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「感情と言葉は必ずしも一致しない」客観性を持つことで手放せた生きづらさ

思い込みで、相手の言動に一喜一憂したり
物事を大袈裟に捉えてしまったり。

つい感情的になって、視野が狭くなってしまうことってありませんか?

「もっと広い視野で客観的に見ることができたら…」
なんて思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

そこで今回、コーチ仲間のりょうへいさんにお話を伺ってみました!

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りょうへい

ヴィジュアル系やメタルコア好きのギャ男
プログラマ→人材営業→福祉系企業にて事業開発部
コーチングで勇気づけ、不安解消、目標達成のお手伝いをしています。

コーチングや、普段お話している中で貰うりょうへいさんからのフィードバックって、めちゃくちゃ的確なんです。
まるで、自分からは死角になっていた部分を違う角度から代わりに見てくれているような感覚。

他人の言動や、自分の感情に振り回されずにもっと楽に生きるためにはどうしたらいいのか。

そのヒントになるようなお話をたくさん聞けたので、ぜひ読んでみて下さい!

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自己防衛から身に付けた事実と感情の切り分け方


ーー自分や相手を冷静に分析できるのが、りょうへいさんの特性や強みだなと感じているんですが、客観的な視点を持てるようになったキッカケってあるんですか?

「きっかけは、仕事で上司からボロカスに言われた時ですね(笑)自己防衛として自然と身に付きました。


ーー自己防衛ですか。
もう少し具体的に伺ってもいいですか?

「上司から、取引先との打ち合わせの日程調整を任されていたんです。
取引先へ連絡する前に、事前に確認しておいた方が良い事などを上司に質問しに行ったんですけど。
その時、自分の答えを持たずに行ったんですよね。

そこで上司から『自分で考えてねえのかよ。伝言ゲームするだけの人間なら要らねえよ。』と言われ…」

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ーーおお、なかなかきつい…

「ショックでしたね。
だから、そのショックから逃れたいがために上司からの評価とは別で、自分自身で“ここはできているよね”っていう評価ポイントを見つけるようにしたんです。」


ーーその自己評価ポイントを見つけることも自然とやっていたんですか?
それとも、自分を立て直すために考えて行き着いたもの?

「完全に無自覚でやっていましたね。
上司の指摘が間違っていないことはわかっていたので、上司に対してなにくそって思うことはまた違うなという気持ちがどっかにあったんです。」

ーー上司からの指摘が正しいことは理解もしていたし、受け止めることもできていたわけですね。

「そうですね。なので、自然と上司の指摘を、言い方と言っている内容で区別して判断していたんだと思います。

その結果、上司を100%悪者にできない。
かと言って全て自分のせいだと思いたくない気持ちもあって(笑)」

ーーある種の矛盾が生じたんですね(笑)
もう少し詳しく教えて貰ってもいいですか?

「はい。上司からの『そんな人間要らねえよ。』って言葉はある種の人格否定だと僕は感じたんです。
でも、その人格否定をそのまま受け取るのはしんどいなと。」


ーー確かに、そのまま受け取ってしまうのはしんどいですね。


「だから僕っていう人間が駄目なんだというよりは、考え方として、自分にはこの要素が足りていないんだという要素に論点をすり替えたんですね。

言われた内容と態度を分けたり、相手の言葉を人格否定と受け取るのではなく、自分の配慮のなさを否定されたと受け取るみたいな。」

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ーーりょうへいさんという人間が否定されたのではなく、上司からそう言われてしまった状況を分解して、相手が本当に伝えたかったことは何だったのか考えることを自然とやっていた感じですかね?

「そうですね。完全に無自覚でしたね。」

ーーそれだけの要素分解を無自覚にできるって凄いですね!
その出来事から上司とりょうへいさんの関係性に何か変化はありましたか?


