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漫画「ホイッスル!」25周年記念に、推しキャラへの愛を叫ぶ(後編)

2023年6月に久しぶりに「ホイッスル!」を読み返したら、唐突に杉原多紀くんに沼ってしまってどうにもならなくなったので言語化して正気を取り戻そう。という企画です。ストーリーを追いながら杉原くんの魅力や努力の軌跡をたどりながら彼の心理に迫ってみたくて書き始めたら、めちゃくちゃ長くなってしまった・・・
この先ネタバレでしかないので、そういうの嫌な人は読まないでね!

前編・中編はこちら↓


杉原くんの素敵なところをストーリーを追いながら語り尽くす(続き)

(中編)で全部書こうと思ったのに長くなってしまったから分けました。続き。選抜メンバー決定後から。

選抜招集後の練習試合(文庫版10巻)

合宿参加者から絞り込まれた選抜メンバー、まずは練習試合を重ねてポジションを確定させていく。
メンバーの移り変わり(杉原くんについて語るのが目的なので攻撃的MFのみ)
①杉原(左)水野(中央)郭(右)
②水野(左)郭(中央)上原(右)
③水野(左)杉原(中央)郭(右)

そのあとで、桜上水が大会で戦った洛葉中が登場して、将が水野くんとポジションチェンジするなど因縁めいた設定が出てくるが、杉原くんは洛葉戦だけは出ていない。でも、ポジションチェンジをイジメだろーと言ったチームメイトに「そんな単純なことじゃないと思うけど」と言ったり、試合後に監督のこの試合での意図を鋭く指摘したり、単に出られなかったのではないことが読み取れる。
思うに、この試合杉原くんが出ていたら、こんなにチームワークができてない感じにはならなかったのでは?それを監督は分かってて、だからあえて出さなかったんじゃないかな。

フットサル(文庫版10巻)

中2の11月、将がフットサルにはまったのをきっかけに、杉原くんも一緒にフットサルするようになる(そしてその過程で将がメキメキ力をつける)過程が描かれる。
この辺もかなりさらっと読み流してたんだけど、将は、同じ中学の水野くんじゃなくて、杉原くんを誘ったんだね。将と杉原くん(というか合宿での同室メンバー)がとても仲良しなことがさりげなく表現されていてとても良いのですが(選抜落ちした不破もいるし)、水野くんは寂しがるだろうなー。

あとは、杉原くんが将のことを「カザくん」と呼んでいる!かわいい!何その、他の誰も呼んでない呼び方!かわいい!この辺でめちゃくちゃ仲良くなって、「タッキー」「カザくん」呼びになったんだろうか。(タッキーは小岩くんもタッキーって呼んでるよね)

風祭VS天城(文庫版11巻)

ここは話の流れはいいとして、杉原くんが学校帰りに制服で集合してるのが注目ポイントです笑 詰襟なんだ〜いいね〜ブレザーも似合いそうだけど詰襟いいなーー
しかし、なんでこれ、ジャージで集合してる人と制服で集合してる人がいるんだろね??どうせなら全員制服にしてよーーー!!

韓国に行くヤツは?!(文庫版11巻)

ここは今までの練習試合などを通しての暫定的ベストメンバーが選手それぞれによって語られる回。
みんな色々話してるけど、とりあえず今の時点でのベストな配置は前述の
①杉原(左)水野(中央)郭(右)
これでしょうね。

このくだりが終わったあと、郭「ソウルにはあいつがいる!」(郭のライバルの、ソウル選抜で郭の従兄弟の潤慶)→杉原「ぼくはまだ君の眼中にいない」のくだりがあるんだけど・・・
眼中にいるから!!大丈夫だし、あなた上手いから!!そこにこだわるのはもうやめて、自分の目標を目指しなよ!!と読者のアラフォーおばちゃんは思うけど、中2だから、コンプレックスに囚われるのはしょうがないんですかね。

VSソウル選抜開始(文庫版11巻)

とりあえず年末の過ごし方で杉原くんが世界征服についての本を読んでいたところは取り上げつつさらっと流しますか。まあ中2病なんでしょう。そういえば私も、中2の頃、ノストラダムスの大予言信じてたわ。この子達、だれも信じてないの?!いやーおかしいなーあの頃って、とりあえずノストラダムスの大予言と2000年問題が怖かったよね?(私は将や杉原くんと同じ、1984年度産まれです)

