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イタリアのジェラートを楽しむ

イタリアの夏といったら必要不可欠なのがジェラート。
町中にあるジェラテリア(ジェラート屋さん)の店先には沢山の種類のジェラートが山盛りになっていてついつい足を止めてしまう。
イタリア人にとってジェラートとは、日本のように子供や若い女の子向けのスイーツというよりも老若男女みんなが楽しめる、まるで生活の一部のような存在である。
なので、街中でスーツ姿のダンディなおじさま達が真面目な話をしながら大きくてカラフルなジェラートを食べていたり、雨の日に傘をさしつつ片手にジェラートを持って道を急ぐマダムの姿は滑稽でもあるが、絵になる姿だった。

今回はそんなジェラートの味の種類や注文の仕方について紹介してみようと思う。

紹介する、といっても正直なところ私もあまりジェラートの味には詳しくない。何故なら私はジェラートを食べるときかなりの高確率で同じ味を注文してしまうからだ…

私が毎回注文する味は、"Amarena(アマレーナ)" である。日本ではあまり聞きなれない名前だが、アマレーナとは大きなチェリーのシロップ漬けのことでジェラートだけでなくケーキやシュークリームの上なんかにも使われる。味は酸味と独特な甘味がクセになる。ジェラテリアによっては白いミルクのジェラートにアマレーナがのったものや、ベースのジェラートがミルクではなくバニラやヨーグルトのものや、シロップとバニラジェラートが既に混ざっていて全体がピンクのものなど様々だ。オーソドックスな味なのでほとんどのジェラテリアで見つけられる味である。

その次に私が好きなのは"Pistacchio(ピスタチオ)"。
これは日本でも人気の味だと思うが、イタリアではジェラテリアによってピスタチオの味の濃さが違ったり、少ししょっぱいものがあったり、ピスタチオの実が入っていたりなどお店によっての味の違いが楽しめるのでついついこちらも注文してしまう。

その他にもジェラテリアで見つけることができる味をいくつか紹介していこう。

Fior di latte (フィオール ディ ラッテ): ミルク味のジェラート。バニラよりもシンプルなミルク味なので、いくつかの味を選ぶときに味の組み合わせで失敗しにくい。むしろ他の味を引き立ててくれる。

Nocciola (ノッチョーラ): ヘーゼルナッツのジェラート。イタリアではかなり人気の味だと思う。ヘーゼルナッツって私は日本ではあまり見たことがなかったけれどイタリア人はよくそのままのヘーゼルナッツも食べている。見た目がどんぐりみたいで最初見たときはイタリア人ってどんぐりも食べるのか、と思っていた。

Zabaione (ザバイオーネ): ピエモンテ名物のカスタードクリームのようなドルチェで卵と砂糖のクリームに洋酒がきいている少し大人なお味。ジェラートも美味しいけど、ブリオッシュやシュークリーム(イタリアではBignè、ビニエと呼ばれる)でも使われる。日本では味わえないと思うのでイタリアに来たら是非試していただきたい。

Anguria (アングーリア): スイカ味のジェラート。ジェラテリアではフルーツ味のジェラートの種類も充実している。フルーツのなかではスイカが一番好き。他のジェラートとは違って本当にスイカのようなシャリシャリとした食感とスイカならではの爽やかさが楽しめる。

Melone (メローネ): スイカときたらメロンもなくっちゃ。爽やかさも楽しめるがスイカよりもこってりした甘さが楽しめる味。お店によって甘味や食感に違いはあるが、私的には甘すぎずに最後まで美味しく食べきれるメロン味のジェラートがあれば本当に美味しいジェラテリアだと思っている。

Frutti di bosco (フルッティ ディ ボスコ): いろんなベリー系がミックスされた味。ベリーの酸味がすこし強いイメージだが、ベースはバニラやミルクのクリーミーな味のものが多い。

Bacio (バーチョ): これは日本でもイタリアのお土産として定番のチョコレート、Baciの味。お土産のチョコと同じでチョコベースのジェラートに大きめのヘーゼルナッツや細かいナッツがはいってて食感が楽しい。ちなみにBacioとはイタリア語でキスのこと。

Nutell (ヌテッラ): 日本でもお馴染み、そしてイタリア人も大好きなヌテラ味のジェラート。完全に冷たいヌテラ。滑らかなチョコレート味にナッツの香ばしさが追加された、止まらなくなる味。ヌテラ味を頼むときは絶対にコーンで食べたい。

