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【税理士が経営を解説する】利益に迫ると経営の手触り感が分かってくるよ。というお話

エビ炒飯とか蟹炒飯が好きです。
上海で食べた蟹炒飯は絶品でした。

閑話休題、前回からの流れで利益について考えていきましょう!

皆さん、利益と聞いてどのようなイメージを持たれますか?
・もうけ
・会社の経営に無くてはならないもの
・ピンハネ
このへんが多い答えかなぁ〜と。今までの税理士経験で聞いた中では。
オカネ絡みの話になると、感情をズドーンと表現される方が多いような印象を受けます。それぐらい、オカネの持つ魔力というか引力はデカイのでしょうね。オカネの奴隷から解放!
感情と事実を混ぜて考えるのではなく、感情と事実を切り離して考える事が大事だなぁと思っていますがそれはまた別の機会に。

会社で言う「当期利益」についてまずは正確に把握しましょう。
「当期利益」とは、法人税を課税する金額の事を言う
これが正解です。
間違いの答えを挙げます→「会社の現預金が増えた金額」

国語的に(直感的に)捉えると「会社の現預金が増えた金額」が利益じゃないの?と考える人も多いかと思います。
「大企業は内部留保を溜め込んで労働者に還元しない!」などと叫ぶ人もいますよね。

前回の図で考えましょう。

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上の矢印→→だけで考えます。
売上100から経費70を引いた残り30、これが当期利益です。この30という数字だけではあまり意味がありません。ただこの30に法人税が課税されるだけ。(法人税は50%も課税される!と思っている人は情報が古いです。今は法人税が減税されているので30〜40%ぐらいの税率)

実際の経営を考えると、上の矢印→→だけではなく、下の矢印→→も一緒に考えないとダメです。
この図で言うと、銀行や社長からオカネを借りなかったので下の→入金はゼロ。対して、銀行には20返済したので下の矢印→出金は20
そうです!
利益30のうち20は銀行返済に充てたので、30-20=10
前回の答えであるキャッシュ増加10という数字と一致しました。


なんでこんな簡単な事が分からなかったのだろうか?
この図で解説すると感想をいただきますが、これは財務諸表がムズカシイからだと思っています。
財務3表と呼ばれる表があります。
・損益計算書
・貸借対照表
・キャッシュフロー計算書
ですが……。この時点でちょっとテンション下がりませんか?なんか難しそう笑(漢字が5文字以上連続で並ぶとテンション下がりますよね)

私の図解で言うところの
上の→矢印→が損益計算書で
下の→矢印→が貸借対照表で
上と下を合わせたものがキャッシュフロー計算書になります。

そして、中小企業はキャッシュフロー計算書でモノを考えないとダメです!
大企業やその子会社と違い、資本金の額が少ないので、キャッシュが足りなくなって倒産する可能性が大きいからです。
当期利益はあくまで法人税が課税される金額を言う。その当期利益の数字、単体だけでは意味の無い数字である。という事を念頭に経営すべきです。
繰り返します。当期利益の数字単体では意味が無いです。

意味がない例を挙げましょう
上記図で経費が90だった場合
上の矢印は売上100から経費90を引くので当期利益は10。黒字です。黒字経営立派ですね。
しかし、下の矢印で銀行返済が20あります。
当期利益10から銀行返済20はできないので倒産です。
これがいわゆる黒字倒産のメカニズム。利益を1円でも出せば良いという訳ではないのです。

(飲み屋なんかで「法人税取られるのが癪だから今期は赤字決算にしたんだよ」と言っている経営者、結構多いですが、それは数字を理解できていないという事をアピールしているようなものなのです)

今回はここまでにしましょう!
なんか経営の核心がチラチラ見えてきたのではないでしょうか?

次回は「いくら売上だせば良いの?」「いくら利益出せば良いの?」をテーマにします。
今日のお話で利益目標については分かってしまった人も多いかもしれませんね。はい、その感覚で合っていますよ!

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