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COVID-19での臨床技能試験の実施に関する論文です。

こんちは、あおきです。今日は久しぶりに教育についての話です。

医学部での臨床実習や臨床試験をどうするんだろうという記事を以前記載しました。こちら

先日の抄読会では、AMEEの電子サイトMedEdPublishにシンガポールでの客観的臨床試験の実践ついて話題に上がったので、情報共有します。

Boursicot et al. (2020). Conducting a high-stakes OSCE in a COVID-19 environment. について説明します。

シンガポールでも臨床実習がストップしている状態で、50人以上の教育活動をできない状態でした。シンガポールではSARSの影響もあり、そのときにすでにディスカッションされていたそうです。客観的技能試験をやる上で、以下の点が重要視されました。

1.厳格な感染管理

移動経路を洗浄する、マスクを着用する、手指消毒(室内外それぞれに配置)、健康ダイアリー、旅行や病気の人と会ったことの申告、検温と衣服への検温情報の表示、ひとりで食事をとる。

2.各会場ごとで完結

時間管理を徹底し、評価者や模擬患者は会場間の移動をしない。じっさいの患者さんがいるところで実施しない。トイレへの経路も独立にする。評価者は直接評価する部屋に行き、指示はZOOMで受ける。

3.ソーシャルディスタンス

1メートル以上距離を確保し、ZOOMを活用した説明会をする。人に触れない、寝具やガウンは再利用しない。最大14名のグループで、1m以上距離をあけられる部屋を使用する。

4.試験内容

CPX(Clinical Performance Examination)は、病歴聴取、臨床検査、検査結果の説明、アドバイススキルを含む12分のステーションと、臨床意思決定、臨床推論、そして管理計画で構成されていたそうです。

模擬患者さんが各試験室に配置され、実践的な課題、説明と同意、患者の安全性を含む、患者との専門的なやり取りに学生を従事させたとのことです。

まとめると

パンデミック環境においても安全な臨床試験を行うために十分な対策を講じることが可能なようですねー。医学部はOSCEをクリアしないと学生が実習に出れないということもあって、思っている以上に深刻な問題なんです。

この論文の最後に、医学部教員だけではなくて、事務さんや模擬患者さん、学生、評価者および外部評価者に対しての支援が必要ですと書かれています。本当にそこは重要だなあと思います。

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