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(詩)住宅街の一角の安アパート

通行人の足音、おしゃべり
学校帰りの子どもたちの鼻唄
聴くともなしに耳に入って

この場所も
たくさんの人が住み、生きている
住宅街の一部なのだと思い出した

どんなやつが住んでいるのかも
知られないまま
生きているのか、死んでいるのかすら
関心を持たれず
されど若い季節の数年間を
確かにわたしも生きていた
閑静な高級住宅街の一角にある
安アパート

隣りの部屋には
貧乏だからと東南アジアの
四人家族が住んでいた
あの子どもたちは
今頃何処で何をしているだろう

真夜中ひとりぼっちで
すすり泣いていたわたしを
子どもたちの寝息が包んでくれた
あの住宅街の隅の安アパート

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