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(詩)雪の夜の約束

ぼくはきみを花と呼んだ
きみはぼくを風と呼んだ
直ぐに何処かへ
行ってしまうから

でも本当は
太陽と星になりたかった
昼は太陽になり
夜は星になり
この世界中を照らすんだ
ずっといつまでも
きみと一緒に

泣き虫のきみは雨
じゃポーカーフェースの
ぼくは砂漠?

それより海へ行こう
きみが海で
ぼくが砂浜
そしていつも
きみの涙を受け止める
きみの歌声を聴いている

雪が積もった冬の夜は
震えるきみを抱き締める
何処へも行かず
ずっときみのそばにいるよ、と
いつまでも
きみを抱き締めている
きみの代わりに泣いてくれた
雪を眺めながら

春になったら
また野を駆け回ろう
きみも風になって
そして疲れたら休もう
大地に寝転がって

きみはぼくの花
ぼくは
きみの大地に
なりたかった
だけどやっぱり、風

やがてきみを残して
ぼくが旅に出る時
旅に出た後
それでもぼくは
きみとの約束を果たすため

ほらやっぱり風になって
いつでも
きみの周りを回っているよ

だから
泣いてばかりのきみが
春の陽の中でふっと
笑いたくなったら

それは
きみの頬っぺたを
ぼくが撫でていったからだと
思って下さい

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