「関係性と言うよりは、僕から上司への見方が変わりましたね。
日常的に、ぶっきらぼうな物言いの方なんですが、僕から質問をした時に、自分の考えを言葉にするのに時間がかかっているなって気付いたんですよ。

なので、その上司の特性として思考を言葉にするのと、適切な伝え方を考えるのが苦手なのかなと。」

ーーそれも最初にお話ししてくれた、相手の言葉や態度をそのまま受け取らないってことをしていたから気付けたことですよね。

上司の使った言葉の裏に何があるんだろう?と考えて、言葉にするのが苦手という特性を見つけた。
だから、上司の言葉にいちいち一喜一憂してもしょうがないなという自己防衛ですかね。」

ーー自己防衛って私の中では、どちらかと言うとネガティブなイメージの言葉だったんですけど、りょうへいさんのお話を伺っていると必ずしも悪いことではないのかなと思えてきました。


相手が発している言葉と、抱えている感情は必ずしも一致していない


ーーそうやって客観性を持って物事を判断するようになってから、以前とどんなことが変わりましたか?

「その上司に関わらず、人に対してイライラすることがだいぶ減りましたね。

ーーおお!イライラしなくなったことで更に起きた変化や良かったことってありますか?

「一言で言うと、人に対して優しくなれましたね。

相手はイライラさせたくて言っているわけではないし、言葉では人に怒っているけど本当は自分自身に感じている不安に対してとった反射的なものなんじゃないかなと。

そうなると、僕が相手に怒りで返すのが本当に適切なのかと疑問に感じて、相手を思いやれるようになった感じかな。」


ーー相手の言葉や態度がイライラしたものであっても、それはりょうへいさんをイライラさせたくてしているわけではない事を理解したから、その裏にある相手が望んでいることを考えられるようになったってことですかね?

「そうですね。相手が発している言葉と、抱えている感情は必ずしも一致していないんだなということに気付けましたね。」

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ーーなるほど。りょうへいさんの客観的な視点は、仕事や日常の人とのやり取りの中で身に付けてきたことだったんですね。

「後は、コーチングを知ったことでコミュニケーションと人に関心が持てるようになったので、今まで見えなかったことが見えるようになったり、今まで感覚的にやっていたことが言語化されたことも大きい。」

ーーそうか。客観的に物事を捉えたり、相手の言葉の意図を考えたりっていう無意識にやっていたことが言語化されて繋がったんですね。

「そうですね。間違いないです。」

ーー上司のお話はコーチングを学ぶ前のことなんですよね?

「学ぶ前ですね。」


コーチングを始めたきっかけは、ティーチングを使ったコミュニケーションに疑問を持ったから


ーーそれまでは無意識にやっていたということなんですが、言語化されたからこそ、意図的にやってみたりコミュニケーションを変えてみたことはありますか?

「意図的に変えたことで言えば、どう思っているかや、どうしたいかを直接相手に聞くようになりましたね。

ーー直接相手に聞いた場合と、聞かなかった場合に起こる違いってどんなことがあるんでしょう?

直接聞いてみることで、純粋に相手と良い関係になれると思ってます。
もともと、コーチングをやり始めたきっかけは、ティーチングを使ったコミュニケーションに疑問を持ったからなんです。」

ーーと言うと?

「友人から転職相談をされた時に、僕なりのアドバイスを伝えたんですね。
ただ、その反応があまり良くないことに気付きました。
結果、その友人は僕のアドバイスとは違う選択肢を選だんですが…
その時に思ったことが、答えは既に友人の中にあって、その後押しが欲しかっただけだったんじゃないかと。

だから、相談された時のコミュニケーションとして、今のやり方は適切じゃないなと感じていた時にTwitterでコーチングを知りました。」


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ーーコーチングを知った後、まずはどんなことから始めたんですか?


「まずはTwitterからコーチングをされてる方を探して、すぐにセッションを受けてみましたね。

ーーへえ。まずは自分でセッションを受けてみようと思ったのは何でなんですか?


「コーチングを知ったのはnoteからだったんですけど、文章だけだと全体をイメージしづらいなと思ったので、実際に受けてみようと思いましたね。」

ーーどうでしたか?実際に受けてみて受ける前のイメージと変わったことや感じた印象とか。

普段のコミュニケーションの中では経験したことの無い関わり方や、投げかけられる言葉に衝撃を受けました。
例えば、何の制約もなかったら3年後にどうなっていたいかなんて、そうそう聞かれないじゃないですか(笑)」

ーー確かに、日常会話の中ではあまり出てこないですね(笑)

相談時のコミュニケーションの取り方に疑問を持ったと仰ってましたが、セッションの後りょうへいさんはどんなコミュニケーションを取りたいと思いました?

「まずは、自分もコーチングをやりたいなと思いましたね。
コーチングを通してのやりとりが純粋に面白いなって思ったので。」


ーーコーチングの面白さってどういうところにあると思います?

