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研究自体ではなく、研究の社会実装にお金がつく時代になってきた。一方で、研究自体あるいは研究者の価値とは?【研究者日記】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

今年度が科研費の申請年度なので、申請するときに考えたことを書いてみます。

研究者は皆さまの税金から研究費をいただくことが多く、その研究費を科研費といいます。

研究者であれば誰でももらえるわけではなくて、研究計画書を申請して、厳正な審査を受け、大体1/4〜5くらいの確率で科研費をいただくことができます。

ということなので、いただけたらとても嬉しくありがたいものなので、もちろん科研費をいただきやすい研究をできればと思うところもあります。

とある価値観に基づけば、もちろん国のお金で行う研究なので、社会に直接還元できたほうがいいわけです。

社会課題を洗い出して、その課題を解決できる研究にお金がつきやすいわけです。

なんとなーくですが、こういう内容で計画立てたらいいんだろうなぁということはわかるので、それで書いたらいいじゃないとおもう自分もいるのですが、なんか違うなとも思ったりするなぁと。

ひとつは、時間と体力です。

年を重ねるにつれて、普段の仕事と研究が直結することが大切なことのように思えます。

というのも、自分の業務とあまりにかけ離れた研究をするには、余剰時間がかかりすぎてしまって、全部が中途半端になってしまうというのがあるから。

まだまだいけるぞ!とは思いたいですが、いつかは体力もなくなって、できる仕事も減ってくるのでしょう。

ということでわたしとしては一貫して、業務と研究とを同時にできるようにしていくのがいいのかなと考えています。

今の場合、メイン業務は医学教育で、メイン研究費は臨床心理学なので、じゃっかんねじれているよなと思ってました。

メイン業務もメイン研究費も医学教育にできるともう少しすっと一本の思考が通りそう。

もうひとつは、自分がほんとうにしたいことってのはなんだろう?です。

民主主義的な発想でいけば、お前がやりたい研究をやるんじゃなくて、みんなが得する研究をしろよ、が正解なのだと思います。

おそらくわたしの研究は応用分野ですので、どこかのタイミングでは誰かの役には立てると思うのですが、みんなが得というのは難しいことなのかもしれません。

一方、研究者のモチベーションとしていくつかあると思うのですが、社会貢献の場合は、ひとから喜んでもらえるというのはモチベーションになりそうです。

この場合はひとから受け入れられ続ければいいと思いますが、どこかのタイミングでそうはならないこともあり得ますよね。

自分が知りたい!という強い欲求に突き動かされているほうがモチベーションは続きやすいです。

外的報酬でコントロールされた行動は続きにくいというのがあります。

じぶんは研究結果がわかってきたことを社会でつかってみたときにどんなことが起こるのか?が知りたいです。

ですが、じぶんがマニアックに知りたい!なんで?と思えることを突き詰めて、ぱっと見て社会貢献に繋がらないように見えることをつきつけるのもかっこいいなと思います。

それがなんらかの形で社会に還元されるなればそれでいいかなと。

普段の業務も研究も、じぶんのやりたいことを整理したうえで、自分のやりたいことに向けて業務も研究も一貫させて進めたほうがいいということ。特にメインとなる事柄は。

サブでやりたいこととか、周囲の人との共同研究とかは浅く幅広く行うのが良さそうかなと思います。

ここも必要不要は判別したほうがいいのかなとは思うところですが、できる範囲でやらせてもらえているのは本当にありがたいことです。

やはり、研究者は半分はオタクみたいなもので、じぶんがやりたいからやってます。

そんななかでも、社会の役にたつかはわからないけど、みなさんに応援してもらえるような面白い研究をし続けたいなと思います。

もっといえば、応援し続けてもらえるような面白い自分でいたいなと思います。

研究の内容ももちろんですが、このひとの理念に共感したい、価値に共感したいというモチベーションで応援してもらえるような研究者に慣れたらいいなと思います。

まずは1歩ずつ、自分のできる範囲のことをコツコツしつつ、先を見据えてなにをしたいのか?を固めていきたいなと思いました。

今年はなんか考えることが多いな、けどそういう時期だから、考えがまとまらなくても考え続けて、考えがまとまらなくても行動はするぞ。

さて、どっちかの研究費は当たるといいなあ~。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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