アトムの朝
わたしが
冷たい雨に打たれる時
凍りつく
冬の路上で震える時
誰がわたしを
守ってくれるだろう
やがてわたしが
最後のひと呼吸を終え
わたしの肉体が滅び去るのを
ぼんやりと眺める時
それでもなお
滅びることなく
わたしの存在は保たれる
その滅亡と存在との
わずかな隙間に
けれどたしかに
わたしを保たせてくれるのは
誰だろう
わたしは
誰かによってつくられた
たしかに誰かによって
遥か遠い
時と宇宙の彼方
ある朝
誰かがわたしをつくった
そしてある朝
わたしは目をさました
ゆうべは
どんな星が
瞬いていましたか
まだわたしが
存在しなかった夜に
それとも雨や雪が
降っていましたか
あなたはどれだけの
時間と苦労をかけて
わたしをこしらえて
くれたのですか
わたしの内に
いったいどんな
願いを込めて
ある朝
誰かがわたしをつくった
そしてある朝
わたしは目をさました
神様って
お茶の水博士みたいな顔
しているのかもしれない
今でも笑うと
お腹が
くすぐったくなるのは
お腹のネジを
あなたが少し
締め忘れたから
なのかもしれません
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