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売れる本を作りたい!~私が文学フリマに出店する理由~

私は大阪に住んでいるので、関西で開催される文学フリマに2016年から毎年参加しています。
(文学フリマって何?という方はググってください)

来る2021年1月17日は京都で開催されます!
感染対策もバッチリして、もちろん出店します!



雑誌をつくりたい

同人誌、ではなく、私は雑誌を作りたい。
それが私の文フリでの目的です。
私は編集長になりたいんです!
書くもの自分。編集も自分。すべて自分一人なので
とても自由!
これは仕事ではなく、完全なる趣味。(大人の本気遊び)
趣味、遊び…と、いえど

売れる本を作りたい!

売れるといっても、1万部とかじゃないですよ。
10部でいいです。
実際、文フリで売れるのは10部から多くて20部程度が限界だと思います。
(私の場合です。めっちゃ売れる人は知りませんが)
なので目標、10部。
そのかわり、買ってくれた10人が、全員
「買ってよかったなぁ!」
と、しみじみ言ってくれる本を作りたい。
心に残る本を作りたい。

では、買った人が「買ってよかったなぁ!」と言ってくれる本とは?
雑誌とは何ぞや?
と、考え答えを出すために、今回の記事を書くことにしました。



自分自身が「買ってよかったなぁ」としみじみ思う雑誌を振り返ってみる

単行本ではなく、雑誌。
まずは私が毎月購読していた雑誌を振り返ってみることにしました。

小学生 「なかよし」「小学二年生」
中学生~高校生 「別冊マーガレット」「ビックリハウス」
20代~ 「ヤングユー」「ダ・ヴィンチ」
30代~40代 「日経WOMAN」(たまに)「ビックコミックオリジナル」(たまに)
女性ファッション誌(SWEETなど・主に付録目当て)

振り返ってみて「あれ?」と気づきました。
雑誌大好きでよく読んでいるし買っていると思っていたわりには
30代以降はあまり買っていません。
仕事で使う資料で必要であったりして、そのときそのときに適当に買うことはあっても、
「毎月楽しみで楽しみで仕方ない!発売日に買うし、発売日の前日にも念のため本屋をのぞく」
という雑誌は、今はもうありません。

そういう「楽しみで楽しみで仕方ない」という人生の一部に組み込まれた雑誌が存在していたのは、小学生から20代後半くらいまでのようです。(私の場合です)
そういえば好きな漫画は単行本で買います。
ファッション誌でまずチェックするのは「ふろく」です。

しかし…

「なかよし」は付録とキャンディキャンディ目当てで買ってもらっていたところ、
そこで里中満智子先生の漫画に出会い、私の漫画人生に大きく影響を与えました。
「別マ」はくらもちふさこ先生が連載していたので買い始めましたが、
その他にもたくさん、影響を受けた作家さんや作品がわんさかとありました。
作者も覚えていないけど「なんかずっと印象に残っているシーンがある」というのも、そういう雑誌があったからこそです。
求めていなかったものまでが思いがけず手に入る。
それが雑誌の良さだと思います。

あとは、小学生の私は、もちろん漫画が読みたくて、漫画雑誌を購入していたのですが、その他の「読み物」もこよなく愛しました。
たとえば、「なかよし」には本編のサイズとは違うページが挟み込まれるように綴じられていて(今でもあるのかな?)、読者からのおたよりで構成される「なかよしジョッキー」と、漫画家さんの日常などがうかがえる「ハローなかよし」というコーナーがありました。
巻末には「ふろく」について語るページがあり、漫画家を目指す人たちが投稿する「まんがスクール」などももちろん、それらの「漫画以外」のページが充実していることが私をワクワクさせ毎月発売日を心待ちにさせていたと思うのです。
このような読み物は、単行本では決して味わえないものなのです。

ところで…
「なかよし」や「別マ」に混じって、
しれっと「ビックリハウス」が混じっていることに「え?」と違和感を覚えた方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。

ここで「え、ちょ、ちょっと、ビックリハウスて!(笑)」と懐かしさと親しみを込めたツッコミをくださる方がいたらお友達になりたいです。

「ビックリハウス」は、3つ上の姉(YMOのファンだった)が突然買ってきたサブカル誌です。
表紙につられて(坂本龍一を描いたイラストだったような)つい買ってしまったようです。
私はこの雑誌に衝撃を受けました。
「字がこんなにおもしろいなんて」
という衝撃です。
私は漫画しか読むことができない人間でしたので、字…つまり文章というものはせいぜい、「なかよし」や「別マ」の漫画の合間の読みもののコーナー。
それが、ほとんど「字」なのに、おもしろい。
写真やイラストや漫画も、いい感じに散りばめられていて、
それらは「字」のために存在するのです。
私はむさぼるように読みました。
1冊すべて読み終えた後の充実感…。
これは漫画雑誌では味わえないものでした。

しかし、このおもしろさを友人に伝えても、伝わらない。
そのもどかしさもまた、「わかる人にはわかるのよ」と
私を熱くさせました。(なんかイヤな奴…)


雑誌は、逃避?

思春期に出会う雑誌は、思えば「逃避」でした。

友達もあまりいない地味な子でしたので、雑誌が友達でした。
家族での会話も限界があります。
そして一番悩ましかったのは自分自身でした。
幼いから、ということもあり世の中は不安でいっぱい。
今後私はちゃんとした大人になれるのだろうか?
生きていることが苦痛になることもしばしば。

でも、雑誌の中に逃げ込めば、私の知らない世界が広がっています。
「おもしろいこと」
「ワクワクすること」
「知らなかったこと」
で満ちている雑誌のおかげで「つまらないな」と思う毎日もなんとか
過ごすことができました。
「自分もおもしろい漫画を描こう」という励みにもなりました。
それは絶対に、学校でも家庭でも教えてくれないことでした。

大人になると、もういいかげん逃避している場合ではなくなったので、
雑誌に求めるものは、今自分がより良く生きるための「情報」です。
夢がないかもしれませんが…実用的なもの、
魅力的な付録を求めてしまいます。

でも、その中にやはり「遊び」がほしいです。
昔を懐かしんだり、
「意味がない」と思いつつも、子どもの頃のように夢中になったり。

そして昔から変わらないのは
「友人」的なものです。

自分の話を聞いてくれたり共感してくれたり
「こういうのはどう?」と思いがけないアドバイスをくれたり

決して上から目線ではない
今の自分よりも、ちょっと先を見ているような。

それが私の今、作りたい、売りたい「雑誌」なのだと思います。


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というわけでこれからも雑誌作り、頑張ります!
これは通算第8号となった「ピノコプレス」。
今回のテーマは「おふろ」。
銭湯に関するエッセイや、温泉つきビジネスホテルの楽しみ方、
鹿児島へいったときのコミックエッセイなどを詰め込みました!

目標10部!
というか、前回の文フリ大阪で、思ったより結構売れたので
在庫があと10部しかないんですよ…。
残りの10部を売り切るぞ!
買ってくださった方に絶対に後悔はさせません~!
付録もつけます!

文学フリマ京都は、
2021年1月17日㈰ 11時~16時
京都市勧業館みやこめっせ1階で開催されます!

ぴのこ堂のブースはさー10です!
よろしくお願いいたします!!

※1月12日追記
第5回文学フリマ京都は中止となりました。






 


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