すべては「渦」のようなもの
さあ,今日は何の話をしようか?
理科のおはなしは,何日か前に止まったままだったよね。
何だったっけ?
あ,そうそう,パルメニデスの「ある,そしてないはない」,だったね。
うんうん,この世界が幻かもしれない,で終わってた。
そうそう,梨はそのうちなくなっちゃうから「本当に存在する」かどうかわからない,だったよね。
考えてみれば,君も8年前はこの世にいなかった。でもママのお腹の中にはいたね。
その前は,本当にいなかったね。
人間も,生き物も,海にできた「うず」みたいなもんで,少しの間だけできては,消えていく,そんなもんだ。
パパも,これから先,ずっと「あり」続けることはできないんだ。
いつか,「ない」になってしまう。
うんうん,そうだね,パパもずっと一緒にいたいよ。
だけど普通は年上の方が早く死ぬんだ。
じゃぁ,本当に存在するものって何なの?っていうことだけど,何だと思う?
ずーっと前からあるもので,これからもずーっとあるものだよ。
おっ,そうだね,地球はずーっとあり続けてるね。
でもね,地球は46億年前に宇宙の塵が集まってできたんだ。
うん,ホントホント。
だから,地球は何か他のものからできたってことだ。
え,太陽?そうだね,太陽は地球よりも長い歴史を持っているけど,やっぱり生まれた時があるし,やがて爆発してなくなってしまうんだよ。
うん,ホント。
そう,太陽が爆発したら,地球も一緒になくなっちゃう。
太陽が「ある」と思っても,いつかなくなるから,本当に「ある」ものじゃない。
だから太陽も地球も,渦みたいなもんだ。
うーん,どうしよう。本当にあるものなんてあるのかなあ?
え?宇宙?
おおー,素晴らしい答えだね。
そうだね,宇宙なら・・・と思うでしょ。
ところが宇宙も歴史があって,138億年前に生まれたんだ。
その前は,よくわかっていない。
うん,パパもわかんない。
でもね,もし「何もない」から「宇宙」が生まれた,というのなら,それはおかしいじゃない?
だから,今の物理では「何もない場所」つまり「真空」には何かが「ある」ということになっている。
真空も,星や地球も,同じ「ある」の仲間なんだ。
そうすると,世界には「ある」しかなくて,「ない」はない。
君はどう思う?
うーん,頭がシュワシュワしてきたね。
・・・・
・・・・
あ,寝ちゃったみたい。
うーん,パルメニデスの催眠効果はすごいなぁ。
また,続きのおはなしをしようね。おやすみなさい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?