(詩)永遠の人

自分に似た生きものを
作ろうと思った神様は
人を作った

けれど人には
重大な欠陥があった

人は誰かを
愛することが
できなかった

人に
愛を教えるために
神様は
人をふたつに切り離し
男と女を作った

それは
はるか遥か遠い昔のこと

風が吹いていた
夏の午後
うん
多分、夏の

風が
木々の葉を揺らし
石ころたちが
気持ちよさそうに
日向ぼっこしていた

ねぇ
そんな風景が
ふっと、浮かんだんだ

あなたをはじめて見た時

だけど
あなたとはそれっきり
ただ街ですれちがっただけ


何人もの女の子と
恋をしたはずなのに


あなたとは
またいつか何処かで
会える気がする

名前も知らない、あなた

名前も知らないあなたへ
またいつか会える

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