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Mirrativのプロダクトマネージャー(PdM/BP職)研修ノートを公開します


はじめに

こんにちは。株式会社ミラティブ執行役員の坂本です。
私は、ミラティブのプロダクト成長を担当しております。具体的にいうと、ミラティブのさまざまなKPIを伸ばす責任をおっています。

ミラティブでは2025年度の新卒採用を始めています。それに伴い、サービス企画の仕事や部署を本格的に組織化していきます。このnoteはミラティブで新たにサービス企画の担当をする人向けの研修ノートです。

このnoteを公開する意図としては、下記の2つです。

  • ミラティブで企画職として働くということをイメージしてもらい、一緒に働きたいなと思ってもらうこと。

  • 世の中の企画職(プロダクトマネージャー)の方やそれを目指す人の羅針盤になれたら嬉しい。

唐突に自分の話をするのですが、私は中学生の頃に自分でインターネットコミュニティサイトを運営していました。当時、そのようなサイトを開発・運営するためには、PerlやJavaScriptやHTMLを学ぶ必要がありました。

私は、それらの知識を主にインターネットから手に入れました。つまり、今の私があるのはインターネットのおかげと感じており、インターネットに恩返ししたいという大きな気持ちがあります。そういう気持ちから、このnoteを公開しようと思いました。

ミラティブってなぁに?という方はまずは下記の資料をご覧ください。

上記の資料の後半にジョブグレードと給与レンジのグラフが載っています。

この研修ノートは、新卒やインターンを対象、つまりジョブグレードでいうと1の方に向けて書いています。しかし、それ以外の方にとってもミラティブのことを知っていただける内容となっているかと思いますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

また、ミラティブの新卒採用(25卒)に興味がある方は下記もご覧ください。


あなたの仕事は何か

企画職(BP職)のミッション

まずは、ミラティブ社における企画職(BP職)のミッションをお伝えします。

ミラティブ社における企画職のミッション:
多様な部署と協働し、ビジネスを成功させるプロデューサー」

と定義しています。この定義は、下記の本で定義されているビジネスプロデューサーの定義を少しアレンジしたものです。下記の本に書かれている用語などは共通用語として使用していきますので一読しておいて下さい。ミラティブでは、企画職のことをBP職(Business Producer)ともよんでいます。

上記のミッションを少しずつ噛み砕いて説明します。

※注:本記事ではたくさんの本を紹介していますが、基本的には社内にあるので出社する際に借りて行って下さい。

多様な部署と協力し

これは読んで字の如くです。

ミラティブには、エンジニア・デザイナー・セールス・データ分析・カスタマーサポート・QA・マーケティングなどさまざまなプロフェッショナルが在籍しています。

企画職は上記のようなさまざまな部署とコミュニケーションをとりながらビジネスの成功を導く仕事です。なので、企画職としてのまず最初の仕事は、「一緒に働く人たちと人間関係、信頼関係を築くこと」です。

人間関係・信頼関係を結ぶことは何も「飲み会に行ってウェーイ!と仲良くなってきなさい」という意味ではありません。お互いが職務上の信頼関係を持って仕事ができるような関係値を築いてくださいということです。

下記に1冊の本と、重要なスキルと1つ紹介します。

信頼関係構築のための本:Team Geek

エンジニアとコミュニケーションをとる前に必ず読んでおいて欲しい本です。謙虚(Humility)・尊敬(Respect)・信頼(Trust)の頭文字をとったHRTの概念が説明されています。この本はエンジニアチームの作り方の本ですが、他の組織とコミュニケーションする際にも十分応用できる考え方ですので読んでおいて損はないです。

信頼関係構築のためのスキル:最低限の国語

最低限の国語とは「誤解を生まない日本語を話す・書く姿勢」を指します。
誤解を生む文章を書く癖があると「あの人が言っていることは信頼できない」とチームの中で孤立してしまいます。

例えば、自分自身が勝手に定義した用語を使う・相対語(ちゃんと・しっかりなどの用語)を多用する・事実を誤認している(断定と推測の区別がつかない)・話や一文が異様に長い、などです。

