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沈黙の意味とは?

福島県立医科大学で医学教育と研究者をしているあおきしゅんたろうといいます。

学生さんと一緒に診察の練習をする機会が割とあるのですが、「沈黙するのって気まずいです」という話がよく出てきます。

みなさんも普段のコミュニケーションで沈黙すると気まずいですか?って聞くと、たいていのひとは「沈黙は気まずいです」と答えると思います。

さて、なぜ沈黙は気まずいのでしょうか?本日の記事では「人はなぜ沈黙するのか?」というテーマを考えてみます。

沈黙の意味とは?

沈黙とは2者以上がいるときに、何も話していない状態、会話ストップ状態です。会話には当然間があるので、沈黙がない会話はないのですが、その長さによってひとは沈黙していると判断しています。

沈黙が気まずいと感じるのは、「相手がなぜ黙ってるのか?がわからなかったり、沈黙の意味を自分が変なことを言って相手が傷ついているから黙っていると捉えてしまう」ことにあります。

そうすると、その沈黙を解消しようと突拍子もないことを言ってしまったりします。不安や気まずさを解消するために間を埋めたいと思って話し出してしまうのです。

しかし、これは逆効果な場合もあるんです。そういうことで、沈黙の意味を考えてみて、会話を打開する必要があるかどうかを検討する必要があります。

考えている

いちばん沈黙を打破してはいけないパターンは、相手が考えているときです。あなたが投げかけた言葉に対して相手なりに考えていることがあります。

その場合は、静かに待ちましょう

人によって、考える時間の長さは違いますので、ゆっくり考える人にはゆっくり考えてもらうことが必要です。

悪いことを伝えられた後などは、ひとは不安になったり、気持ちが落ち着かなくなっていろいろと考えるものです。

そういった気持ちを整理するうえで、沈黙の時間を共有することも必要といえるでしょう。

伝わっていない・聞いてない


沈黙の理由で多そうなのは、相手が聞いていなかったり、伝わっていなかったというのは多そうです。

物理的に声が小さかったり、うるさい音でさえぎられて聞こえなかったということもあります。

そのときは聞こえていないので沈黙が起こり得ますが、どうしても伝えたい内容だったとしたら、もう一回伝えてみてもいいと思います。

あれ?聴こえてた?みたいに聞き返してもいいかもしれません。

何を話したらいいかわからない


最初の考えているということとも関連しますが、何を話したらいいかわからないということもあります。

抽象度が高い質問だと、あれ?何聞かれてんだっけ?となって考えてしまう場合があります。

この世の不条理ってどんなことだと思う?って聞かれて、答えられる人もいますが、一般的には何を答えていいかわからなくなります。

日常からかけ離れたことを聞かれると何を答えたらいいかわからなくなるので、考えるために沈黙します。

抽象的な質問をしてるなぁと感じたら、少し具体的に質問を変えてみてもいいかもしれません。

話したくない


上記の理由の場合は、沈黙は気まずくありません。むしろ必然というか当たり前に起こることです。

そうではない場合に、はじめて気まずい沈黙になるわけです。相手が話したくないことをふってしまっている場合ですね。

もし相手の琴線にふれそうなテーマとか、引っかかりそうな話で沈黙した場合、気づくことが多いと思います。

そのときはちゃんとごめんねと謝りましょう。

とはいえ、琴線に触れることを言ってしまって沈黙しているよりも、その他の理由で沈黙している場合が多いと思います。

相手の様子を観察する

といった沈黙の意味はいろいろあると思うので、沈黙している時の相手の反応をしっかりと観察しましょう。

こちらの発言に対しての反応なのか?それとも届いてないのか?考えているのか?など考えてみましょう。

その考えが正解でも間違っててもいいです、まずは意味を考えましょう。その上でうざくない程度に沈黙の意味は聞いてみてもいいかもしれません。

あんまり言いすぎたー?とか、質問難しかったー?とかちらっと聞いてみるのはありだと思います。

こんなこと聞いていいのかな?と思ったりもしますが、意外とひとはそういうこと気にしてなかったりします。単純に気になったことは聞いてみてもいいと思います。

ということで沈黙の意味について考えてみました。こちらの思い込みで沈黙を考えるとただ気まずくなるので、意味がわかると対応方法がわかってくると思います。

あと一つ忘れてた、スルーされてるパターンもあるかもです。おそらく悪気はないですが、まぁ拾わなくていっかぁって思われるパターンですね。

これは人によると思いますが、話を聞いて展開させたい人もいれば、そんなに展開せず静かにしたい人もいます。

これも相手がどういう人なのか?をしっかり観察して、別に相手が沈黙を嫌がってないじゃん、もっというと静かにしてたいんだなあーと考えることもできますよね。

コミュニケーションは相手がありきです。相手がどういう思いでいるのか?ということを考えると、沈黙への対応も自然と思いつくのではないかなと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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