「クライアントとして思ったのは、自分では考えてもいなかったことを質問されることで、自分はこういう価値観や考え方をしているんだって気付きがあったこと。

後は、承認や応援をして貰えることが気持ちいいなと(笑)」


ーーコーチングって新しい自分が発見できることがありますよね。
じゃあ、そこからコーチングを学ぶ中で他者との関係性の築き方や、意識が変わったことはありますか?

相手の話を本当の意味で聞けていなかったと感じましたね。
言葉として耳には入ってくるけど真意はわかっていなかったり、自分がアドバイスをしたいって気持ちが勝っていたり。

相手でなく、自分に矢印が向いていたんだなって気付きました。」


ーー上司のお話に通じるところもありますね。
ここまでのお話からも、相手の言葉をそのまま受け取らず、言葉の裏にある真意を理解しようとする姿勢が大事なんだなと実感しました。


根本的な問題を放置したままでは何も変わらない


ーーでは、りょうへいさんの今までの気付きや経験から、相手の態度や言葉に振り回されてしまいがいな人に対して「こうしたらもっと楽になるよ。」っていうコツみたいなものをお聞きしたいです!

「1番オススメなのは、内省による自己理解ですかね。」

ーーと言うと?

「コーチングを知ってから、もう1人セッションを受けたコーチがいるんですが、その方のコーチングは、過去のトラウマも掘り下げるものだったんです。
自分の考え方はこういう不安からきているんだということに気付けるセッションでした。」

ーー今の自分の考え方を作った過去に感じた不安や、トラウマを特定するコーチングみたいなイメージですか?

「そうです。例えば、僕自身が選択に迷っていた時に、今まで親が色々決めてくれていたから責任を押し付ける所在がないのが不安なんじゃないかとか。」

ーーへえ。興味深いですね。

「もともと、自分にはこういう価値がないから駄目なんだと思っていたんですよ。
でも、良い悪いで判断しているのは誰?って思った時に、判断しているのは結局自分なんですよね。

実際は、誰からも言われたことなんてないのに。」

ーー価値がないと思い込んでいたのは自分自身だったと。

「今までは“こういうことができなきゃ自分はいちゃいけなんだ”と思っていたのが、世の中は別に、許可制じゃないんだなってことに気付きましたね。」

ーーなかなかインパクトのある気付きだと思うんですが、それに気付いてから、りょうへいさんはどうしたんですか?

「そうですね…今までの思い込みの原因となっている価値観を捨てるために、新しい価値観を入れるようにしました。」

ーー具体的にはどんなことをやってみたんですか?

世の中は許可制ではないと気付いた上で、“じゃあ誰の許可を欲しがっているんだろう?”って考えてみました。
僕の場合は、それが母親だった。

そこで、コーチが重めの宿題と軽めの宿題を用意してくれたんです。
僕は重めの宿題の“母に、息子の僕に期待していることを直接聞きに行く”方を選択しました。」

ーーおお…あえて重めの宿題を選んだんですね。

根本的な問題であるここを放置していても、何も変わらないぞって気付いたんですよね。
セッション中に涙が出るくらい内省して苦しんだので(笑)
とことん痛い方へ進んでみようかなみたいな。」

ーーセッションでそこまで痛みに触れたのに、更に痛い方を選択したのか…

「そうですね。自分の思い込みの原因である感情に気付くって痛いんですけど、その思い込みを守っていても何も生まれないって気付けたことで、清々しさもあったんですよ。」

ーーその清々しさは、そこまで深く内省しないと感じられない境地な気がする。


「だいぶ荒療治ですけどね(笑)

ただ、その荒療治のおかげで、一番やりたくなかった“母親に、自分へ期待していることは何かを直接聞きに行く”ってことができたので、もう自分を知ることへの恐怖はないかな。」

ーー自分を知ることへの恐怖がない?

「うん。だってもう既に痛い思いをして、一番知るのが怖いと思っていたところを知ったので。」

ーーじゃあ、自分の根っこにある恐怖と向き合うための宿題に挑んだわけですが、乗り越えた後の気持ちはどうでしたか?