文章力をつけるには、下記の本がおすすめです。

ビジネスを成功させる

あなたの仕事の目的はビジネスを成功させることです。もちろん、デザイナーやエンジニアと協力して、プロダクトに変更を加えることも多々ありますが、それらは手段の一つです。

なので企画職はビジネス上のKPI(数字)を持っていることがほとんどです。(例外として、ビジネス検証フェーズの場合は検証すること自体を目標にしている場合があります。)

おそらく最初は詳細にブレイクダウンされた指標を持つことになると思います(XX率を上げるなど)が、ジョブグレードが上がっていくにつれ、より経営に近い数字を持ちます。

ということでまずは、「ビジネス上の意思決定とは何か」とわかるような本を紹介しておきます。

本書は管理会計の超入門書で「この場合にこのビジネスを続けるべきか?」などの実践的な会話が出てきます。漫画仕立てで読みやすいので、理系文系問わずおすすめです。

いきなりこの本に出てくるような経済合理性を持った判断ができるようになって欲しいとは言わないのですが、この感覚を持って業務にあたるようにしてください。

プロデューサー

あなたの仕事は、企画をするだけ・企画を実行するだけではありません。企画が成功するためのあらゆる仕事を行います。

バンドの音楽プロデューサーを思い浮かべるとわかりいいかなと思います。いい曲を作り、最高のレコーディングができるようにバンドを導くことももちろん重要です。それだけではなく、どのような売り出し方をするのか(イメージ戦略・メディア戦略)を作り、バンドを商業的に成功させる道を作ります。

ミラティブにおける企画もそうです。1つ例をあげます。2023年の夏に、「ミラティブの定着率を上げる」という目的で、チュートリアルミッションという機能を作りました。

チュートリアルミッションとは、インストールしたばかりのユーザーさんが、ミッションをクリアしていく中でミラティブの使い方を理解できるような機能です。

ではこの機能、どう届けるのが良いでしょうか?ただ単にリリースするだけでよいでしょうか?それとも、既存ユーザーさんをもりあげ、新規のユーザーさんがミラティブに定着するような工夫をすべきでしょうか?これは後者のほうが成果が出そうですね?実際に、そのような企画立案を行い、その規格の周知のための運営配信を行いました。

上記キャンペーンの内容を決めたり、テキストを書いたり、画像のテイストをデザイナーと話したりするのも企画職の仕事です。もちろん今回の担当企画は、運営配信にも出演し、どのような思いでこの機能を作ったのかどんなキャンペーンなのかなどをユーザーさんに直接紹介しました。

このように、自分のやることに制約をつけず、ビジネスの成功のために必要なことは何でもやるという好奇心や楽しむ力が必要です。

世の中で言われているプロダクトマネージャーとの違い

IT系の企業では、プロダクトマネージャーという職種がある場合が多いです。プロダクトマネージャーは、下記のようなスキルセットを持った人物だという定義があり、さまざまなプロダクトマネージャーが、「自分の強みはここ」というような表明をされています。

プロダクトマネジメントトライアングル
https://productlogic.org/2014/06/22/the-product-management-triangle/

このトライアングルの解釈は下記の記事が詳しいので、詳細を知りたい方は読んでみることをお勧めします。

ミラティブの企画職は、上記のプロダクトマネジメントを包含した概念です。企画職は、ビジネスを伸ばすためにプロダクトを改修することもあれば、そうではない場合もあります。

もちろんプロダクトマネジメントのスキルを持つことは大切でありますが、あくまでグロースの手段として捉えています(プロダクトマネジメントを軽視しているわけではないです)。というわけで、純粋に「プロダクト開発がしたい」というモチベーションだと、ミラティブの企画職とはずれると思います。

私の考えですが、AIの発達によってプロダクトマネジメントの多くのタスクが自動化されると考えています。なので、プロダクトマネジメントの専門職という人は減っていき、より幅広いスキルと知識が求められるようになっていくはずです。ミラティブの企画職はその時代を生き抜くために、良い切磋琢磨の場になると信じています。

まとめ

企画職のミッションである「多様な部署と協働し、ビジネスを成功させるプロデューサー」というイメージが湧いたでしょうか?

