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花屋で足を止める

今日、スーパーへ行く途中に通りかかった花屋の前でひとつの黄色い不思議な花に一目惚れしてしまった。

まだ蕾なのか、既に花が咲いている状態なのかはよくわからないが、黄色くてふわふわした棒状の花が茎に沢山ついている。

それは周りの華やかな花たちの中でも異彩な存在だった。

その名もカンガルーポー

かわいくて覚えやすい名前。

あまりにもジロジロ見ていたので店員さんが来てくれたんだけど、まだ買う決断ができていなかったのでそそくさと退散。
帰る前に店員さんが日本から仕入れたマリモを見せてくれた。最近人気なのだとか...

私はすごく花好きとかではないのだが、何度か花屋で一目惚れをして足を止めたことがある。

一度は高校生のとき、大阪のビジネス街を歩いていたときに人の多い大通りにある花屋で物凄いインパクトを放つ大きな花が置いてあって、ついつい近づいて観察してしまった。

名前はキングプロテア。

強そうな名前。形もなんとも不思議で、沢山の花びらは薄いピンクですこし尖っている。真ん中には丸い山になった白いおしべ。

とにかく大きくて存在感が半端じゃない。その名前はギリシャ神話のプロテウスから来ているらしい。

神の名前に因んだ上に、キングまでつけるなんて最強じゃないか…

これは2年前のクリスマス、イタリアでの初めてのクリスマスに自分へのプレゼントで購入したキングプロテアの仲間、恐らくプロテア • ピンクアイス

お盆やお彼岸の時期によく見る「鶏頭」にも心奪われた。

この花は美しい、というより少しグロテスクな魅力がある。

鶏頭とその名の通り、鶏のとさかのように真っ赤でビラビラしていて、花びらはベルベットみたいな感触。
その濃い赤色は茎や葉っぱまで滲んでいる。

麗炎、とも呼ばれるだけあって本当に炎みたいな赤色。

私の第一印象は「血だらけの脳ミソ」だった。

もうひとつ、今住んでいる家の近所の花屋で出会った花。

名前は「ピンクッション • ベルファイア」

またまた強そうな名前...

この花との出会いは、今年の2月に実家で長年飼っていたインコが死んじゃったとき。
13年も一緒にいてくれたおじいちゃんインコに追悼の意味で小さい花束を買いにいった。

生前のおじいちゃんインコ

花屋の店員さんにインコの写真を見して、彼と同じような色合いで花束を作ってもらった。
その時に目に留まったのがこのピンクッション。

形は丸い彼岸花みたいで、鮮やかなオレンジ色のまるでプラスチックのような感触のおしべが針山のように咲いている。まるで火の玉みたいな形。
最初に紹介したプロテアと同じ種類の花で南アフリカ原産。

本当はオレンジの花を花束にいれる予定は無かったんだけど、あまりにもピンクッションが綺麗だったので追加してもらった。

しばらく飾った後、ドライフラワーにしてもその色鮮やかさが消えなかった。

こう思うと私が魅力を感じる花たちって、可愛いとか綺麗だけじゃない、ちょっとグロテスクで不思議で神秘的な花らしい。

私は自分のことをメルヘンチックだとかロマンチストだとは思っていないけど、花屋の前を通った時に心惹かれて足を止める、そういう「心の余裕」は常に持ち合わせていたいと思う。

写真は2017年のクリスマス、イタリアにてプロテアのドライフラワーを買った私

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