「実際に母親には、『俺に期待していることって何?』って聞いたんですけど、返ってきた言葉が『健康でいいてくれればそれでいい。』だったんですよ。

あれ?意外と期待されてないぞっていう開放感(笑)

ーー開放感か〜いいですね(笑)

「だからある種、自分で不安を作っていたんだなと。」

ーー実際にお母様に確かめに行く前は、どんな不安や思い込みを作っていたんですか?

「例えば…結婚をして孫の顔を見せることを期待されているとか
まあ、結果、言う程の期待はされていなかったので自分で思い込んでたなと(笑)」

ーー健康でいてくれればいいって言うなら、もうりょうへいさんはお母様の期待に応えていることになりますもんね。


自分の痛みと向き合う恐怖に打ち勝つ方法とは?


ーー根本的な問題に向き合ったからこそ、気付けることがあったり、生きづらさから解放されるんだなというのが伝わってくるお話でした。

とは言え、自分の根っこにある痛みに向き合うことへの恐怖が強い人って多いと思うんですよ。
そういう人達へのアドバイスをお聞きしたいです。

「アドバイスか…じゃあ2つ。
1つ目が“向き合わず、今のままでいた先の自分”と、“向き合った先の自分”を比較してみたら良いと思います。」

ーー今のままの自分と、向き合った後の自分にどんな違いがあるのを比較した上で、どっちを選択するか決めるわけですね。

「はい。2つ目はとりあえずお金を払ってプロのコーチの力を借りてしまう。

僕が実際にそうだったんですけど、さっき言ってたコーチの方のセッションが、まさか泣かされる程のものだなんて思ってなかったんですよ。

その前に受けた別のコーチの方は、もっと勇気付けとかしてくれたので、むしろガンガンにトラウマ掘り下げてくるやんみたいな(笑)」

ーー(笑)


「難しい方の宿題をあえて選択したのも、お金を払ったんだから元を取らなきゃみたいな心理がどっかしらにあるんですよ。」

ーーなるほど。自分だけで難しければ、お金を払ってでもその道のプロにお願いしてみると。
確かにそういう心理を利用するのも有りですね。

りょうへいさん自身もコーチをされているじゃないですか?
どんな方に自分のコーチングを受けて欲しいですか?


自分のことをネガティブだと捉えている方に受けて頂きたいですね。
コーチングを通して僕が勇気付けすることで、クライアントご自身でも勇気付けできるようになった上で自分が実現したいことや、なりたい状態を目指して欲しいです。」

ーーコーチがいなくても、自分で自分を勇気付けしながら進めるようになって欲しいってことですかね。

「そうです。バンドのライブとかもそうだと思うんですけど、一生のうちでライブを見ている時間の方が圧倒的に短いじゃないですか。
例えば仕事をしている時間や、家族と過ごしている時間の方が長い。」

ーーそうですね。

「あるバンドマンが、楽しいと感じられるライブの時間は短いから、音楽に触れていない時間も楽しめるようなライブや音楽を提供したいみたいな事を言っていたんですよ。
だから、僕もセッションを受けていない時間も、より充実したものになるようなセッションをしたいです。」

ーー私もコーチについて貰っていたんですけど、セッション中は勇気が持てたり前向きになれても、セッションを受けていない日常に戻ると、たまに前の自分に引き戻されちゃう瞬間もあるんですよね。

「セッション中にコーチがクライアントを承認して勇気付けするって言うのは、一過性のものだと思うんです。
だから、クライアントが自分で自分のことを承認できるようになるのが理想ですね。

ーー確かに、自分で自分のことを認めることができるのが、一番理想の状態ですね。

りょうへいさんが客観性を持てるようになったバックボーンや、コーチとして何を大切にされているかもお聞きできて、とても参考になりました。

本日はありがとうございました!


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「客観性」って言葉だけで考えてしまうと、凄く複雑で難しいことのように感じる。


でも、今回りょうへいさんのお話を伺って、客観性って相手や自分を理解しようとする気持ちを持つことが何より大事なんじゃないのかなと思った。

自分が受け取ったものに対して「本当にそうだろうか?」ともう一段階踏み込んで考えてみる。


表面的な言葉や行動の裏にある感情や価値観を理解しようとすれば、今まで見えていたものとはまた違ったものが見えてくるのかもしれない。


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りょうへいさんのコーチングセッションが気になった方はこちら☟☟☟

ギャ男のコーチってなかなかいないから、新しい扉が開くかも…?
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