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#シロクマ文芸部

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小牧幸助様が企画されている「シロクマ文芸部」への参加作品を纏めます。 お題によってエッセイ、ショートショートなど。
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記事一覧

掌編小説 | レディー・キラー

 〝花 吹雪〟と書かれた名刺を渡された。綺麗な名前だねと言ったら、左隣に座るその女性は僕…

青豆ノノ
2週間前
124

掌編小説 | 風車体幹キープメソッド

 風車を回してはいけない。その一点だけに意識を集中させた。  初めて習うメソッドとはいえ…

青豆ノノ
3週間前
109

掌編小説 | 変わる時 | シロクマ文芸部

 〝変わる時〟という文字が見えた。そんな気がした。坂田は身を翻し、数歩戻った路上に落ちて…

青豆ノノ
1か月前
97

ショートストーリー | 共生 | シロクマ文芸部

春と風。 サイコロと下駄。 フランス人と生クリーム。 なんの話? サイコロを二つ、手の中で…

青豆ノノ
2か月前
105

ショートストーリー | ベイベ | シロクマ文芸部

 閏年の閏日になっちゃうよ。ぽつりと夫がつぶやいた。空耳のようだったが、確かに聞こえた。…

青豆ノノ
2か月前
91

掌編小説 | 梅の花 | シロクマ文芸部 

 梅の花がいいと言ったら、渋いねと言った。その女は、オフショルダーのカットソーを着ていた…

青豆ノノ
2か月前
131

ショートストーリー | Chocolateな彼女 | シロクマ文芸部

チョコレートを「チョッコレイ」って発音する女だった。 可愛かったよ。薄気味悪いくらいに。 彼女は厚みのない薄いチョコレートしか食べないんだ。 上唇と下唇の間を5ミリくらい開けて、笑うみたいに口を横に引く。 そうして出来た隙間に、よく紗々を突っ込んでやったな。覚えてる?ロッテの紗々。 あの繊細なチョコレートを、郵便ポストみたいに構えてる彼女の口に入れるんだ。 今思えば、なんでそんなことしてあげたんだろう。 それくらい、惚れていたってことかな。 帰国子女らしいんだ。 一緒にス

短編小説 | 青写真の娘 | シロクマ文芸部

 青写真で見た娘が嫁いできた。  未来を下書きしたような青い写真に映る、その澄んだ印象と…

青豆ノノ
3か月前
124

短編小説 | ニフヨク | シロクマ文芸部

 「雪化粧」のことを考えていたはずなのに、いつの間にか「ヤマ瀬まみ」のことを考えていた。…

青豆ノノ
3か月前
97

シロクマ文芸部 | 物書きジム

本を書く人々の間で人気のトレーニングジムがあった。それは神保町よりは九段下寄りの、寂しげ…

青豆ノノ
3か月前
125

短編小説 | 腕 #シロクマ文芸部

新しい腕が生えてきた。願ってもないことだ。いや、本当はその発想がなかったといえば嘘になる…

青豆ノノ
4か月前
117

ぼくらのもの (#シロクマ文芸部)

最後の日だった。久々に訪れた東京で数日をすごしていた僕は、最終日の今日、観光をするでもな…

青豆ノノ
4か月前
107

「2024」の私のため (#シロクマ文芸部)

振り返るとそこには、今にも泣き出しそうな私がいた。 その私は、胸につけた「2022」というゼ…

青豆ノノ
4か月前
89

幸せの青に包まれています。

なんだか不思議な心地でいます。 不思議と言葉になりません。 11月。1ヶ月間熱狂的に楽しんだ「20字小説」に、本日副賞というご褒美までいただく結果になるとは。 こうなれば明日には大きな不幸が待ち受けているのではないかと思って怯えているほどです。 呑気に食後のお菓子を食べていたところ、小牧さんから受賞の連絡をいただいた気配があり(スマホの通知で察する限り)、開くのが恐ろしくて、しばらくXで大喜利のお題を眺めてました。(いえ、正直言うと二、三個やってました)。 3132作品全