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M2. prelude-M3. On the Radio〜青野りえ『PASTORAL』セルフ・ライナーノーツ

1曲目の「PASTORAL」が映画の冒頭の主題歌だとしたら、この「prelude〜On the Radio」からが本編の始まりです。

「prelude」は「On the Radio」に繋がる前奏で、インストに私の語りを乗せた物語のイントロダクション。
語りを入れるアイデアは、プリプロでセッションをしていた時に関さんが遊びで語りを入れたのがきっかけです。

ちょうどその少し前に私が昭和歌謡のイベントで、いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー「私自身」のカヴァーをする機会があって、この曲の世界観を自分の作品にも落とし込められたらなと思っていた矢先だったので、すんなり取り入れられたと思います。
いしださんの語りは色っぽくて風情があってほんとうに憧れ。この近年ナレーションのお仕事をさせていただく機会が増えて、語りの面白さに目覚めつつあるのですが、まだまだ足元にも及ばないので精進したいと思います。

ちなみに「prelude」は他の曲の前につけて聴いても中々いけますので是非お試しください。(笑)

「prelude」の最後の音の余韻から「On the Radio」冒頭のアカペラのルバートの間とピアノ。
ここがアルバムの一番の見せ場です。

「On the Radio」には当初別のメロディがついていたのですが、ベース伊賀さんの提案で大幅にそぎ落とされシンプルに、よりファンキーに、純米大吟醸のごとく変身を遂げました。
伊賀さんのアイデアは作曲領域にも影響します。それだけ関さんが信頼を寄せている証拠。このメンバーだから生まれるサウンドなのです。
ここでも伊賀さん&ゆう子さんの黄金グルーブは遺憾なく発揮されています。

さらに長谷泰宏さんのストリングスアレンジでよりドリーミーに。
コーラスにも力を入れました。
歌手・青野りえの声のバリエーションのサンプルとしても機能すれば良いなと思って、可愛らしいのからゴスペル風まで多重人格に一人で歌い分けました。
コーラスは吉田仁郎さん宅のスタジオで、関さんと3人でポンポンとアイデアを出しながら録音したのが楽しかったです。イントロのルバート部に絡むフレーズが一番のお気に入りです。

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