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電子書籍をセルフ出版・私の現状とこれからのこと

前回の記事でもお伝えしました、私の過去の作品の電子単行本
「やりすぎ女図鑑」山谷シュウコ著がkindle版でも発売となりましたので、ひとまず宣伝を。

こちらは私が10年以上前に雑誌に掲載されたものをまとめて、出版社の青泉社さんが販売をしてくれています。

ちなみに前回の記事とはこちらです。


しかし…

kindleであれば個人で誰でも出版社を通さずとも電子書籍を作って発行、販売ができるKDPというサービスがあるということは、多分もうどなたでも(noteをご覧になっている方ならほとんど)ご存知だとはおもいます。

では、kindleインディーズマンガの存在はどうなのでしょう?と、ふと気になって、この記事を書くことにしました。


AmazonがKDPをはじめた当初(2012年)

「自分で電子書籍が作れるなんて!」とかなりワクワクしたものです。
私は漫画以外でも、小説も書きたいと思っていたし、雑誌でも何でも、とにかく本という形式のものが好き。
これはもうやるしかないな!と意気込んでいました。

しかし、私はずっと手描きで原稿を描いてきたアナログ人間であり、
PCオンチの私にはハードルが高すぎて、「kindleでセルフ出版する方法」という類のどの本を読んでもさっぱり理解できず…
(わかる人には簡単なことなのでしょうが…)
Wordさえも使いこなせない私には、「もう、諦めるしかないな!」と
長い間KDPのことは忘れていました。

そして数年後、そのKDPの一部なのですが、kindleインディーズマンガというサービスが新たに(2018年)始まりました。

インディーズなので、無料で読んでもらえます。
なのに、ダウンロード数に応じて分配金ももらえるという…

なに、その夢のような話!とまたワクワクして
よし、今度こそ登録しよう!と
再びチャレンジしました。
が、これも(英語だし)ややこしそうで…
一旦諦めかけましたが、数か月後またトライして、なんとか登録できました!
(英語だからビビってしまうけど、間違ってサインしたとしても、そもそも無料のサービスなのでいくらかを請求されることはないのですし)

登録したあとも、手持ちの漫画は使えなかったので(アナログしかなかったので)
まだ覚えたてのクリスタでなんとか漫画を制作して、無事発行することができました。
ここまでが長かったけど、一度作り方を覚えてしまえばとても簡単です。
通常のKDPとは違って、web上でデータを入力するだけなので、
ファイルにしたりといった手間がかかりません。
pixivなどの投稿サイトに投稿するような感覚で電子書籍が作れるのです!

私の17冊目のkindleインディーズマンガがこちらです!

noteでも公開していますが、後編は有料にしています。
こちらなら全ページ無料ですよ♪

kindleインディーズマンガのいいところは、
インディーズでありながら、他の出版社さんから発行される作品と同じような形でkindleのストアに並ぶことです。

もちろん、大手の出版社さんの宣伝の力にはかなわないので、埋もれまくって、なかなか目にしてもらえる機会も少ないのですが…。
無料といえど発行しただけでたくさん読んでもらえる…というわけもなく、宣伝は個人の力で地道にやっていくしかありません。

それでもこういったちゃんとした書籍の形になるということは、やっぱり嬉しいものです。
表紙や目次、奥付など、工夫次第で本格的なものになります。
ちゃんとした書籍のデザイナーさんが作ったものと比べると
もちろん、ショボいのですが…。
それでも毎回表紙を考えたり工夫するのは楽しいし、
本屋さんでも装丁が気になって、よく眺めたりするようになりました。
当たり前のことなのかもしれないけど、
表紙って大事だな!
と今頃実感…。
デザインをプロの方にお任せするのも手ですが、
私の場合、アレコレ考えるのも楽しいので、ショボくてもいいから自分でやってみたいなぁ~とおもっています。

今のところkindleでこのようなインディーズのサービスはマンガのみのようです。
でも、イラスト集を作っている人もいるようだし、もちろんエッセイ漫画でもOKだし、1ページだけでもいいらしいです。

「何をもってマンガとするか」は、人それぞれだと思うんです。
何もコマ割りとセリフで成り立つものだけがマンガではないし、
小説やエッセイとイラストを組み合わせたものでも本人が
「これはマンガだ」と言えばマンガなんだろうし
(「石マンガ」を描いている青年が主人公のマンガもあったな~)
マンガとはめっちゃ自由な世界なので、
どなたでもkindleインディーズマンガでマンガデビューしてみてはいかが?…なんつって。

もちろんnoteでも同じようにマンガを発表することができるのですが、
それとはまた違った感覚を味わえます。
それになんといっても…分配金!がいただけるので、
ダウンロード数に応じて私も毎月いくらかは振り込んでもらえています…
が、めっちゃ少ないので「これで一発あててやるか!」てな考えの人は違うことをした方が良さそうです。
(あくまでも自己表現の一環としてなら大いにオススメ!します)
それでも、少なくても、自分の手で最初から最後まで責任をもって作った電子書籍が確実にいくらかを稼いでくれるのですから、希望があります。
たいした宣伝はしていなくても、毎日必ず数冊はダウンロードされているので、どこの誰とは存じませんが、私の漫画を選んでくれてありがとう!!という感謝の気持ちが沸いてきます。


セルフ出版、今後はどうする?