最初はなかなか成果を出すまで難しかったりモヤモヤしたりすると思いますが、最初はみんなそんなものなのでそういうこと自体も楽しんでいきましょう。

持つべきマインド

仕事の大枠が掴めたと思うので、次は企画職が持つべきマインドを紹介していきます。

ミラティブのミッション

ミラティブ社のミッション

ミラティブ社のミッションは「わかりあう願いをつなごう」です。これに関しては、赤川さんの創業時のnoteを見てもらうとその原点がわかりやすいです。

私たちは、2023年夏現在、スマホゲームを配信するサービスを作っています。

それは、「ゲームってみんなでやると楽しいよね」(※マルチプレイが楽しいというわけではなく、同じ画面をみんなで見てワイワイコミュニケーションすること自体が楽しい)という気持ちをつなぎたいからです。

ミラティブといえばゲーム配信というイメージが強い方も多いと思いますが、

  • 雑談で私の話をわかりあいたい(エモモ雑談)

  • 私の歌でわかりあいたい(エモカラ)

など、ミラティブは少しずつ「わかりあいシーン」に染み出しています。ゲーム配信から始まった「わかりあう願いをつなごう」という思想が、いろいろな場所で花開くことを目標としています。

ミラティブのビジョン

ミラティブサービスのVision

ミラティブサービスのビジョンは「好きでつながり、自分の物語が生まれる居場所」です。

わたしはよく学校の放課後の例をつかって説明しています。学校の放課後には部活を頑張っている人だけではなく、

  • カードゲームやボードゲームで盛り上がっている集団

  • 部活には入ってないけど、なんとなくバスケをしている集団

  • カラオケへ行き、盛り上がっている集団

などがいたと思います(校則の厳しい学校であればドンズバで当てはまることはないかもしれませんが、なんとなく想像はつくかなと思っています)

これらの集団は、最初はボードゲームやバスケなど、なんとなく自分の興味があることに人が集まることで形成されていきます。授業中などはあまり知らないどうしでも、同じボードゲームなら仲良くなれる。そういう、自分が好きなもので友だちができる体験です。

そして、その集団の中にいること自体が自分の居場所になり、自分だけの思い出が増えていく。たとえば、自分の誕生日に自分の好きなボードゲームで盛り上がって、「勝たせてくれるのかなぁ」と期待していたら、最後に逆転されてくやしかった…. のような思い出です。

それは、「誕生日に自分の好きなゲームをプレイした」というような事務的な思い出ではなく、周りの人のキャラや普段のコミュニケーションの文脈があってこその思い出です。このような体験のことをミラティブ社では、「ナラティブ」や「物語」と呼んでいます。

たとえば新人王。これは基本的に配信者さんが新人の頃の1度しか参加できないイベントです。このような企画にすることで、「新人の頃の1度だけのイベントでギフトを贈ってもらった」などの特別な物語になります。

この「物語性」をプロデュースするスキルはミラティブの企画職では必ず必要な能力ですので、早いうちに自分の言葉での言語化、ミラティブ以外のサービス(それこそアプリじゃなくてもよい)での例を体験するなどを行ってください。

ミラティブの行動指針


ミラティブの行動理念・行動指針

こちらの行動理念、行動指針は2023年に改訂されたものです。その改定にはマネージャー全員を巻き込み、全社として納得感のあるものに仕上げました。その辺のながれや、行動指針に込めた思いは下記にまとまっています。

この行動指針、企画職では非常に使いやすいものです。具体的にはどういうことなのかをさらっと紹介しておきます。

事実に学ぶ
自分の思い込みや感想から判断するのではなく、客観的な意見やデータから議論、認識を始めましょう。実務の中では「もう少し事実に学んでから判断しよう」などの言い回しがよくつかわれます。

大胆に考える
無意識・意識的にかかわらず、企画立案において思考の成約を外す思考をしましょう。実務の中では「その企画、もう少し大胆に考えられないかな」といったように使われます。

成果にこだわる
企画の成果にはとことんこだわりましょう。具体的にいうと、2週間くらい実施される企画があったときに、初日の数字を必ず見る・想定通りじゃなかったときは、残り13日でなにができるかを考えるといったようなことです。実務の中では「うーん、最後まで成果にこだわってなにかできないかなぁ」といったように使われます。

そして楽しむ
我々はユーザーさんが楽しむ場を提供しています。そのため自分たちもつねに楽しんで業務を遂行しましょうということです。これはふざけて業務をしなさいというよりは、例えばスポーツの試合においてボロ勝ちしているときもボロ負けしているときも「最後まで楽しんでいこうぜ!」というセリフが自然に出るとおもいます。そういうニュアンスです。

行動指針はミラティブで仕事をするうえで必ず身に着けてほしい考え方です。上記に紹介したのはある側面からみた解釈ですので、業務上のいろんなシーンで行動指針をうまく活用していきましょう!

