なつかしき飢餓

なつかしき飢餓
分かち合う喜び

狩猟生活の記憶の欠片

獲物があった日は
がつがつ食べて
獲物がない日は
みんなで腹ペコ
冬になればそんな日が
幾日も幾日も続いた

限られた食べものを
分け合いながら
飢えすらも
分かち合いながら
春を待ち
子どもたちは笑った

消化器系は憶えている
空腹になる度
遠いあの頃の飢餓思い出す

魂は思い出す
春の陽にきらきらと輝く
子どもたちの笑い声を

なつかしき飢餓
分かち合う幸福

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