその先に  それでも深く息をし、浸る  

          zine 「beautiful」_02

          zine「beautiful」_01

           「美しい人」   美しい人   さようなら   明日のことはそれなりに   気の向くままに   美しい人   さっき言ったことだけど   どうでもいいと声   さみしくはないんです   ひとりでも、只、狭いだけ   美しい人   横顔に実葛をおもう   頬が色づく   覆い俯くさま   さっき降っていた   雨   疎ましく誑かす   濡れた裾で拭う   声はもうかけません   遷る時間は欲をみせ   歪な記憶に焦るだけ   わたしは   上手くはいかないそれに   錆び

          zine「beautiful」_01