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漫画感想:『龍皇の影姫』17話 / 大宙 晃

『龍皇の影姫』/ 大宙おおそら あきら
第17話│幻影

LaLa 2023年7月号

今回のカラー扉これまでで一番好きです。
琥珀こはくの青の服と明け方の群青とオレンジ色が混ざったの空と孔雀の羽根がとても綺麗。

本編はオールスター集合って感じで物語もいよいよ大詰めって感じでクライマックスに向けて盛り上がり最高潮って感じでなんだかわくわくしました。
独りで復讐を誓ったあの日から時は経ち、琥珀の周りにはこんなにも味方が増えていたんですね。
皆を巻き込むわけにはいかないと頑なだった琥珀が虎目とらめ真珠しんじゅたちに、故郷が水龍の暴走によって沈んだことを初めて話せたのも成長の現れだと思います。

味方がいるというのはこんなにも心が軽くなるものか

『龍皇の影姫』17話より、琥珀のモノローグ


これまで自分ひとりで抱えていたもの──2人の龍皇を守りたいという思いを味方となってくれる人たちに打ち明けられ、ようやく人に頼ることができた琥珀。
緊張の糸がとけたのかそこで倒れてしまいます。

目覚めた琥珀は虎目にあるお願いをします。
一方その頃水晶みあきは、龍皇即位の儀を行うためひとり神殿へ。
水龍を喚ぶと身体中に痛みが走るため、身体をむしばむ薬を使ってまで水龍おろしを行おうとする水晶を、間一髪で止める琥珀。
自分ひとりで戦うことは許さないのに貴方は許されるのかと水晶に詰め寄る琥珀。
頑固なのはお互い似てるのかもしれませんね。

「一緒に来て 璃玻あきは兄のところまで!」

『龍皇の影姫』17話より、琥珀のセリフ


ここにきて琥珀が初めて水晶に対しタメ語になったのが最高にエモかった!
龍皇の水晶ではなく「人」としての水晶に接しているからでしょうね。

琥珀の言葉を受け入れた水晶は琥珀とともに璃玻の元へ行くことを決意。

俺たち・・・は生まれてからずっと自由だ」

『龍皇の影姫』17話より、水晶のセリフ


水晶のこのセリフ、すごく好きなセリフです。
おそらく「俺たち」には水晶や璃玻だけでなく琥珀も含まれているのかと。

琥珀のことは諦められそうにないと言った水晶。そこは璃玻とケリをつける覚悟なんでしょうね。
そして傍らの水龍を初めて「天青てんせい」と名前で呼んだ水晶。
おそらくこのとき初めて名前をつけたんじゃないかと思います。
天青の名前をひっくり返すと、青天…! これ以上ないいい名前だと思います。

はたして琥珀は水晶と璃玻──2人の龍皇の戦いを止め、2人を守ることができるのか。そして柘榴ざくろの企てを止めることができるのか…!

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