メンターや上司の関わり合い

ミラティブでは、基本的にリモートと出社が併用されていますが、リモート時に「一人で寂しい」という気持ちを低減させるツールを導入しています。

下記のようなGatherというバーチャルオフィスツールが導入されております。うまく活用して同期・メンター・上司と気軽にコミュニケーションを取ってください。

ミラティブでのGatherの様子

エンジニアのイッチーのインターンブログでもGatherの良さについて触れられていますので読んでもらえると雰囲気が伝わるかと思います。

横や斜めの付き合い

企画職は、いろんな人と人間関係を作ることで仕事がやりやすくなります。なので、いくつか部活に入ることを奨励します。

ミラティブの部活一覧(抜粋)

ミラティブは100を超える部活が存在してます。活発な部活でもそうでもない部活もあるので、複数の部活に入って色々な人にアイコンや顔を覚えてもらったりしましょう。

各部活、夜な夜な活動報告がSlackに上がっています!下記では一部紹介します!

釣り部
自動車部
甘いもの部

How Mirrativ Works

ミラティブをどうやって伸ばしてきたかのエッセンスがHow Mirrativ Worksというタイトルで公開されています。これらはジョブグレードが中堅の人に向けた文章かと思いますが、いまはこういう姿勢でミラティブを伸ばしていくぞという意気込みをもっておいてください。

上記の思想と今回の研修ノートは整合性が取れているので安心してください。むしろ、上記の思想を具体的にどう実践していくのかの手ほどきになっていると思っていただければ。

「事実に学ぶ」のテクニック

さて、行動指針の箇所で「事実に学ぶ」という概念が出てきました。そのために覚えてほしいテクニックが2つあるので覚えてください。

定性理解

定性理解とは、数値に表せないことを理解することです。もう少し突っ込んでいうと、感覚的にミラティブを理解することです。

企画職の皆さんは1日2時間はミラティブアプリを触ってください。

要は、ミラティブのあらゆる体験について、身をもって感じ、肌触りをもっておいてください。なぜこんなことを口酸っぱく言うのかということですが、単純な話、毎日現場に出ている人とそうでない人のどちらがセンスのいい企画を出せるかというと、まぁ後者ですよね。

例えば、あなたは居酒屋のアルバイトで、店長から新メニューを考える仕事を与えられたとします。その時に、

  • 「うちの店はデートニーズでよく使われる。20代の若いカップルというよりは、30代でゆったりと過ごされる方が多い。その人たちに、さらに贅沢感を感じてもらえるような体験をメニュー化できないか?」と考えるか、

  • 「新メニューかぁ、、うーん。とりあえず流行りの居酒屋メニューでインスタ漁ってみたり、自分だったらこれを注文するかなぁというものを提案してみよう」と考えるか、、

これは圧倒的に前者の方がいい企画を出せるのは皆さんでもわかるかなと思います。また、上記は簡略化して書いていますが、30代の中でもどんなブランドが好みなのか、決済手段はどんなものが多いのか?といった、もっと解像度の高い顧客像をもっておくことが大切です。(ここまで分かっていれば、どんなメディアと相性がいいのか、どんな体験を好むのかなどがより絞り込めます)

最初はまず、まいにち配信者を続けることを試してみてください。その後は事業のフォーカスによって、ライブゲーム主体にしてみたり、視聴主体にしてみたり、色々な面からミラティブを触ってください。

定量理解

定量的にユーザーさんを理解するため、SQLを書けるようになってください。SQLとはミラティブのデータを取り出すためのプログラム言語です。プログラム言語というと、うっと気構えてしまうかもしれませんが、そんなにむずかしい言語ではないのでサクッと覚えましょう。

