(詩)麦藁帽に花を隠して

麦藁帽子に花を隠して

夏だというのに涼しいのは
風が吹いてくるから

夏だというのに
きみのそばにいると
涼しいのは

風も
好きな人のところに
吹いてくるから


麦藁帽子に花を隠して

きみの枕元に置けば
しっとした風が
花を吹き飛ばそうとして
吹いてくるけど

風に気付いたきみが
目をさまして

麦藁帽子に
花を隠したのは風
きみは、風のせいだと思う

本当は、ぼくなのに
木の陰にこっそりと
隠れて見ている
ぼく、という風

麦藁帽子に花を隠して

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