わかりやすくて万人に当てはまりやすい概念が受け入れられるらしい【研究者日記】
世間を賑してくれている心理学の概念について思うところがあったのでつらつらと書いてみることにしました。私らも(広報の予算を作って)がんばってわかりやすく伝えないとデマに勝てないよという話です。
科学的に嘘や誤解があっても、わかりやすいと信じる
世間を賑してくれている心理学の概念について、わたしも確かにうーんって思うことはあります。エビデンスがない情報をあたかも正しいかのように言うのは嘘つきだとは思います(科学が100%正しいとも思ってませんが)。
ただ、それを正しいとカスタマーに思わせるだけの、わかりやすく伝える力があって、わたしこれに当てはまる!って思わせるだけの力があるってことは重要です。だから、みんな信じます。心理学が好きな人たちはそういう説明を求めていて、エビデンスについてはよくわからないから。もっともらしく、自分の状態を説明してくれることがやはりだいじなのだと思います。
逆にいうと私たちの伝えたい情報が、エンドユーザーまで届いていないということが大きな問題だと考えています。伝えたい情報が届かない理由は、わかりにくい、情報発信量が不足している、じぶんに影響力がない、のどれかです(もちろん、この3つを兼ねそろえているスーパーな人たちもいます!)。
わたしも人のことを全く言えたもんじゃないです。が、まず、そのHS...なんちゃらって概念くらい私たちが使っている科学的な概念もわかりやすく伝えることは難しいんですかね。みんなでやれば影響力の壁は超えられそうな気がするんですよね。
患者さん相手にするとわかりやすく伝えられるのに、マス相手になった瞬間に難しい話しになるのはどうしてなんでしょうかね。もっとエンタメ的にやれないかなぁと思ったりします。
やっぱり圧倒的な面白さは重要だなと思いました。仮にその概念に対しての反論意見を言ったとして、結局のところ、炎上商法に加担するわけですから、その概念の認知度をあげるだけなんですよね。自分たちの商品の価値をあげて、積極的に広報打ってくのがいいんだろうなあと思います。
もっというと、発信や伝えることが上手な人にお願いするといいんだろうなあと思います。影響力のあるタレント・インフルエンサーさんにお願いするもですし、エンタメ関係の人に圧倒的なものを作ってもらうもありだと思います。広報にお金をかけたほうがいいのですが、予算問題はなかなか難しいですよね。
認知行動療法ということばはまだ市民権を得ていないと思う
さて、上述の話を1年半前くらいに書いてペンディングしていたのですが、ふとあげようかなと思ったのは以下の理由からです。
Twitterで認知行動療法は誤解されている!といった話があがっていたのを見かけたのですが、そもそも一般市民の方は認知行動療法を知らないと思います。私の家族も友人もほぼ知りません。なので誤解を解く以前の問題として周知不足・広報不足がまずあると思います。
それを前提として、知っている人の中のイメージとして、認知行動療法の行動療法的なところがあまり伝わっていなくて、認知療法的なところがフィーチャーされているというのはその通りだと思います。
これは厚生労働省で診療報酬となっているうつ病の認知行動療法が認知療法に基づくからでありますし、その原動力となっているグループが広報や普及活動を頑張っていただいたからだと思います。
あと用語的にもわかりやすいのだと思います。(誤解の源にもなっていますが)「考えがネガティブだと落ち込むから考えをポジティブにしたらよい」は一般の人からするととてもわかりやすいと思います。誤解であるとはいえ、周知されないと使ってもらえないので、わかりやすく伝えるという戦略は第一歩目としては非常に重要なんじゃないかなと思います。
行動療法のほうを普及するためにも、厳密さよりもキャッチ―さやわかりやすさを優先して伝えないと響かないんじゃないかなあ…と個人的には思うところです。私らもYouTubeしたり、noteで書いたりもしてますけど、けっこううまく伝えるのって難しいですよね。
先ほどの段落の結論と同じですが、学会などの大きい団体が予算使って、エンタメ関係のあっとうてきにわかりやすい情報伝達をできるひとにお願いしたりすることが必要かなあと個人的には思います。
あとは量的にいろんなひとが数を打つことがだいじだとおもいます。
早く立ち上がらないとデマのほうをひっくり返せなくなるんじゃないかなあと個人的には思っています。賛同してくれる人がいると嬉しいなあと思います。
完全な私見で失礼いたしました。コメントなど頂けたらうれしいです~。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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