見出し画像

「今どきの若い者は」的なことを教育に活用する。

この記事では「今どきの若者」通称 i Genに医学教育をするときにどうしたらいいのかをご紹介します。

こんにちは、あおき@医学教育です。先日の論文を読む会で話題に上がったアメリカの方が提案するヒント集論文についてです。

教育において世代間の差がたびたび話題に上がりますが、いまどきの大学生くらいの世代の人たちを「Generation Z」というらしいです。「iGen」とも呼ばれるらしく、いわゆる「スマホ世代」のことだそうです(ちなみにわたしはミレニアル世代でPCや携帯の普及からスマホができるまでくらいを生きてきた世代らしいっす)。

医学教育において「iGen」とどのように教育をしていったらいいだろうか?というのをこの論文ではお話しています。とはいえ、全員に当てはまるわけではなく(とりわけiGenでは多様性理解が重要視されるのもあり)、そんなもんかあくらいに読んでくださいな。

画像1

1.ライフスキル

1人暮らしをしても、生活がうまくできないひとが、その前の世代よりも多い気がする。教育をすることもだいじですが、その前に生活をうまくするところから教えていくことも必要かもしれません。

2.タイムマネジメント

あやふやな時間の締め切り(週末くらいまでにやっておいてねとか)をすると締め切りを守れないことがある。今後のことも考えて、締め切りをしっかりと設定して、タイムマネジメントができるようにしたほうが良いでしょう。

3.メンタルヘルスケア

(これはどの世代だからというのはないとあおきは思いますが)うつや不安などの気持ちの浮き沈みがある。オンラインの時代で人と人とのインタラクションが少なくはなっていますが、オンラインだけでもよくないし、面と向かって人と会うことも重要視されます。

4.教科書を読むスキル

SNSやチャットなどの短文に慣れていることもあり、長い文章を読まずに、短い文章や簡単な文章を読む傾向にある。授業などで、文献の読み方などを勉強したほうが良いかもしれません。短い文章を繰り返し読んでもらうことで、最終的には長い文章を読んでもらうようにする。

5.プロ意識をもったコミュニケーション

テキスティングで短文でさくさくとやり取りをする傾向にあり、前の世代と比べて長文を使うことが少ない。絵文字とかを多用する傾向にもある。しっかりした文章を作れるようにしたほうが良い。

6.情報を選別するスキル

色々な情報が入ってくる中で、どの情報が正しいかを選別することが難しくなっている。医学的に正しい情報やエビデンスベースの情報を取得することを学ぶ必要がある。

7.学習に対するとらえ方

対面式の講義だけではなく、オンラインでの学習方法など幅広い方法を知っているので、対面式で行う必要性があるのかどうかを含めて教育側が検討する必要もある。教員側はどういう教え方が良いのかを考えたほうが良い。反転授業、チームベースの学習、PBLなどを活用していく必要がある。

8.集中できる時間

大きい課題を与えるのではなく、細かく切って教えるほうがいいのかもしれない。文章や静止画よりも、動画などを組み込みながらやっていくといい。しかし、いずれは教科書を読んだりもしないといけなくなるので、徐々に長い情報を得る練習もする必要がある。

9.素早いレスポンス

SNSでもそうですが、リアルタイムなフィードバックを求めている。大人が責任をもってフィードバックをするのが本人たちにとってもうれしい気持ちになります。

10.協働について

自分の世界で生きている部分が多く、個別でやることが多い。ただ、チーム医療などで必要となるので、チームワークを意識できるように教えていく。

11.安心して冒険できる場所を作る

外で学ぶことを奨励しつつ、戻ってきてもだいじょうぶという安全な場所を作る。外に出しつつ、安心できる場所があるよということは示していく。なぜ外に出なきゃいけないのか、成長のため、仕事のために必要であることを学んでもらう。

12.世代間の違いを受け入れる

高度経済成長、バブル崩壊の世代、今の世代で、色々な世代がいる。世代間で見てきた世界が違うので、その点を受け入れて、仕事や教育をするとよい。

画像2

という話でした。どの世代だから当てはまるという絶対的なものはないと思いますが、どういう傾向にあるかは教育をする上での参考になるかもしれません。

なんにせよ、世代間のギャップはそこそこあるんだなあと考えておくだけでも、色々な人と関わりやすくなると思います。世代間というか、集中力が続く人もいればそうではない人もいるし、短文のやり取りが得意な人もいれば長文のやりとりが得意な人もいる。動画で勉強しやすい人もいれば、教科書で勉強しやすいひともいるっていう話ですかね。

原典にはもっと細かくたくさん書いてあるので、詳細は原典のほうをご覧ください。ではまたーーー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?