まあそれはおいといて、前述の「韓国に行くヤツは?!」東京選抜ベストメンバーで試合が始まります。この試合は水野くんが浮き足立って郭に「脱げよ!!俺が(10番を)着てやる!!」と言われた後、みんなで水野くんに「もっと遊べよ、水野」と言うくらいしか見どころはないかなー。水野くんが一人でボール持って華麗なプレイをするもソウル選抜にカットされ、もうだめだ…と思った瞬間こぼれ球をすかさず杉原くんがトラップして逆サイドの郭にパスするところはいい場面。杉原くんと郭、単にバチバチやり合うんじゃなくて息のあったプレーできるんじゃん…(お互い上手いんだから当たり前)
その後は杉原くんは地味な活躍&体力の問題か、途中交代させられて終わった。

(左の子が杉原くんが因縁のライバルだと思い込んでる郭だよ こうしてみるとかっこいい)

VS関東選抜(文庫版12巻〜13巻)

文庫版12巻はなんと言ってもソウル選抜戦後半が描かれるのと(杉原くんは途中交代していていないからここでは語らないけど、ものすごくいい話!!)、ナショナルトレセン始まって、将VSシゲが描かれ始めるので、杉原くんに関して特筆すべきことはないんだけど、とりあえず文庫版12巻の表紙の杉原くんと郭がかっこいいので見てください。地毛でこんなに髪の色素薄いの反則だろーーそれと、なんでサッカーやってるのに日焼けしないんだよ!!!おかしいだろ!!!(日焼け止め塗らないと赤くなって痛くなっちゃうんだよね、とか言いながらまめに塗ってるのかしら・・)

で、VS関東選抜ですが、水野も郭も控えで杉原くんがトップ下でスタメンという、韓国戦とは全然違うメンバー、フォーメーションでの戦い。
この試合は杉原くんがトップ下としてフル出場して活躍していて心躍る試合で、特に印象的に描かれるのはFW3人を囮にして直接長いキックでゴールを狙うシーン。惜しくもゴールならずだったけど、強気のプレーをガンガンする人物であることは十分描かれるし、この場面好きすぎてしょっちゅう見返してる。ゴール決まらなかったけど最高にかっこいい。

VS東北選抜(文庫版13巻)

今回のスタメンは、水野(左)郭(中央)杉原(右)のパターン。この試合は、翼&小鉄の回なので、特に注目すべき点はないんだけど、杉原くん、途中交代させられたらすかさず、次に当たる相手の九州選抜を偵察に行ってたことがあとでわかる。

夜、ホテルでミーティングする際に皆に偵察の結果を報告する杉原くん。もうこの辺になってくると、最初に登場したときに「いいよね芝生って」とか言いながら和んでたキャラ設定なんだったんだろうと思う…笑

シゲが関西選抜に入っていたことにショックを受けてぐるぐる悩む水野くんに向かって「人のことより自分のこと心配したほうがいいよ。同じチームにパサーはたくさんいらないからね」と言い放つ場面もありますが、どうしてこんなこと言ったのか。杉原くんは賢い子だけど、メンタル削ってポジション奪おうとか考えるタイプではない。「君は自分の問題に向き合うべきなんだよ」と仲間として忠告してあげた、という感じなのかなー。意地悪ではないけど、共感をベースにしたコミュニケーションするタイプでもないからね。

あとは、多分杉原くんは小6で基礎体力不足でユースチームを退団するという挫折を味わってからここまで来るまでにものすごい努力をしたんだと思うし、基本めそめそ悩んだりしないで冷静にできることをやってきたんだと思う。メンタルの強さが並じゃない。

だからこそ、シゲのことなんかでめそめそ悩んでる水野くんを理解できなかっただろうし、しっかりしなよくらいには思ったはずだと思う。
それにしても言い方。

ちなみにこのあと、めそめそ悩んでる水野くんは、将に「シゲが俺たちに内緒で関西選抜にいたことなんとも思わないのか?」と聞くんだけど、将にも「シゲさん本気になったんだなって思えて、それだけでいいよ」と返されてしまいます。メンタル強い人に共感求めてもダメだって・・・いっしょにめそめそしてくれたりしないってば・・・

(杉原くんがVS関東選抜でFW3人を囮にしてシュートするシーンが試し読みで読める!何度読んでも心躍るシーンだなー)

VS九州選抜(文庫版14巻)

