中国福州隔離日記【DAY2】午前
朝8時に健康測定にくると赤い説明書きには書いてあった。赤紙に黒字は読みにくいがおかまいなし。
実際には7時半のピンポン連打があり、ドアを開けるとだれもおらずおかゆのようなタッパーと、茹で卵、中華パンなどがある。朝から元気ね、と部屋に朝食を取り込むと、3分後、またピンポン連打がある。なにかいなとドアを開けるとまた朝食が。
少し考える。
そして思い出す。この社会においては、速度がだいじなのでたぶん配るスタッフが担当エリアをざっくりとしか決めていないのだ。
つぎつぎに思い出してきた。こういうのをre-adjustと英語ではいうのだった。落ち着いて食べる暇もなく、またピンポンがあり、体温ガンにて体温をはかる。まだあどけなさがのこる大学生バイトみたいな防護服さんが熱をピッとはかり、中国語でなにやら説明をしてくれる。わからない。しかし問題ない。朝食ふたつきたよ、というが当然何の話か通じない。
まだ時間は7時40分。
窓の外は曇りだが、中華的郊外の景色が広がる。中華的と書いたが、よくみるとこれは幼い頃におじいさん宅のポートアイランドのマンション8階から見た景色とうりふたつだった。人工的な緑の間に、高層マンションが建ち並ぶ。23階まで数えてあきらめる。ここは8階。見上げる。
しかし、地面を見下ろすとゴミを運ぶ人、通勤する人、学生らしき人などが見える。ジオラマのようでもあるが、生活が見えるとほっとする。
グーグルさまに翻訳を頼み、メモを書く。
「我已经得到了1个 不需要这个」
もう一個とったし、これいらない。
シンプルね。
30分後朝食あまりなくなる。
意味は通じたのだろう。
まだ朝ははじまったばかり。
向かいのマンションに日がさしてきた。
朝食はおかゆではなくて、餃子の皮のようなものと細切れの豚肉が入ったとろりスープだった。これはたぶん超地元の商店の食品だろう。素朴でおいしい。中華パンはレンジにかけすぎでなかは乾燥してかたい。茹で卵はあたりまえだが無味。牛乳普通。
どうでもいいけど600キロカロリーくらいはある朝食。
一日、がんばらないと!
しかし、なにを。
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