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#66 詩人にはなれない

 otsesameさんのnote「奥」で、恥ずかしながら今頃「手紙」という曲を知った。最初に惹かれたのは、アン・サリーさんのカバーの話が出てきたからで、ちょうど彼女がカバーする「僕らが旅に出る理由」がいいなあと思っていたところだった。夜のライブの様子がyoutubeにあって、それも誰かのTwitterで知ったのだけど、風に揺れるランタンの明かりの中で、柔らかな彼女の歌声がとても自然に胸にしみてくるカバーだ。次に曲を聴いてみる気になったのは、noteで紹介されていた「背骨で聞いている はちみつの雨」という歌詞。何だそれ?意外な言葉の組み合わせに驚いて、noteにある順番通りアン・サリー版とオリジナルのブルーハーツ版を聴いてみた。やられた!と思った。のっけから「バージニア・ウルフの瑪瑙のボタン」だ。絶対自分には書けない、詩人を目指さなくてよかった(元々目指したことないけど…)。
 ブルーハーツのメジャーデビューは1987年、勿論彼らのことは知っていたけれど、RCサクセションと共に学生時代を送った自分には一つ後の世代のバンドという印象だった。学生の頃は、ずっとギターを弾きながら歌い続けることに何の疑いも持っていなかったけれど、就職して何年か経つ内に少しずつギターに触れる機会は減っていった。どうしてかは分からないけれど、多分よくあることだ。そうならない、というかハナから就職などという選択肢を持たないような人たちがプロになっていくのだろう。
 久しぶりにギターが弾きたくなってコードを探ってみる。途中で分からなくなって検索してみると、「手紙」でBack Number、アンジェラ・アキ、ブルーハーツ、由紀さおりが出てくる。どこに反応するかでその人の年代が分かりそうだ。キーはAか、ギブソンのギターが似合いそうだ。ひとしきりなぞってみて、いい歌だなあと思った。暗譜するまでにはいかなかったけど、機会があったらまた弾いてみよう。そう言えば昔、「手紙は時限爆弾」という歌詞を書いたことがあったな、結局曲にはならなかったけど…。


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