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漫画「ホイッスル!」25周年記念に、推しキャラへの愛を叫ぶ(前編)

25年前に週刊少年ジャンプで連載していたサッカー漫画「ホイッスル!」が大好きだ。最近また読み返して、どうしてもこの作品と、大好きなキャラクターに対する今の想いを語り尽くしたいという気持ちが抑えられなくなったので、ここにまとめることにした。25周年記念おめでとうってことで、愛を叫んでもいいよね。

(作品の概要はこちら↓ 私が説明するよりWikipedia見た方がわかりやすい!)


私と「ホイッスル!」

2002年の連載当時、私は高校生で、ジャンプ本誌を毎週楽しみに読みながら、主人公である風祭将の頑張りに励まされ、受験勉強を乗り切った。この頃にコミックスも買い揃えて、何度も読み返しては元気をもらっていた。
目標に向かって頑張らなければならないときに、そばにいて励ましてくれた、とても思い入れが深い作品でありキャラクターたちだ。

次に「ホイッスル!」を何度も読み返した時期が2015年6月頃で、きっかけは実家の引っ越しに伴い高校生の時に買い揃えたコミックスを今の家に持ってきたことだった。いやー懐かしいねなんて言いながらちょっと読んでみたら、そこには中学生たちが悩み、迷い、ぶつかりながら一生懸命にボールを追いかける姿があって、あまりの眩しさにあてられた。イヤイヤ期の息子の育児と、2人目の子をいつ産むか?という問題に悩んでいて閉塞的な気持ちになっていた私はまた、彼らから元気をもらった。
この時は高校生の当時より少しばかり行動力があったので、文庫版が出ていると知って全巻買い揃え、さらに、作品の終盤の部分について、ジャンプ本誌掲載時とコミックス収録時で描き直されていると知り、どうしてもジャンプ本誌掲載時のものを読み返したいという気持ちが抑えられず、国会図書館に出向き、描き直し前のジャンプ本誌を読み、その部分をコピーして帰ってきた。8話分あるので、かなり時間と手間がかかった。国会図書館ありがとう。今思い返しても何してるんだろう自分とは思うし、国会図書館スタッフにとってもだいぶ怪しい女に映ったと思うけど、全く後悔していないどころか、グッジョブ当時の私と思っている。

そして今。2023年6月。またしてもこの作品にどっぷり浸かってしまった。自室を片付けているときにコミックスと前述のジャンプ本誌のコピーが出てきたので、またしても、いやー懐かしいねなんて言いながらちょっと読んでみたら… また作品の世界から抜け出せなくなった。国会図書館に行ってコピーするくらい重症だった2015年と同等、いや今の方が抜け出せないレベルはひどいかもしれない。ちなみに自室の片付けはまったく進んでいない。

(ネタバレあり)好きなキャラクター変遷

※ここから先はネタバレ含みますので、そういうのが嫌な方はここまでにしておいてくださいね!

風祭将

2002年の連載当時は、主人公の風祭将が一番好きだった。あきらめない心、ひたむきに頑張る姿、できないことやわからないことは素直に周囲に教えを乞える謙虚で素直な姿勢に励まされたし、この時は自分も大学受験という頑張ることがあったので、弱気になった時は読み返しては元気をもらった。

最初は下手だったけど、一生懸命練習したら上達して夢をつかんだというのが良かった。冷静に考えると、そう上手くはいかなくない?と思う点もなくはないんだけど、そんな些細な疑問は「頑張っている君を応援したい」的な気持ちで全部チャラになる。笑 サッカーのことだけでなく、人間関係についても、困難にぶつかっても諦めずに、悩むより行動!で必死で動いて前に進めていくパワー、すごいなー。強い。まぶしい。そういえば物語の終盤、VS九州選抜で「水野くんがまぶしいなあと思って」とか言うんだけど、いつ読んでも「いやいやいや将の方がまぶしいだろ!!」とつっこまざるを得ない。
そんなわけで、高校生の当時の私は、とにかく強くてキラキラ!な将が好きだった。(今も普通に好きだよ?嫌いになったとかではない)

水野竜也

2015年に読み返したときにとにかく好きになったのは水野くん。この作品の準主役で1話からずっと最後まで登場。「サッカーはめちゃくちゃうまいし、顔はめちゃくちゃかっこいいし、家もお金持ちで、成績もよく、お母さんも美人で優しい」と、まぁとにかく完璧なのに、とにかく人付き合いが苦手でメンタルが弱くてプライドが高くて反抗期を拗らせてるってとこが最高に素敵で!!(ほめてるよ!!)