-- SQL言語の例
SELECT * 
FROM Employees 
WHERE 
    Age > 20 AND
    Department = 'IT'

ほら、なんとなくEmployeesという表から、年齢と部署を制限してデータを取ってきているような匂いがしませんか?このようにSQLはとっつきやすい言語ですので怖がらずにいきましょう。

ミラティブでは、地獄のSQLトレーニングというコースを用意しているのでそれをクリアしてください。

地獄のSQLトレーニングの序盤から引用

SQLが書けるようになると、

  • この機能はどのような人がどれくらい使っているんだろうか?

  • 毎日使っている人はどんな人なんだろうか?

など、ユーザーの解像度を数字で上げることができます。もちろん、ミラティブには分析を専門的に行う分析チームが存在しますが、分析チームは「事業戦略に関わる意思決定」にフォーカスしていることがほとんどです。

なので、いわゆる集計業務は分析チームではなく、企画職でできることが望ましいです。なので、地獄のSQLトレーニングを2週間くらいでクリアできるように頑張ってください!

ちなみに、地獄の〇〇トレーニングとは本当に地獄なのではなく、リットーミュージックさんの地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズをリスペクトして命名しています。

楽器の練習と同様に、仕事においてもある程度の型を獲得するには基礎練が大事だと考えています。私の好きな言葉に「量質転化」という言葉があります。これは、適切な指導やフィードバックのもとで基礎を鍛錬し続けると、いつかは質に転化していく時がくるという言葉と解釈しています。(逆にいうと、自己流で量をこなしてもなかなか成長しない)

量質転化:量は、積み重ねると、それ自体が質に変わるという意味

企画職の仕事は一朝一夕で成果が出るものではありません。なので最初は特に歯を食いしばりながらいろいろなことに挑戦していくことが大事かなと思います。

まずはここから始めましょう

企画職に配属されるとまず「企画職向け入社時研修」という研修を受けてもらいます。この研修は下記のような内容で、さまざまなツールの使い方や、個人情報、SNSの取り扱いなど、最低限絶対に守ってほしいルールの紹介をします。

この研修の位置付けは「これを守っていない人とは一緒に働けない」というレベルの強いものです。最後にテストがありますので、合格点を取るまで何度も復習してください。

企画職向け入社時研修(一部抜粋)

ミラティブでは2023年4月に、立て続けに運営上の大きなミスを起こし、ユーザーさんにX上で謝罪するということがありました。我々は「かけがえのない居場所」を提供するプラットフォームとして、事故やミスは絶対に起こしてはいけません。

ちょっと話が横道にそれますが、私は幼少の頃、剣道をやっていました。ある大会で優勝した男の子がギャン泣きしているのを見たことがあります。優勝の喜びというよりは、何か悔しい・不満を持っている泣き方だったので、「どうしたの」と聞きました。

すると、「表彰式で自分の名前の読み方が間違えられた」ということが原因だと教えてくれました。これは、大会優勝という晴れ舞台で起きたミスであるからこそ、普段友だちや先生から間違えられるのとは比較にならないくらい悲しい気持ちだったんだと思います。

ミラティブが提供しているサービスも、配信者さん・視聴者さんの晴れの舞台であることがほとんどです。このことを肝に銘じて運営していきましょう。

では、どのような仕事を最初にお任せしていくのかの具体例をいくつか紹介していきます(※インターン中にお任せする仕事は下記と異なる場合があります。)

もちろん、配属された部署の企画を担当していくことにはなると思いますが、それ以外でもこんな仕事があるよという紹介です。

議事録の作成

どの会社もそうだと思いますが、最初は議事録の作成の仕事があります。AIに任せればいいじゃんという声もあると思いますが、議事録作成には下記のようなトレーニング要素がふんだんに盛り込まれています。

  • 事業で使われている言葉や文脈を理解する

  • 議論の流れを追い、どのような決定がどのようなプロセスで行われるか理解する

  • ファシリテーターの違いによって会議の生産性が変わることを観察する(逆にいうと理想の会議とは?と自分の中で定義する)

