短編小説「パパの恋人と赤い屋根の家」4/6
◇短編小説をこま切れに?して…これがその4回目です。短編を分ける?伝わるかしら?でもそれが青島ろばの純文気分です。その短編を「異界の標本」としてまとめていきます。
「あなた、いつも窓の外を見てぶつぶつ言ってるわね」
パパの恋人が不意に私達の思考を遮ったようだ。
止まっていた時間が流れ始める。
傍らを見ると、いるはずの弟の姿が消えていて私はあわてた。
「あなたって、いつもそんな風に考えごとをしているけれど悩んでばかりいたってしかたないわよ」
私はあたりをキョロキョロしたけれど