1週間あってもじっとしてられない北海道④富良野・美瑛編
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暗雲立ち込める富良野の夜
富良野に到着した時、あたりはもう暗くなっていた。
翌日から天気が崩れることがわかっていたので、少し無理して美瑛の丘へ夕焼けを見にいくことに。
だいぶ雲は厚かったけれど眺めが良く、後々このタイミングで見に行って良かったと思ったのであった。
夜ご飯を食べに向かったのは、スープカレーの人気店「ふらのや」さん。
外にいてもスパイスのいい香りがする。
妹が昔ランチに伺った際は大行列だったそうだが、19時ごろに伺うと前に待つ人はおらず、片付けを少し待つ程度だった。
2人が選んだのはスープカレーの「道産野菜」。そう、富良野、美瑛の目的は美味しい北海道の野菜を満喫する!だ。
運ばれてきたお皿は想像の倍大きく、野菜も想像の3倍くらい乗っていた。一つひとつもごろっと大きく、まだラーメンを引きずっていた私は(だから肉のない、野菜のみのカレーにしたのだ)少し不安になった。
まずはスープを一口。濃厚で、旨みがたっぷり。本物のスープカレーだ‥
さらさらすぎず、少し粘度のあるスープカレーはご飯とも相性抜群だ。
さてさて肝心のお野菜に移ろう。
キャベツ、スナップエンドウ、人参、なす、ジャガイモ、ピーマン、かぼちゃ、ブロッコリー。書き出すだけでもこんなにたくさんの野菜が乗っていたのかと驚く。しかも、それぞれが野菜の甘みを最大限に引き出すちょうどいい火入れ加減なのだ。
どれも美味しかったが、私たちが選ぶ野菜トップ3は、「ブロッコリー、スナップエンドウ、人参(かぼちゃも捨てがたい)」だった。
終盤は結構苦しくなるくらいのボリューム。
またお腹ぺこぺこの時に行きたい‥
富良野の宿は「Hostel TOMAR(トマール)」。じゃらんで検索した時に上から2番目に安かったホテルだ。(一人3000円程度だった気がする)
ドミトリーもあるので、バスルームやトイレが共同の部屋がほとんどだが、疲れているしと思ってどちらも備え付けの部屋を選んだ。
扉を開けた瞬間、その広さと綺麗さ、使い勝手の良さに驚いた。ここはおすすめのホテルだ。アンケートをかくと、JA富良野が作っているポテトチップス(ふらのっち)がもらえるし。
ご飯もホテルも最高。しかし、私たちには心配があった。
富良野、美瑛といえば美しい風景。それなのに、この2日間がこの1週間のうち一番天気の悪い予報となっていた。
まあ、結婚式が最高の天気だったから贅沢は言わないけどさ‥とはいうものの、少しは期待を込めて眠りについた。
やはり曇りの富良野
朝起きて小さな丸窓から曇り空をのぞく。
まあ仕方ないと思い、できる限り室内で楽しめるスケジュールに組み直した。
まず朝ごはんを調達しようと向かったのは、
富良野にある「パン屋 やまなか」さん。
小屋のような可愛らしい建物の近くには薪がたくさん積まれている。
ガラガラ、と扉を開けるとこんがりと美味しそうなパンがずらり。
だいぶ悩んで3つのパンを買い、セイコーマートに寄って北海道牛乳のカフェラテを買って、
富田ファームの駐車場でまだオフシーズンの花畑をチラ見しながらサクッと朝ごはん。笑
・クロワッサン
サクッとした薄い層が重なっていて、リベイクしたらもっと美味しいだろうな〜
・クリームチーズ入りのイチヂクと胡桃のパン
クリームチーズがほろっとしたタイプで美味しい。きっと北海道の美味しいクリームチーズなんだろうな。
・ジャガイモとアンチョビのパン
ハード系は大きいサイズしかなくて悩んだけどどうしても食べたかったので購入!ほっこり優しいお食事に合うパン。このままでも滋味深くて美味しい〜
朝ごはんを食べたら、まだラベンダーの咲いていない富田ファームへ
お花も苗が植えられたばかり、という箇所が多くてすっきりとした印象だったけれど、綺麗な花畑ゾーンもちょこちょこ。
せっかくだからとメロンも食べた。瑞々しくて甘くておいしい。
彼が家族に写真送ったら見事に「ラベンダー綺麗に咲いてるね!」と騙されていたらしい。
その次に向かったのは「カンパーナ六花亭」。
ぶどう畑の中にある六花亭の店舗だ。ガラス張りになった店舗は、買い物しているだけで癒される空間。
そして、手頃な値段とチャーミングな名前、パッケージの可愛らしさはどれだけ見ていても飽きない。お土産用にいくつかお菓子を選んだ。
この時自分用にと買った”六花のつゆ”というボンボンがとても美味しく、可愛かった。ハスカップ・コアントロー・ペパーミント・うめ酒・ブランデー・ワインの6種で、口に含むとパリッと割れて、口の中に甘い幸せが広がる。今から空いた缶に何を入れようかワクワクしている。
イートインコーナーでここ限定のおやつ”ふらの餅”を食べてみることにした。青えんどう豆の餡が包まれていて、注文すると焼いてから提供してくれる。
試食で新商品のバターケーキをもらう。
しかしなかなか呼び出されない。しばらく経って聞きに行くと焼き忘れていたようで、持ってきてくれる時にもしよかったら食べてくださいと”雪こんチーズ”もくれた。ラッキー。
テラスで食べることに。
ふらの餅は絶妙な塩加減で、もっちりとした食感と焼き目の香ばしさがあとを引く。