  • サマリーを書くことを通じて、具体議論を抽象化してまとめる力をつける

これらはAIに議事録を書かせているとなかなか身につかないスキルなのであえて人間の仕事として残しています。

データ集計

先ほど定量理解の箇所で紹介したように、データを集計することでユーザーさんを理解することがあります。

その際は、Redashというデータ可視化ツールを使用して、そこにSQLというプログラムを打つことで可視化できます。最初はとっつきにくいけど頑張っていきましょう。

Redash公式サイトより
https://redash.io/product/

SQLを書く能力の有無で、企画の精度や確度に大きな差が出ます。地獄のSQLトレーニングを卒業することでクエリを書けるようにしていきましょう。

ミーティングのファシリテーション

ミーティングのファシリテーション(司会)をお任せすることもあります。まず最初はチーム会などの小さなミーティングから始めましょう。

ファシリテーションを行うことで下記のような成長が促されます。

  • 「こういう時にはこういう発言が助かるんだ」などの、メンバーシップの醸成(例えば、オンライン会議で資料見えてますか?という問いかけに対して「見えてまーす」と言ってくれる人にめっちゃ感謝できるようになります。そして自分ができるようになります)

  • タイムマネジメント

  • ブレストを促進させる技術

  • 自分を覚えてもらう機会が増える

場を仕切る、場をコントロールしていくことは企画職において非常に大切なことですのでまずは小さいミーティングではじめていきましょう。

ファシリテーションを身につけるためには下記の本がおすすめです。

ユーザーインタビュー

ミラティブでは、ユーザーインタビューを積極的に行っています。その際のインタビュワーとなることがあります。

ユーザーインタビューの心得(一部抜粋)

基本的な心得やマニュアルは上記にまとまっているので、じっくり読んでから業務に当たってください。

先ほども言った通り、ミラティブでは「事実に学ぶ」という行動指針があります。そのため、ユーザーさんと直で話すことを重要視しています。社内にマニュアルもありますが、ユーザーインタビューやユーザーリサーチについては下記の本が詳しいです。

運営配信・お知らせ作成・キャンペーン記事ライティング

ユーザーさんとコミュニケーションする大切な仕事です。ライブでコミュニケーションする運営配信、文字やデザイン・イラストで伝えるお知らせ・キャンペーン記事のライティング、それぞれ異なるコツがあるので徐々に慣れていきましょう。

運営配信は、下記のアカウントで運営として配信を行う業務です。機能やキャンペーンのお知らせを目的とする場合もあれば、ミラティブグランプリTVのように配信者さんをお祝いする配信の時もあります。

ミラティブグランプリTVは下記のサイトにまとめられいるので、最低直近の3回分の動画はみてほしいです。(下記サイトのグランプリTVを押すと再生できます)

キャンペーン記事やライティングに関しては、まずは過去のキャンペーンやお知らせを読み込むことで文体などを自分のものにしてください。そのあと、先輩社員のレビューを受けながら、ミラティブ運営らしい文章をかけるようになってください。

マスタ管理・データ入稿

マスタ管理とは、エモモイベントなどを動かすためのデータを管理することです。詳しくは下記のページなどを見てください。

例えば下記のようなイベントがある時には、

  • グレードEの1位にはこのアイテム

  • グレードEの2位以内にはこのアイテム….

などと設定する必要があります。

イベントページから

それらは多くの場合、CSV形式でシステムに設定します。これらはイベント担当の企画職が行うことがほとんどです。(その場合おそらく先輩社員は「どのようなイベント体験にするのか」、「どのグループに何位の賞品を置くか」などを決めていることでしょう)

ポイント達成賞品の設計などでは表計算ソフトを使うことも多いので、一通り使えるようになっていて欲しいです。基本的には情報の授業で習ったことができればOKです。追加で覚えておいて欲しい操作は、個人用フィルタ・ピボットテーブルくらいです。(あとは情報で習った概念の拡張でいけると思います)