水野くんがスタメン落ちしていて、杉原くんと郭(と伊賀と谷口)がスタメン。この試合が杉原くんの活躍がしっかり描かれる最後の試合。(この後のVS関西選抜は、水野くんVSシゲVS将の回だから)最後にふさわしい大活躍をしています。
正直、最初に読んだ時は水野くんが好きだったし、九州選抜戦の印象って将の「ぼく一人じゃここまで来れなかった!水野くんがいたから・・・」「水野くんがまぶしいなあと思って」くらいしかなかったんだけど、読み返したらいいプレー多くて、水野くんがいたから・・・は霞みました。笑 あとは将の突然の「タッキー!!」の衝撃もあったけど、たぶんフットサル行ってる頃からタッキーって呼んでたんでしょう。読者にとっては突然すぎるけど、本人たちにとっては突然ではないから大丈夫・・・。いやびっくりしたけど・・・。

まず試合始まってすぐ一旦は攻め込まれる東京選抜。しかし杉原くんは冷静に相手を分析しながら相手の弱点を探し、将といいコンビネーションで攻め込むってところがこの試合のポイントその1。賢くて上手い子…!すき…!

その後、郭と杉原くんが目で会話?しながらプレーしている場面がたった2ページだけど、ある。ここもこの試合のポイントその2。そもそも杉原くんは小6の時に体力不足でユースチームを去るしかなかったのが悔しくて、その時チームで活躍していた同じポジションの郭に追いつきたい一心で多分今までやってきた。選抜合宿で「負ける気がしない」とライバル宣言してたけど、別に郭からポジション奪いたいとか、上に立ちたいとか勝ちたいとかじゃなくて、ただ、対等にプレーしたかったし、自分の実力を郭に認めてもらいたかっただけなんじゃないかなと思った。

そう考えると、こうやって郭と対等に、同じ目線で意見交換しながらプレーできるようになったのって杉原くんが今まで目指してやってきたことそのものだし、全然はっきりちゃんと描かれてないけど、これでよかったんだろうな、小6で挫折してからの努力の数年間はちゃんと報われたんだなと思う。

この2人お互い冷静で賢いし、意外と気が合いそう。全く描かれていないけど、試合中にいきなり通じ合えるわけないし、普段から戦術とか相手チームの分析とか、意見交換してたんじゃないかなと思う。しかし、杉原くんももう少しコンプレックスをこじらせてなかったら、郭ももう少し素直に人を褒める性格だったら、「ぼくはまだ君の眼中にいない」(VSソウル選抜)とか思わなくて済んだんだろうにね。(眼中にいたと思うし・・・)

そして最後、3点目決めるときの、藤代くんと水野くんと将との息のあったプレーがこの試合のポイントその3。めちゃくちゃいい場面、杉原くん、上手すぎてしびれる…!!この場面で冷静で賢くて上手い子…!だいすき…!!

VS関西選抜、U-19合宿(文庫版15巻)

ここはもう、話のメインが水野くんVSシゲVS将であって、全然杉原くんは目立った活躍しないのでスルー。しかしこうして丁寧に見ていくと、ちゃんと杉原くんはVS九州選抜でしっかり描いてもらえていたんだな。後半の準主役ポジションなのに放置するなんてひどい!とか思ってごめん、めちゃくちゃちゃんと描いてもらえてるし、郭に対する屈折したライバル意識の部分もちゃんと昇華されて、これなら大丈夫だな、幸せなサッカー人生になりそうだなって思えるな・・・。
U-19合宿にもちゃんと呼ばれていることを確認したので、安心して読了とできそうです。

長文語り尽くして今思うこと

杉原くんは将と並ぶくらいの努力の人であり、挫折も経験して這い上がってきた人なのに、結局彼がコンプレックスを解消して前を向けたのかどうか描かれてない!なんでだ!と思ってましたが、こうして丁寧に見てみるとその辺りもちゃんと描かれていたし、東京選抜編全体を通しての活躍も描かれていたんだな・・・と思いました。

そしてそれは、サラッと読んだだけでは気づけないことで、杉原くんの気持ちに迫ろうと思って読み直したからこそわかったことなのかなと思いました。

穏やかで常に冷静で、賢い努力の人である杉原多紀くんの未来が明るく輝いていることを心から祈りながら、この重すぎる愛がこもった長文を終わりたいと思います。もし、「ホイッスル!」を読み返すことがあったら、ぜひ後半は杉原くんの活躍に注目しながら読んでいただけたら大変嬉しいです。

そういえば杉原くんの好きな言葉「創意工夫」だったな。
不可能に思えることでも、自分にはどうにもできないような壁が現れても、創意工夫すれば、道は開けるかも。
私にもたくさん、やりたくてもできないことがあるけど、杉原くんを見習って、「創意工夫」しようと思う。

終わり!

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