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ポジティブな声かけをしよう【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

学生さんのコミュニケーションの講義を担当しているのですが、そのなかで相手のいいところを見つける練習をします。

ぱんだ先生の言葉では「ほめっせーじ」ともいいます。これは、暖かい言葉を掛けるという社会スキルの一部でもあります。

学生さんに今まで頑張ったこと、現在頑張っていること、これから挑戦したいこと、自慢できることなどを話してもらいました。

その後、他のグループメンバーの3人から、話した内容に対する良い点を3つ探してもらい、それを基にポジティブなフィードバックを行います。

これが盛り上がることが確実です。大きな拍手や、楽しそうな声が聞こえてくるたびに、行ってよかったと感じます。

ただ、その声だけでは私の主観的な評価になってしまうため、「メンチメーター」を使って全員の意見を聞きます。学生さん全員の意見を聞くことで、私の評価だけでなく、学生さんたち自身の感想も分かります。

もちろん、適当に良いことを書かないといけないという回答バイアスはあると思いますが、楽しかった、嬉しかった、褒められて嬉しかったという感想が多く寄せられました。

普段あまり褒められる経験がない学生さんたちからも、本当に嬉しかったという声も多く聞こえてきました。脳汁が出た、嬉しくて2周してもらったと言うコメントもありました。

そのため、ほとんどの学生さんが褒められて嬉しいと感じていることが分かりました。やはり、このようなコミュニケーションを取ることは、良い結果をもたらすと思います。

中には、「褒めるところを見つけるのが大変でした」や「褒められて恥ずかしかった」と感じる方もいました。

特に、褒める箇所を見つけるのが難しいと感じる場合は、「リフレーミング」という技術を勧めます。これは、物事を違う面から見てみる練習です。

先日、ぱんだ先生と発達しえんちゃんネルのしえんちゃんさんがリフレーミングの例を示していました。

視聴者さんからの質問に対して、物事を別の角度から見てみるという視点で答えていました。この配信は、お子さんに対する見方を変える良い例でした。そういう視点を身につけることで、どう声をかけて良いか分からない場合でも、何か新しい視点を見つけられるかもしれません。

一方で、「褒められて恥ずかしかった」と感じる方については、人間の普通の反応だと思います。

私たちは生きてきて、なかなか人から褒められる機会が少ないと感じることが多いです。

日常で褒められる経験が少ないので、ほめられることに慣れておらず、結果として恥ずかしいと感じることが多いのではないでしょうか。

このような反応は、ダメ出しをするようなコミュニケーションを多く取ることに起因している思います。

例えば、うつ病を「根性が足りないから」と考える根性論的な視点を持つ人もまだ多いと思います。そういった視点を持つ人たちは、相手がうまくいっていないところを指摘するようなコミュニケーションを取りがちです。

しかし、教える立場になると、相手が少しでもプラスになるような視点を持つことが重要です。

また、相手の良くないところを指摘して改善するよりも、できているところをどんどん伸ばしていく方が良い結果を生むことが多いことが学習理論でもわかっています。

このようなポジティブなコミュニケーションを取ることで、相手に伝わりやすいだけでなく、自分自身もネガティブな気持ちになりにくいでしょう。

つまり、褒めること、ポジティブなコミュニケーションを取ることが、結果的には良い結果をもたらすということです。

特に医療従事者になる学生さん達って、患者さんと医療者という形で、本当は対等な立場でいられればいいのですけど、どうしてもその医療現場にいる人と患者さんという二分的な感じになりがちな職種ではあります。

指導的なコミュニケーションでは、ついネガティブな箇所を指摘しがちです。そういう意味でもポジティブな声かけを忘れずに取れるような医療者になってほしいという思いもあります。

恥ずかしいという感情は、普段から褒められ慣れていないということが根本にあると思います。そのため、普段からお互いに褒めるコミュニケーション、ポジティブなところを伸ばすコミュニケーションを取っていくことが必要です。

恥ずかしさを乗り越えてもらえれば、ポジティブな感情がループするような環境が生まれます。

学生さんの感想でも、ほめっせーじを伝える空間はネガティブな感情が全く生じないような環境だったというコメントもありました。

嬉しかった、楽しかったというコメントも多く、普段から褒められていないので本当に嬉しかったという声も結構ありました。

そのため、やはりコミュニケーションはポジティブな面に焦点を当てた方がいいと感じました。

これは授業の場なので日常ではネガティブなことを言う機会ももちろんあるとは思いますが、そういう中でもポジティブな声掛けを思い出してもらって、互いにポジティブな声掛けをできるようにしていけるといいのかなと思います。

ぱんだ先生としえんちゃんさんのライブ配信も見ていただいて、こういう風にするんだという体験をしてもらえると、もっとポジティブな声掛けをしてみようと思えるのではないかと思います。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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