私は当分こんな感じで、kindleインディーズマンガでコンスタントにマンガを発表していくつもりなのですが、時々思うのは、
「だったらインディーズではなく通常のKDPで無料ではなく有料で販売すれば?」
という話なんですよ。

値段をつけたとしても、kindleunlimitedに加入している人ならば読み放題なので読んでもらえやすい。
インディーズでいただける額は本当に少ないので、それだったら安くても値段をつけた方がまだ売り上げが上がるかもしれません。

そして大事なことは、「無料だから読む」という作品ではなく、
「お金を出してでも読みたい」という作品を作っていかなければいけないということです。
それがプロというものです。

しかしです…

繰り返しますが、私はめっちゃPCが苦手なんです!
kindleインディーズマンガのいいところは、発行がとても簡単というところです。(こんな私でもできたのですから)
noteやpixivで漫画を投稿できるくらいの人なら多分、ちょっと頑張れば誰でもできます。

あと、kindleに限らずとも数年前から電子書籍取次サービスを行っている会社も増えました。
ちょっと前までは何のことだかさっぱりわかならなかったのですが、
kindleを含むあらゆるストアでの配信を代行してくれるというサービスです。
自分一人で宣伝するには無理があるし、個人では配信なんてしてくれないストアがたくさんあります。
この取次サービスにお願いすれば、ストアが一気に増えるので読んでもらえる機会も、幅も広がります。

うまくいけば自分自身が小さな出版社となり、利益も生み出すことができるかも…いえ、うまくいけば、ではなく、
うまく活かさないといけないのですが。

そこで問題は…
しつこいようですが、私はPCが苦手なのです。
ファイルにまとめて圧縮して転送して…という作業がものすごく面倒だし
(それくらい頑張れよ、という感じですが…)
「まずはご相談を」と書いてあるところがあっても「どういうふうにご相談すればいいんだ」とメールの前で固まってしまいます。(そういう性格なんです)PCが苦手なうえに、メールでのやり取りも苦手なのです。

kindleインディーズマンガくらいの手軽さと簡単さで、多くのストアに販売することができるようになったらいいのにな…と、
なんとなく考えながら、ネットを見ていると…

なんと、そういうサービスがもうあるではありませんか!!
(と、こういう書き方をするとまるで回し者のようですが違いますよ)

ナンバーナインさんという取次サービスです。
(まだネットで見つけただけなので登録もしていないのですが)
なんとweb上ですべて完結する…(らしい)
多くのストアに配信してもらえる…(らしい)
すごい…。
私が「こんなのあったらいいな」というサービスが、
私が知らなかっただけで、もうすでに存在していました。


私は創作に集中したいだけ

で、「ナンバーナインさんに登録して配信をお願いするの?」
というのはまだ置いといて…。

あと1年くらいはkindleインディーズマンガで頑張ろうと思います。
そうやって無料で読んでもらえるマンガを増やしていって、
徐々に「これは有料でもいけるかな」という作品ができたら
そちらに移行していこうと考えています。
もしかしたらもう少し経てば、もっと自分に適した配信サービスが
生まれるかもしれません。


私がこの記事で言いたかったこととは…

自分のマンガを描いていきたい、という気持ちさえあれば
あとは何とかなる。

ということなのです。

ほんの20年前までは、PCが使える人なんて、ほんの一部で、
HPを作ることは、限られた人だけができる特権でした。
でも、無料HPができ、ブログができ、SNSができ、
技術はどんどん発達して、PCオンチな私でも
簡単にPCを使って発信することができるようになりました。
(開発してくださる技術者の方々のおかげです!)

私にできるのは、マンガを描くことだけ。

でも、それだけでいいのです。

マンガを描くということも、ちょっと前までは、
どこかの出版社の雑誌に掲載してもらわなければ叶わなかったことなのです。そして編集者にOKをもらわなければできないことだったのです。

でも、KDPや電子書籍取次サービスなどができて
一気に垣根を飛び越えてしまいました。

もちろん「だからすべて解決」というわけではありません。

ただ、チャンスはおおいに与えられた…というわけです。
あとは地道に頑張るだけ…だと思っています。

システムやサービスはどんどん変わっていきます。
でも、どんなに世間が変わっても、
絶対に変わらないものもあります。

それは、
〇おもしろいマンガを描く。
〇真剣に描く。
〇心を込めて描く。
〇のびのびと描く。
〇自分の枠を超えるようなものを描く。
ということだと思います。

そうすればきっと
誰かの心を打つ作品を創ることができるはずだと思うのです。

以上です。


kindleインディーズマンガやナンバーナインさんのことなど、もしかしたら多くの人がもうすでに知っていることで、改めて私が記事にする必要もないかな…と思いつつも、KDPは知ってるけどめんどくさいから諦めた!という方や、マンガを描いてみたことはない方が
「じゃあ、私もひとつ、コミックエッセイでも描いてみて電子書籍を作っちゃおうかな!」
という気持ちになるきっかけになっていただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


サポートしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。