個人用フィルタ

この機能を使わないと、共同で編集している他の人に迷惑がかかりますので覚えておくようにしてください。

ピボットテーブル

SUMIFとかテクらずに、シュッと集計ができるようになります(語彙力…)。高校の情報のカリキュラムでは扱っていなさそうなので身につけておいてください。

イベントQA

QAとは「Quality Assurance」を略した言葉で、日本語では「品質保証」を意味します。

ユーザーに機能やイベントをリリースする前に、そのリリースが正しく動くかチェックすることを指します。

ミラティブではQAの専門チームがありますが、このチームは新機能や複雑な機能のQAをしていることが多く、毎回同様な設定をするイベントのQAは企画職が担当することが多いです。

ここでチケット管理という概念を知っておきましょう。チケット管理とは、実施するべき作業や課題を「チケット」として管理する方法です。こうしておけば、作業漏れなどが発生しづらいだけでなく、チケットの消化速度などをみて、QA期間などを見積もることができます。

また、チケットを作成することを「起票する」と呼び、完了すると「クローズする」とミラティブでは呼んでいます。(よく考えると作成は日本語で、完了は英語を使っているの謎ですね

ミラティブではチケット管理システムとしてBacklogという製品を使っています。

CSエスカレーションへの対応

意思決定の場として最初に立ちはだかるのがCS(カスタマーサポートチーム)のエスカレーション(対応依頼)の対応です。もちろん一人で担当することは最初はありませんが、ここの判断ができるようになれば、少しずつ独り立ちが見えてきます。

具体的な仕事の内容としては下記のようなものです。

  • CSから「ユーザーから普段とは異なる問い合わせが来ているが、これは不具合?仕様?」といった、プロダクトチームに問い合わせないとユーザーに回答できないチケットがエスカレーションされてきます。

  • その文章を読んで、このチケットに対してどのような対応を行うかを決めます。

例えばですが、下記のような問い合わせがきます(架空の例)

- X月X日 22:00ごろ
- エモモアイテムが獲得できるギフトを贈ったが、
- エモモアイテムが獲得できなかった
- 機種XXX、user_id:XXXX, 贈った相手: XXXX
とユーザーさんから着信あり。

CSからのエスカレーション例

このような問い合わせに関して、あらゆる可能性を考えて、どういうアクションを取るのかを決めます。例えば、

  • 当該ユーザーさんがそもそもギフトを贈ることができておらず、その結果エモモアイテムも獲得できなかった

  • 当該ユーザーさんはギフトを贈ることができていたが、獲得したアイテムが既に所持しているアイテムであったため、新規アイテムは獲得していない

  • ユーザーさんが複数アカウントを保持しており、そちらのアカウントで正しく獲得できているが、気づいていない

  • 特定の状況において、エモモアイテムが獲得できない不具合があり、該当のユーザーさんがその不具合に遭遇した

などです。このような可能性を考え、このユーザーさんの問い合わせに関して、開発チームに調査をお願いするのか、手元のRedashなどでサクッと事実確認をするのかなどを決定します。

全体のビジネスから見ると小さな意思決定に見えるかもしれませんが、ユーザーさんにとってはミラティブ社を代表する回答であり、決して小さな意思決定ではありません。

私の考えとして、企画職として成長するためには意思決定の数が重要だと考えています。そのため、このような場を通して意思決定の場数を踏むことは重要だと思っています。

少し専門的な話になりますが、サービスの安定的な運用を行うフレームワークとしてITIL(アイティル)という概念があります。ITILの資格までは取る必要はありませんが、概念を知っていると便利なことが多いので入門書として下記をお奨めしておきます。

最後に

まずは、ミラティブの企画職はどんな仕事なのかイメージつきましたでしょうか?仕事の内容や会社の雰囲気はよくわかったのではないでしょうか?

逆に、「どんなテーマに取り組んでいるの?」や「目下の課題はなに?」のような事業テーマに関しては紹介するのが難しく、なかなか伝わってないかと思います。

そのようなテーマについては、ぜひともカジュアル面談などで話せればと思っていますので、下記からご連絡いただけると大変うれしいです!

新卒の方

https://hrmos.co/pages/mirrativ/jobs?category=1869713912814469120

中途の方

また、坂本はX上でよくPdMの方にご連絡して情報交換会などさせていただいております!弊社への興味の有無にかかわらず、PdM・企画談義がしたいというかた、ぜひ下記のYOUTRUSTからどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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