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漫画「ホイッスル!」25周年記念に、推しキャラへの愛を叫ぶ(中編)

本当は1つの記事で終わる予定だったのに、語り始めたら止まらなくなって記事をわけることになってしまった。重すぎる愛。

2023年夏、唐突に「ホイッスル!」の後半から登場する主人公の親友ポジションの準主役キャラ杉原多紀くんに夢中になってしまい日常生活がやばい、という話はこの(前編)で書いたので、ストーリーを追いながら杉原くんの魅力や努力の軌跡をたどりながら彼の心理に迫りたいと思います!この先ネタバレでしかないので、そういうの嫌な人は読まないでね!

前編はこれ↓

杉原くんの素敵なところをストーリーを追いながら語り尽くす

彼は東京選抜編からのキャラクターであり文庫版7巻までは登場しないので、それまでの桜上水中での素敵なドラマについてはここでは語りません。でも、7巻までにこの作品の魅力はぎゅっと詰まっているので、未読の方はちゃんと1巻から読んでね!7巻までの桜上水での色々なドラマをベースに東京選抜編を読むから面白いんです!!

選抜合宿招集(文庫版8巻)

東京選抜編が始まる話の冒頭、選抜合宿の芝生のグラウンドに大喜びの将、思わず芝生に寝そべって「芝生だ!」とはしゃいでいたところ、隣で同じように寝そべって「いいよね芝生って」と話しかけてくるところから杉原くんのお話は始まります。最初読んだ時は和みキャラの子なんだな〜くらいでサラッと流したけど、今にして思えば、東京選抜編始まってすぐにこんな目立った登場の仕方する時点で、「後半の準主役ポジションの彼を紹介します」と言われてるようなもんだよね。

で、そこに通りかがった、U-14(14歳以下日本代表)の3人組に「芝生なんかではしゃいでダセー!!」と言われるが、将&杉原くんは「なんか言われてるね」「ぼくらと仲良くしたいんじゃない?」と言って流す、というくだりがある。このくだり、最初読んだ時は「天然キャラなんだな〜」と思って完全にスルーしていたけど今にして思えばここはスルーしてはいけない。あとで語られるがこの3人は杉原くんにとっての因縁のライバル(「ライバル」の一言では語り尽くせない屈折した感情があるんだけど、まあとりあえず「ライバル」)、そして杉原くんは(この時点では語られないし伝わらないけど)実は、和みキャラの天然な子ではなく、和みキャラのお面をつけた頭の回転が速い策士です。ということでこの「ぼくらと仲良くしたいんじゃない?」は、破壊力抜群の嫌味として言ったと考えられる。まだ登場して4ページしか経過してないし、やっていることは「芝生で寝っ転がりながら喋る」でしかないのに、すでに、杉原くんVS U-14(というか郭英士)の戦いは始まっているのです・・・

技能テスト(文庫版8巻)

招集された45人はAグループ(エリート)とBグループ(部活サッカー出身、補欠組)に分けられ、3日間の技能テストと紅白戦を通して、招集された45人から20人にメンバーを絞ることが発表される。

技能テストの中の「ボールコントロール」の種目で、前述のU-14の3人が華やかに技を披露する。特に杉原くん(Bグループ)の因縁のライバル(でもないんだけどまぁ説明が長くなるからとりあえず「ライバル」としとく)の郭(Aグループ)は一際目立った活躍をする。
あの3人の直後はやりづらいよねーと誰もが思ったその時、杉原くんはにこっと優しい笑顔で登場し、難しいボールを華麗に捌き、郭以上のボールコントロール力を見せつけるのでした・・・これを見た郭は「ちっ」と面白くなさそうな表情をしていて、Bグループを見下してるサッカーエリートの郭もさすがにこれには実力を認めざるを得ない…?という様子が描かれる。
多分このくだりは、和みキャラとして登場した杉原くんが実はすごい子なんです!ということを表現するためのくだり。

パス練習(文庫版8巻)

