心理大学の先生は忙しいなぁという話。【研究者日記】

引き続き、札幌です。勉強会と研究会議と夜の飲み会を楽しんでいます。

心理学の大学を離れ、いまは医学部にて心理学を活用する仕事をしているわけですが、心理学の大学にいた頃の仲間は、臨床業務(病院などでカウンセリングをするひと)か、心理学部で大学の先生をしています。

年に数回、研究会や学会でこうして集まって、情報交換、お互いの近況報告をするわけなのですが、大体話題に上がるのは学部の運営の話です。

ポジティブな話が多めであればいいのですが、なかなか厳しめな世界線。心理学の大学の先生らはなかなか忙しいのだなぁといつも思うわけです。

忙しい理由のひとつが実習です。複雑な話なんですが、心理学の大学の目的のひとつは資格を取得する事であり、その資格をとるにあたってのカリキュラムを整備し、運用しなければなりません。

わたしが大学にいた頃は臨床心理士という資格を取るためのカリキュラムだったのですが、最近になって公認心理師という国家資格ができたため、臨床心理学と公認心理師の二資格を取得するためのカリキュラムを運用しています。

この二つの資格のカリキュラムが全く同じであればいいのですが、完全に重複しているわけではなく、そして実習もそれぞれのカリキュラムごとに組まなければいけないらしい(?)

これはなかなか時間を取られるよなぁと思います。

もうひとつの忙しい原因は人手不足です。

日本の経済が先細りになる中、大学の運営費も減っているそうです。そして、少子化の影響を考えると、大学を受ける学生は減り、授業料の収益が減ります。

そうなると人件費が捻出できないという問題が出てきます。これは大学教員を雇用できないことで単純に一人当たり教員の稼働時間が減る、事務職員さんを雇用できないことによって教員の事務作業負担時間が減るなどが出てきます。

そうなったときに更なる負の連鎖が起き、研究費をうまいこと運用できなくなってきます。

大学教員の仕事のひとつは研究なのですが、単純に研究時間を取れずに業績を出せない、研究のためにお金を支出するための書類が多く、それを書いてるだけで時間があまりにもかかる、そして人件費不足のため書類作成をじぶんでしなければいけない、という多忙の極みに至る原因があります。

そうすると、研究費を取得しない、研究費の審査が通らない、そして研究をしないという連鎖ができますが、そうするともうひとつの問題が出てくるわけです。

それが大学への収入が減ることです。研究費には研究を運用するために直接かかるお金と、研究をおこなうための施設やインフラを運用する間接的にかかるお金があります。

こういった間接的にかかるお金が大学の設備運営や人件費にあてられるのですが、研究費が取得できないとそれがなくなるわけです。

そうすると、上記に書いたような負の連鎖がさらに加速していくわけです。

なんだか実情を書いていたらちょっと悲しくなってきたのですが、大事な事なのでここに記しておきます。

どうすればいいんだかなぁ〜と思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?