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《紙とインク漫画賞》を開催します。

こんにちは、こんばんは。青騎士編集部です。
新しく、アナログ原稿のみの漫画賞を創設いたします。
【アナログ原稿】……おもにつけペンにインクを使って、紙の上に描かれた漫画原稿のことを指します。作家によってはつけペン+インクの代わりにフェルトペンやボールペンを使ったり、筆ペンを使う方もいます。

この漫画賞の応募条件は「アナログの漫画であること」です。そんなに大掛かりな漫画賞ではありません、担当編集者数名による、小さな漫画賞です。

デジタル原稿の漫画賞はあとから追加しようと考えていますが、まずは紙にインクとスクリーントーンで仕上げていくアナログ漫画専門の漫画賞《紙とインク漫画賞》を作りたいと思います。

<《紙とインク漫画賞》は何が特徴なの?>
・美しい描線を愛する漫画誌であること
青騎士という漫画誌は、その本文用紙に「フロンティタフW」という、中質紙を採用しています。フロンティタフシリーズは非塗工紙ですが、印刷したときの再現性が高く、描いた描線が満足いくほどしっかりと印刷されます。印刷はオフセット印刷方式、さらには、印刷面は1折32ページの輪転台ではなく、1折16ページの平台刷り(!)です。1ページ1ページ、ゆっくりと印刷しています。つまり、自分が紙の上に引いた線が、製版時にもっこりと分厚くなることはなく、また、削ったスクリーントーンが飛んでしまうこともありません。「肉筆」というくらい、生々しいペンタッチがはっきりと出ます。完成した生原稿の魅力を最大限に受け止める漫画媒体が青騎士です。

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製本された青騎士誌面
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拡大するとペンづかいの細かなところまで印刷に現れている

・ベタについて
上記の特徴に加えて、フロンティタフWは用紙の白色度が高いため、ベタ部分がくっきりと仕上がります。アナログ原稿で計画した白とベタによる画面が、これ以上ないほど美しく再現されて刷り上がります。

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ベタがきれい

・求める原稿は以下のようなかんじです
紙にインクで漫画を描いていて、自分の作品に強く思い入れを持っている方。デジタル全盛期の時代にあって、それでもアナログ原稿のほうが漫画を描くにはいろいろいいよな、と思っている方。もしくは、柴田康平さんや安原萌さんのように、これまではフルデジタルで漫画家をやってきたけれども、アナログにいっちょ乗り換えてみたいぜ、とお考えの方など。
作風も、青騎士はまだ創刊したての漫画誌ですから、掲載している作品の幅が広いので、かなり多種多様な漫画を載せることができます。エンターブレイン系、電撃マオウ由来の漫画家たち、あすか由来、そしてキトラ、さらには台湾からのAKRUさん、アメリカからのRem&Bikkuriさんにいたるまで。

・対面での打ち合わせを大切にしています
コロナ禍に見舞われ、人と人が分断されていく昨今ではありました。それでも漫画を作っていくときに対面で打ち合わせをすることは大切です。EメールやSNSは便利でラクな道具で、それらを補助用として使いながらも対面での打ち合わせを大切にしている編集部です。おもしろい、魅力がある、こうするともっと良くなると直接伝えあって、漫画を作っていきたいです。いまは状況的に対面での打ち合わせを控えてはおりますが、これからも10年、20年と、漫画家たちに向き合っていく編集部です。感染に注意を払いながら、最高の漫画を作っていきましょう。

・(希望する方には)勉強会があります
貼り方、削り方、収納の仕方など「スクリーントーンの扱い方」から、ペン先選び、用紙選びといった「画材の選び方」、印刷工場見学、製版工場見学、細かなテクニックの共有まで、大小さまざまな勉強会を、年間通じて開催しています。森薫さんや入江亜季さんの仕事場へ数名で集まり、お互いの漫画の話を語る会も開催されています。最小、2名だけの小さな勉強会から、中規模、そして大きな集まりまで今後も開催していく予定です。

焼き肉屋でフキダシの位置について考える漫画家たち

デジタルの漫画作りはアナログに比べると手間が少なく、場所も取らず、作業効率も良いため、多くの漫画家が採用しています。また、青騎士以外の編集部でもたくさんのノウハウを持っています。
デジタルにはデジタルの良さがあるように、アナログにもアナログの良さがありますから。それゆえ、試しに1回、アナログ専門漫画の賞を新設させていただきました。とても小さな賞です。

→大賞の作品には50万円

《紙とインク漫画賞 第1回》募集概要

・応募はアナログ原稿(つけペンで紙に描かれた漫画作品)であること
・ページ数は不問、ただし32ページ以内の読切作品であることが望ましい
・原稿の大きさは市販のB4サイズ漫画原稿用紙に準じます
(仕上がり:天地270ミリ×左右180ミリ)


第1回の応募締切は2023年8月31日

(当日消印有効)

・あて先は以下の通りです
〒102-0073
東京都千代田区九段北1-13-12 北の丸スクエア
KADOKAWA 青騎士編集部
紙とインク漫画賞 係 あて

〈注意〉
ストーリーも絵も、作者独自による未発表作品に限ります。
性別、年齢ともに制限はありません。新人から他誌で活躍している漫画家まで、幅広く投稿が可能です。
これまでの受賞歴や執筆歴のある方は、掲載誌や掲載歴、ペンネームなどを応募時に明記してください。
原稿はすべて必ず返却いたします。返却用の封筒、切手などは必要ありません。
応募した原稿の返却は発表後3ヵ月以内に行う予定です。3ヵ月以上経っても返却されない場合は、メールで、ご住所・お名前・ペンネーム、作品タイトルをお知らせください。
メールアドレス:ipc-aokishi@ml.kadokawa.jp

入選作品のうち、優れたものには50万円の賞金が授与され、編集担当がつきます。いっしょに連載を目指していきましょう。
発表はこのnoteにて、2023年9月末日に行う予定です。

(2023年5月29日 追記)
募集する作品の傾向について:
「男性誌向けの内容募集でしょうか?  女性向け、恋愛系、ファンタジー系での投稿は可能でしょうか?」
青騎士という漫画誌は青年向け作品を掲載する編集方針で漫画を作っています。女性向けに描かれた作品のなかでも、青年誌を愛読する読者が楽しめる内容のものもあるとは思いますから、大きな意味でジャンルを不問とさせていただいております。恋愛もファンタジーも、読者が楽しめるならまったく構いません。


「紙とインク漫画賞」選考会 KADOKAWA 青騎士編集部より

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