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【無能唱元】やぶにらみ論語論01【まとめ・要約】


はじめに

『やぶにらみ論語論』は、従来の解釈や見方とは一線を画し、少し皮肉を交えた新しい視点で論語を読み解く試みです。本書の目的は、孔子とその教えを別の角度から考察し、従来の聖人君子としての孔子像に疑問を投げかけることにあります。

論語は、紀元前450年頃に孔子とその弟子たちとの間で交わされた約500の短い言葉を集めたもので、全20編から構成されています。その中には「過ぎたるは及ばざるがごとし」や「義を見てせざるは勇なきなり」といった、広く知られた名言が多く含まれています。しかし、論語の言葉は非常に短く、前後の説明がないため、一見すると支離滅裂に見えることも少なくありません。

本書では、この論語の言葉を一つの定義として捉えるのではなく、孔子が状況に応じて語った座談的な言葉として解釈し、その背景や意図を探ることを試みます。この視点を通じて、孔子の教えが現代にどのように適用できるかを考察していきます。

論語の構造とその特徴

論語の編纂とその構成

論語は、紀元前450年頃に孔子とその弟子たちとの対話や教えを記録した書物です。約500の短い言葉が集められ、全20編に分かれています。編の名前はそれぞれ『学而編』、『為政編』、『八佾編』などで、最初の編である『学而編』から最後の『尭日編』まで、孔子の思想や教えが多様な視点から記されています。

短くて説明がない言葉の特徴

論語の言葉は非常に短く、前後に説明がほとんどありません。そのため、言葉の意味や意図を理解するのは難しいことがあります。例えば、「過ぎたるは及ばざるがごとし」や「義を見てせざるは勇なきなり」といった有名な言葉も、その背景や具体的な状況を知らなければ、解釈が一面的になりがちです。この短さゆえに、論語の言葉は広範な解釈の余地を残しており、様々な時代や文脈で異なる意味を持ちうるのです。

孔子の言葉の矛盾と支離滅裂さ

論語を通読すると、孔子の言葉には矛盾や支離滅裂な部分が多く見られます。例えば、ある場面で強調された価値観が、別の場面では否定されることもあります。これは、孔子が一貫した体系的な哲学を提供するのではなく、状況に応じて最適なアドバイスを与えた結果と言えます。孔子の教えは固定的な真理ではなく、変化する状況に柔軟に対応するものであり、そのために矛盾が生じるのです。

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