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学んだ知識を日常に活かす

今日の記事は、noteで得た知識を日常経験に役立てたい人におすすめです!

「岩野・あおきのばっちこい心理学」では、あなたの素朴な質問に心理学を使って解説しています(私情もはさんでいますが)。心理学って色々なところに応用できますし、使い勝手良いですよ(#心理学をもっと身近に が好きです)。

と思っているのは、心理学者だけかもしれません。実際に日常生活に活かしてなんぼだと思い、わたしのnoteでは心理学に関するいろいろな情報を流してはいますが、それを日常経験に役立てるにはいくつかのステップが必要となりそうです。今日はそんな話をしていきます。

学習の移行

学習の移行(Transfer for learning)とは、ある知識を日常経験や新しい状況に活用したり、ある知識を異なる分野での経験に応用したりする人間の能力をいいます。人工知能の領域だと転移学習などと言われていて、ある領域のことを学習したAIが、その学習を違う領域に活用する技術のことを指します。

知識を持ってる=あたまでっかち」になるひとは、知識を持っていても、日常経験に応用できていないためと考えられます。知識を日常経験に活かすことは、働くときに勉強した知識を活かしたり、対人関係を良くしたり、問題解決能力を高めたりと良い効果が規定できます

問 さて、学習の移行はどうすればうまくいくでしょ???

その知識を日常経験に活用してみよ

研究をご紹介します。トルスガードたち(2016)の研究では、医学生を対象として、心肺に関する問題を持つ事例について、診断名から病歴や身体所見などその患者の情報を類推した学生と、その事例についての治療方針を自分たちで考えた学生とでは、その後異なる事例についての課題を解く際に、治療方針を自分たちで考えた学生の方が課題解決時間が短かったことを明らかにしました。

つまり、知識を用いてある課題を解決するプロセスを実際に経験していることが、次に似たような課題を経験したときの解決速度が速くなるといえそうです。

この現象を補足する学習の移行についての「CDRモデル」では、

その状況や文脈において知識や技術を議論する → その文脈や状況における議論から一般的な知識を抽出する → 新しい状況で使用する(知識の日常化)
という流れを図式化しています。

したがって、知識を持つことに加えて、その知識について日常経験に照らして議論し、それをもとに実際に課題解決に取り組むことが、知識をその他の日常経験に役立てるために重要と言えそうです。

カレーの作り方を知識で知っているだけで作ったことない人とカレーライスを作ったことがある人では、「んじゃハヤシライス作ってみ?」と言われたときにどっちの人が早く作れるかは言わずもがなですよね?

さまざまな場面に知識を応用せよ

もう1つ研究をご紹介します。バトラーたち(2017)の研究では、研究対象者が地質学に関する講義ビデオを見た後に、その概念に関する応用問題に回答しました。応用問題では、同じ例題を複数繰り返すよりも、異なる問題に回答する方が、同じ概念に関する異なる問題に対する知識の伝達が高まることが明らかになりました。

つまり、知識を他の場面に応用するときに、その知識をさまざまな場面に応用することを日ごろから考えておくほうが、その他の場面への知識の応用がスムーズにいくということです。

たとえば、心理学の知識Aを得たとして、知識Aについて、わたしはこういうところがあるな、と毎日毎日考えているよりも、

わたしはこういうところがあるな、友人Bさんはこんなところがあてはまるな、C先生はこういうところがあるな、など、さまざまな場面に応用させて考えていく方が、得た知識をそれ以外の分野に活用できる能力が高まっていきます

まとめると

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知識を日常に活かすためには

・知識を日常経験にどう活かせるかを考えてみましょう

・一つの場面ではなく、色々な場面での活用を考えてみましょう

の繰り返しですかね。今後も研究情報を追っかけていく予定でいますので、またアップデートできたらと思います。

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