将と杉原くんはペアになってパス練習をする。初めての芝生のグラウンドに苦労する将に比べて杉原くんのパスはとにかく正確。どうしてそんなに正確なパスが出せるのか?と問われて「ひとつひとつ確かめながら、何度も何度も反復練習する」とポイントをサラッと笑顔で答えていたけど、多分、「何度も何度も」の部分、常人では考えられないくらい反復したに違いないと思います・・・(まあこの子頭がいいから、効率の良い練習したんだと思うけど、絶対量は確実に多い)
将もひたすら練習する根性ある子だけど、杉原くんも多分同レベルに根性ある子だと思う。だから友達になったんだと思う。で、頑張っていることを周りに見せない、甘えない子なんだろうなーという印象を受けます。
あとは、上手にできる理由として「反復練習した」とさらっと言えるところがいいなと思います。世の中には、最初っから苦労しないでできる人もいっぱいいるんだよ。でも杉原くんはそうじゃない、練習したから上手くなった。

ミニゲーム(文庫版8巻)

選抜合宿のミニゲームで、自分の力が通用しないことが身に染みて分かって落ち込む将のところに杉原くんが来る。一通り話を聞いて、「弱点がわかってよかったね」「自分はフィジカル弱いからパスを徹底的に練習した」「君にもマイナスをプラスにできる武器はあるよ」とアドバイスしてくれる。サッカー上手いし、優しいし、賢い。あとさりげなく、二人称「君」なんだ?!なかなかいなくないですか、友達に対する二人称「君」の中2男子・・・
あとはここで大事なのは、「フィジカル弱いから」と自分で言ってるところで、実際彼は身長158cm、体重49kgで体格にはあまり恵まれてない(選抜に招集されるような選手のなかでは、小さいし細い)。この点は杉原くんの抱えるコンプレックスにつながっていきます。

それと、この辺りから東京選抜編で常に将の横にいて、アドバイスをしたり、何かと面倒を見るポジションは完全に水野くんから杉原くんに代わったんだなーということを感じさせます。(それがまた水野くんの悩みの原因になっていくのだけど)

(試し読みは東京選抜編に入る直前のところまでなの・・・でもめちゃくちゃいい話だよ この部分もだいすき)

選抜合宿紅白戦〜ハーフタイムまで(文庫版9巻)

合宿に招集された45人から20人にメンバーを絞る最後の過程、選抜合宿紅白戦。Aグループ(エリート)VS Bグループ(経歴なし部活サッカー出身の補欠)の戦いが始まる。前半はまぁ色々あって(杉原くん、前半は目立った活躍しないから省略!笑)3-0でAグループがリードして終わる。

まずハーフタイム入って、杉原くんは「結果だけ見ればBはAに劣ってると思われても仕方ない。僕は悔しい」と静かな闘志を燃やします。この辺から全然和みキャラでも穏やかキャラでもない。ちなみに地顔が笑ってる設定なんだけど本気出した時は開眼するのも彼の魅力の一つ。

ハーフタイム中、杉原くんがライバルだと思っているU-14日本代表の郭英士に話しかけられる。そこで、郭たちU-14の3人が所属している川崎ロッサ(Jリーグのユースチームという設定)に杉原くんも小学生の時は所属していたが、基礎体力不足で小6で退団していたことが語られる。
そして郭にその場で「今なら負ける気がしない」と宣戦布告する!!
いやーーこの場面は何度読んでも痺れる・・・

最初ホイッスルを読んだ時は別に杉原くん推しじゃなかったし、この辺完全にサラッと読み流したんだけど、今よくよく読むと、まず「話しかけたのは杉原くんじゃなくて郭」というところが気になる。郭はクールだし、眼中にない人に話しかける性格ではない。だけどこの場面でわざわざ話しかけている。ということは、話しかけるだけの理由があったということ。
これまでの合宿で杉原くんの実力を目の当たりにして「こいつ上手いし、ポジションかぶるな(郭も杉原くんもパサーであり、攻撃的MF)」と思っていたのではないか?それと、ユースチームについていけず、やめる人なんかたくさんいるだろうに小6でやめた選手のこと中2まで覚えているかしら?→ロッサ所属していた当時からそこそこ上手くて、郭にとっても記憶に残る存在だったんじゃないか?