サービスの雪こんチーズはココアクッキーの間にベイクドチーズケーキがサンドされている。美味しくないわけがない。
美瑛の野菜は最強説
その後は美瑛のお土産屋さんにも2箇所行き、雨の時にいけるスポットは大体制覇した。食べてばかりだが、お昼ご飯にする。
お昼ご飯は「おきらく亭」さんへ。私が大学生の時友達と行った北海道旅行の時にも訪れたのだけれど、このお店だけがどうしても忘れられなかったのだ。
2人ともポトフのミニコースを注文。注文した時に量が多いですけど大丈夫ですか?と聞かれる。確かに、ハーフというメニューもあるが、せっかくだし通常メニューで大丈夫でしょうと思い、はい!と元気よく答えた。
前菜のサラダ、美しすぎないか。
ブロッコリーやじゃがいもは程よく火入れされている。甘くてみずみずしい新鮮なトマト、水菜、大根や人参も生ではなく何か下処理をされているな?とうもろこしも缶のものではなく、プリっと弾ける食感。
野菜全てに存在感があり、甘く、濃く、早速美瑛にきてよかったと思える一品だ。
サラダで大満足していたところに出てきたのが、ライスと、野菜がゴロッと入ったポトフ。キャベツは1/8くらいは入っていると思う。じゃがいもや人参、手羽元にウインナーまで。さらにはスープおかわり自由。
スープを一口飲むとさまざまな野菜から生み出された”旨味”がぎゅっと詰まった味がする。野菜はどれもほろほろになるまで煮込まれていて甘くて優しい。一口食べるたびに幸せが広がる味がした。
お店を出てからも、天気は怪しさを増す一方。明日の天気も微妙だからと青い池へ向かってみようとしたが、ありえないくらいの大雨になってきたので早めに宿へチェックインすることにした。
宿へチェックイン
この日泊まったのは、美瑛にある「ペンション トムテ ルム」さん。
パッチワークの丘の中に建つ、ご夫婦が営まれている可愛らしいペンションだ。赤い建物ですぐにここだと分かる。
部屋はいくつかあったが、この日は私たちの貸し切りのようだった。
靴を脱ぐと、誰かの家に遊びにきたかのような温もりのある空間が広がっていた。
案内された部屋はベッドが2つのシンプルなもので、大きく開かれた窓からは広がる畑が見渡せる。お手洗いや洗面所は共用だが、とても綺麗にされていて、洗面所に関しては一つ一つに仕切りが作られているなど気配りも嬉しい。といっても今日は貸し切りなんだけどね。
部屋を出てすぐと、一階のリビングルームにはソファと本棚があって自由に本を読んでくつろぐことができる。ご飯までの時間、雨の音を聞きながら2人で静かに本を読む時間はとても贅沢だった。
お腹を空かせるために2人とも立ちながら本を読んでいたら笑われた。
夜ご飯の準備ができたようでダイニングの席に着く。
テーブルにはキャンドルが灯されていて、リラックスできる。
前菜。
アスパラのマスタードソース、帆立のカルパッチョ、美瑛のチーズが三種盛りに。小さいココットに、北海道じゃがいもとチーズのグラタンも出てきた。
思わず、ハスカップワインを頼む。
これが甘すぎず、食事に合う美味しいワインだったので空港でも購入した。
特に美味しかったのがグラタンで、彼もとても感動していた。
お昼ご飯でお腹空くか不安だったが、どれもちょうどいい量で、
美瑛の食材をふんだんに使った丁寧に作られた料理だったので
ぺろりと食べてしまった。
食後には北海道牛乳のシャーベットに、手作りイチゴのコンポート。
ラックにあるコーヒーカップから好きなものを選ぶと、コーヒーを淹れてくれた。
オーナーの旦那さんが手作りの美瑛MAPを持ってきてくれて、
おすすめの絶景スポットを教えてくれたり、世間話をしたりした。
本当にいい時間だった。
部屋に戻って少し休憩した後に、交互にお風呂へ入った。(すごく大きな家族風呂だったけれどひとりで満喫!笑)
寝る前、翌日の札幌で行く夜ご飯先を決めようとするものの
なかなか決まらず、人気なところは埋まっていたりして、揉めかける。笑
やはり事前に決めて、予約するのがマストだった。
とりあえず、目星をつけていたところに遅い時間ではあるが予約ができたので寝ることにした。
やはり天気運のない美瑛
一度目を覚ました時は天気が良さそうな気がしたが、
もう一度起きてみるとやはり一面の曇天だった。
聞くと彼は早起きをして、置いてあった漫画「銀の匙」をずっと読んでいたようで眠そうだった。
身支度をしておりていくと、窓に面してテーブルがセッティングされていた。窓の景色を眺めながらの優雅なモーニング。それだけで十分じゃないか。
プレートにはソーセージ、スクランブルエッグ、蒸したじゃがいも、茹でアスパラ、サラダ。野菜のスープに、牛乳。
バスケットには焼きたてのパン2種、バターとジャムが添えてある。
完璧な洋の朝の布陣である。
やっぱり素材が美味しいって大切なんだ、と北海道で何度も思わされた。そのままで、さっと加熱しただけで美味しい。
食後にはまたまたカップを選んでコーヒーを。
天気が良くないことを理由に、ギリギリまでゆったりさせてもらった。
貸切だったこともあり、とことんのんびりさせてもらえた。
とても素敵なペンションだった。ありがとうございます。
続く
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