Stracciatella (ストラッチャテッラ): これも定番のお味で、ミルク味のジェラートたにパリパリのチョコチップが入ったジェラート。"Straciare (引き裂く)"が名前の由来になっている。

Limoncello (リモンチェッロ): イタリアで有名なレモンのお酒をベースにした大人のジェラート。これはお友だちが頼んだものを一口もらったんだけど、お酒が弱い私はすぐ酔っ払ってしまうほどしっかりアルコールがきいてる。お酒に強い方はさっぱりとした酸味が爽やかでアルコールも感じられるジェラート。

次に、基本的なgelateriaでの注文の仕方を紹介していく。

まず注文には二種類あって、通常だとカウンターでジェラートの山を前にして
カップ or コーン + サイズ
味の種類

を注文をするんだけど、たまに人気店や混雑時にはジェラートがあるカウンターとは別の場所でカップかコーンcoのサイズ、味の数だけを注文して先に料金を払ってからレシートを持ってジェラートの並ぶカウンターで味を選択する、というパターンもある。

カップ or コーン

紙のカップは Coppetta(コッペッタ)、コーンはCono(コーノ)という。

サイズは三種類
grande(グランデ) 中 media(メディア) 小 piccola(ピッコラ)

私は大体ひとつの味を食べるときはmedia、ふたつの味を食べたいときはpiccolaをふたつで注文する。それでも十分満足できるサイズなのでgrandeを頼んだらどれだけ大きなジェラートがでてくるんだろうか。

味を選ぶときにもしも迷ってしまったら、日本のサーティワンと同じシステム、味見も可能である。
味見がしたい場合は、その味を指差して

"Posso assaggiare? (ポッソ アッサッジャーレ?)"
味見は出来ますか?


と聞くと快く小さいスプーンで味見をさせてくれる。
ただし注意が必要なのは、混雑した店内で味見を頼んだりすると、恐らく死ぬほど嫌な顔をされてこちらも嫌な気分になるので、味見をするときは店内の空気を読むようにしよう!

ジェラートの味を選ぶときの注意点は、フルーツ味のジェラートとクリームやチョコレート系のジェラートを一緒に頼まないこと!
例えばレモン味とチョコレート味。なんとも美味しそうな組み合わせに感じるけど、それを注文すると店員さんに変な顔される。別に出来ない訳ではないけど、イタリア人的にはあり得ないらしい…?

それと、イタリアのジェラテリアで是非とも試して欲しいのが、con panna である!
con は、英語でいう with で panna はホイップクリームのこと。つまりジェラートの上にホイップクリーム追加できるということだ。だいたい50セントか1ユーロくらいでたっぷりの生クリームをジェラートにのせてくれてテンションもぶち上がる。

では、ジェラート注文の予行練習をしてみよう!

例:
" Un cono medio, Fior di latte e Nutella con panna per favore"
(ウン コーノ メディオ、フィオール ディ ラッテ エ ヌテッラ コン パンナ ペルファブォーレ)
中サイズのコーン、ミルクとヌテラにホイップクリーム追加をお願いします

* サイズはconoの場合、男性名詞になるのでそれに合わせてサイズの最後の母音をoに揃える。例. un cono piccolo/una coppetta piccola

* e は&の意味

* per favore とは英語の please のこと。文の最後につける。

これを笑顔でハキハキと店員さんに伝える!
モゴモゴしゃべると伝わらないので、自信をもってハッキリと発音するのが大切。

あと、イタリアのジェラートは大きいので手を汚さずに食べるにはスプーンが必要。ほとんどのジェラテリアは注文時につけてくれると思うが、もしスプーンがもらえなかった場合、

"Un cucchiaino per favore."
(ウン クッキアイーノ ペルファブォーレ)
スプーンをお願いします。

というとプラスチックの小さいスプーンをくれる。

基本的なジェラテリアでの注文の仕方を紹介したが、ジェラテリアは観光客も多く来る場所なのでイタリア語が喋れなくても、勇気を出して入ってみると親切に対応してくれる店員さんが多いと思う。他にもジェラテリアによって個性的な味を用意しているところもあるので、色んなジェラテリアに足を運んでみるのもイタリアの楽しみ方のひとつだろう。是非お気に入りのジェラートの味を見つけてみて欲しい。

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