(詩)雨花
花が雨にぬれている
ひっそりと何もいわずに
ぬれている
とうめいなつめたい
まっすぐに
空からおちてきた
雨にうたれながら
何もいわずじっと黙って
傘も差さずに
傘を差すことも知らないで
くしゃみもせずに
しっとりと恋するように
いとしい人を想うように
今いちりんの花が
雨にぬれています
おしえてくれよ
ここが天国じゃないわけを
ここが地獄でもないあかしを
おしえて下さい
おかした罪をつぐなうすべを
今いちりんの花が
雨に打たれながら
雨にぬれたわたしを
じっと見ている
何もいわずじっと黙って
傘を差すことも知らないわたしを
傘をさしかけることも
知らない花が
※花は紫陽花でなく、ドクダミです。
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