この作品、むしろこっちが主役なのではってくらい、水野くんについても悩み苦しみぶつかりながら成長していく姿が作品を全体を通して描かれる。前述の通り、主人公の将はとにかく強いので一人で努力を重ね、行動を積み重ねて目標に向かっていけるが、水野くんはすぐ悩むし、肝心なとこで素直になれなくて問題をややこしくするし、友達できないし、失敗が怖くて挑戦できないしで、常に難しい顔でぐるぐるぐるぐる悩み苦しみます。なんでイケメンで天才なのにこんなに生き辛いの。
そんな水野くんも、将や、周りの人との出会いで少しずつ変わっていき、物語のクライマックス、VS関西選抜で、自分のパスに将がしっかりこたえたことで、自分なりの生き方を見つけて前に進んでいくのでした・・・いい話だーーー。

気持ちがつながるとか、思いが届くとか、分かり合えるとか、そういったことは、この作品では言葉であまり直接的には描かれず、サッカーのプレーで描かれることが多いので、読んでいるこちらにも解釈の余地が残されているところが面白い。
水野くんを理解したくて、桜上水VS洛葉(コミックス8〜9巻)と、VS関西選抜(コミックス23〜24巻)は何度も繰り返して読んだなー。桜上水VS洛葉のPK戦のあとの水野くんの笑顔は見る人を幸せにします… この作品を通して、あんなに嬉しそうに笑うのこのページだけだよね。

大人、しかも人の親になって読み返した私は、強くてキラキラ将くんより、イケメンで天才なのになぜか人生ハードモードの悩み多き水野くんに惹かれたのでした。彼からはまったく元気はもらえません(断言)でもとにかくほっとけないタイプのキャラクター。私、自分が水野くんのお母さんだったら、メンタル持たないだろうな・・・息子が水野くんじゃなくてよかった・・・笑

杉原多紀

そして2023年・・・
私は杉原くんに唐突に夢中になる・・・
どれくらい夢中になったかというと、全然好きじゃないメロンパンを、杉原くんの好きな食べ物だ〜と思ってついうっかり買うレベル。「多紀」って綺麗な名前だよな〜実際にはまあいないけど、全然キラキラネームって感じもしなくてほんと素敵な名前だよな〜と仕事中についボーっと考えるレベル。こんなアラフォー自分でも嫌だが、杉原くんが素敵すぎるのが悪い。

物語の後半から颯爽と登場し、存在感を発揮しつづけるわりには、彼の血の滲むような努力や葛藤はあまりしっかりと描かれず、だからこそもっともっと知りたくなるし、本当に全然ちゃんと描かれてないんだけど幸せになっていますようにと応援せずにはいられない、そんな魅力が杉原くんにはある。よくよく読めばわかるけれど、この子は確実に将と同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に根性入ってる努力家で、小6にして挫折も経験し、しかしそれを乗り越えて今があるはずなんだ・・・穏やかな話し方と見た目に騙されるけど、全然この子単なる優しい子なんかじゃない、とにかくすごいやつなんだ・・・

杉原くんがどんな思いでサッカーを続けてきたかってことは描かれるくせに、「その後どうなったか?」についてはサラッと読んだのでは全然読み取れないくらい薄くしか描かれない放置っぷりに腹が立って、何か読み取れないかと何回も読んでしまうし、描かれていない部分については「たぶんこうだったのでしょう」と想像して補うしかない。

水野くんは主役じゃないのにあんなに悩み苦しむ姿を描き切ってもらえて、恵まれてるよね!!
「ホイッスル!」の構成は、前半の「桜上水サッカー部編」と、後半の「東京選抜編」に大きく分かれていると言えて、杉原くんはその後半「東京選抜編」の冒頭から鮮やかな登場をしているところから見ると、後半の準主役、主人公の親友ポジションの重要人物なのに!!
なぜこんなに雑な扱いなの!!ちゃんと杉原くんがコンプレックスを解消して前に向かうまでも描いてよーー!!

こんな感じで猛烈に腹が立ったので、ストーリーを追いながら、杉原くんの素敵なところや彼の心理に迫っていきたいと思う。全力のネタバレでいくので重ね重ね注意してください。

つづく。
↓杉原くんへの愛とリスペクトを異常な熱量で語ってます・・・



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