あとは、小6で「背が低くてガリガリで、チームについていけず退団」という挫折を味わってる。これって、背が低いことを理由に武蔵森で3軍から上がれなかった将とかぶるんだよね。自分ではどうにもならないことで挫折するも、その後努力で(将は猛練習&転校、杉原くんはひたすらパスとボールコントロールを磨き抜く)でカバーしてきて今に至るとこも。

めちゃくちゃ余談なんですが、私の小学生の息子も、少食で基礎体力がどうしても足りない野球少年なんです。チームの練習についていくので精一杯。頑張って食べさせようと私も工夫するんですが、こればっかりは体質もあるからどうにもならない点があるんですよね・・・

選抜合宿紅白戦 後半戦①(文庫版9巻)

そんなこんなで迎えた後半戦、始まってすぐのFK。
杉原くんは「ぼくはやれる!」「やる!」「そのために日々練習を積んできた!」と自らを鼓舞しながら、角度ないところから抜群のコントロールでゴールを決めます。小6で挫折してからの血の滲むような努力が実を結んだ瞬間。と同時に、このプレッシャーのかかる場面で確実に決めてくるメンタルの強さも表現されています。
それを見た郭の悔しそうな顔、そして水野くんの「こいつは郭以上に手強いな」みたいなコメントが印象的なんですが、水野くん、あなた余裕ぶっこいてるけど、今のままじゃ杉原くんに立場かっさらわれる運命が待ってるので普通に頑張った方がよいです。

さっそくこのあと、トップ下の杉原くんはFWの将にパスを出していくんですが、最初は取れそうなパスを出して、いけそうだと思ったらもう少し厳しいとこに狙ってパスを出して、とパスでFWを操作し引っ張っていき、決定的なシーンを演出します。将も「水野くんのパスと違う。杉原くんのパスは不思議だ。どんどん引っ張られる」とはっきり意識する。
最後までこの作品を読んだ上で振り返って考えると、水野くんが将を対等な選手としてみなして、FWを活かすパスが出せるようになるのって作品終盤のVS関西選抜だよなーと思います。

選抜合宿紅白戦 後半戦②(文庫版9巻)

紅白戦の後半、見どころ多すぎて長くなってしまう〜
そんなこんなで杉原くんのゲームメイク能力が光り、Bチームは3-3に追いつきます。これを見た杉原くんのライバル郭も「やってくれる」「FWの力を引き出すのもパサーとしての腕の見せ所なら、見せてやるよ杉原!!」と思うなど、完全に杉原くんを意識します。(作品のかなり先の方で、杉原くんが「僕はまだ眼中にいない」みたいにいう場面があるんだけど、いやいやいや選抜合宿の時点で!!眼中に!いるから!ていうか郭は眼中にない人にいちいち話しかけたりしないから!!って言ってあげたい・・・ほんとどうしたのかと思うくらい屈折してる・・・)

この試合の終盤、郭がFKを蹴る場面で、杉原くんの方を見てからFKを決め、「Yes!」と言う、というホイッスル!の往年のファンには有名なシーンがあります。笑(Yes!って何・・・笑)郭とは長い付き合いの親友の真田くんもそんな嬉しそうにYes!とか言ってるの見たことないらしいので、まあよっぽど嬉しかったのでしょう。ここめちゃくちゃわかりづらいけど、郭の側からは杉原くんを対等なライバルとして十分認めているということが読み取れます。(なのに杉原くんは「まだ彼の眼中にいない」とか思い込んでてほんとなんなの?!自分のプレーにはあれだけ自信持ってるくせにどうしてそうなの?!そこも自信持て?!)

(どうしても試し読みに杉原くんのかっこいいシーンが出てくれない。なぜ。)

最終発表(文庫版10巻)

まず発表前のシャワールームにて、翼に水野くんが「将に過保護は無用だし、お前信頼と過保護の区別ついてる?人のこと見下したプレーしてると足元すくわれるし、じゃないと杉原に負けるよ」と、端的にダメな点を指摘されます。笑 おっしゃる通りすぎる・・・

そして合格者発表。
まず郭が合格を発表され、ユニフォーム(練習着かな?)をもらいます。それをじーっと見つめる杉原くんが描かれたあと、杉原くんの合格も発表されます。「は…はい!」と驚いた表情で受ける杉原くん… よかったね、ようやく小6のときの挫折を乗り越えてトップ集団の仲間入りができました・・・

ちなみにこの合格者、特にMFはほとんど全員Aグループ(エリート)から選ばれていて、Bグループから選ばれてるのって杉原くんだけなんじゃないかな…?
でもどう考えても紅白戦で一番目立った活躍してたのってAグループ、Bグループ通してみても杉原くんだったのかなーと思います。

どうしても長くなるので、つづく・・・


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