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PNPを使った効果的なフィードバックとは?

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

大学のお仕事で学生さんの実習担当があります。わたしの場合、模擬患者さんに来てもらって診察の練習をする実習です。

模擬面接をして、患者さんや他の学生さんからコメントをもらうということがあるのですが、教員もコメントをするんですよね。

その面接の内容について、フィードバックというのをするんですが、技能学習と言って、

診察やコミュニケーション、聞く内容のスキルのトレーニングでは、

どこでどういう風にした方が良かったとか、ここは良かったよっていうのを具体的にコメントをすると、実際に次同じようなことをする時に、こういう風にすればいいんだ、という感じになります。

コメントする時に、例えば「もうちょっと目と目を合わせて話しした方がいいよ」「もうちょっと頷く回数を患者さんに揃えるといいかもしれないですね」とか、「病名を伝える時にもう少し沈黙の間を共有した方がいいですよね」とか、そういう具体的なコメントをしていくんですけど、ここで良いフィードバックのコツがあります。

これは日常の中でも役に立つと思うので、覚えておいてもらえればと思います。

PNPという言葉があります。PNPとは、「ポジティブ・ネガティブ・ポジティブ」の略です。まず良かった点を伝え、その後改善した方がいい点を伝え、最後にまた良かった点を伝えるという方法です。

良かった点を伝えるのは、悪いことばかり言われると辛いので、まずいいところを伝えてあげるといいですね。

ポジティブなことを言った後だと、比較的「こうした方がいいんじゃないか」などの意見が入りやすくなる心理状態になっています。ですので、その後で具体的な改善点を伝えるといいでしょう。

あなたのやっている「これダメだからね」という言い方は、相手が傷ついたり悲しい気持ちになったりすることがあります。まずは、ポジティブな部分を伝えてから、具体的な改善点を提案するといいでしょう。

例えば、患者さんと話すシーンで目と目を合わせていなかった場合、自分だったらもうちょっと2秒か3秒に1回目を合わせるかもしれません。批判するのではなく、自分だったらこうするかもしれないということを伝えると、相手も受け入れやすくなります。

このように、ネガティブな部分をまず伝えて、最後にまとめとして「患者さんとしっかり接することができて伝えることも伝えられていたので面接でしたよね」とフィードバックするといいでしょう。

フィードバックは重要ですが、言い過ぎると相手が落ち込むこともあります。うまくフィードバックを行うと、相手の自信が向上し、次回の面接でも良い結果が得られることが統計学的にも分かっています。

日本では、ネガティブな部分を挟むPNPという方法が一般的ですが、イギリスの先生によると、全部ポジティブなことを言うPPPという方法があるそうです。文化差もありますが、面白いと思います。

皆さんの日常のコミュニケーションでは、まずいいところを伝えることから始めるといいでしょう。NNNだと不安が起こりやすいので、ポジティブな部分を入れながら対応すると、相手も受け入れやすくなります。

それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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