AO・推薦対策のための塾・予備校は本当に必要か?:中編【Win-Win入試のカラクリ】
AO・推薦対策のための塾・予備校は本当に必要か?:前編【その結論は…?】はこちら
大学受験は、選抜であり、そこに合格・不合格、という結果が伴うのは必然です。
であるがゆえに、合格という結果が重要だという認識はもっともです。
マークシートやペーパーテストなどにより、一律に得点化できるものであれば、「知識が多ければ多いほど良い」という明確な「基準」が設定できるため、スコア順に上から並べて、「ここから上は合格、ここから下は不合格」と、合否のラインを引くことが可能です。
そうした前提の上に、効率的な知識の獲得メソッドを確立し、それらをサービスとして提供する予備校産業を、否定はしません。
ただし、お分かりいただいていると思いますが、AO・推薦入試は、そのような知識量による選抜ではありません。
「人物の多面的・総合的評価」と称されるこの入試。
では、その合否を分けるラインは、一体どこにあるのでしょうか?
実は、AO・推薦入試においては、「合否ライン」という考え方自体が、矛盾です。
例えば、慶應義塾大学SFCは、AO入試について以下のように述べています。
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AO入試は一定の条件を満たしていれば自らの意思で自由に出願できる推薦者不要の公募制入試です。入試内容の特色は筆記試験や技能試験などの試験結果による一面的,画一的な能力評価ではなく,中学校卒業後から出願に至るまでの全期間にわたって獲得した学業ならびに学業以外の諸成果を筆記試験によらず書類選考と面接によって多面的,総合的に評価し入学者を選考するものです。 募集定員の限りもあり,選考という形式をとらざるを得ませんが,アドミッションズ・オフィスは入学志望者と大学が互いに望ましい「マッチング」を創り出すための出会いとコミュニケーションの場です。
(募集要項より抜粋)
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最後の一文に、"志望者と大学が互いに望ましい「マッチング」を作り出すための出会いとコミュニケーションの場” とありますが、これは、慶應SFCのAO入試に止まらない、AO・推薦の選抜としての性質が、象徴的に表されていると思います。
「大学が目指すもの」と「受験生本人が目指すもの」とが、相互に調和しシンクロするかどうかが、結果としての合格なのです。
志望理由書や活動報告書などの人物データを共有し、面接による凝縮した対人コミュニケーションによる「お見合い」のようなプロセスで、双方の親和性の度合いをはかる入試が、AO・推薦入試。
そう考えると、大学と受験生とが Win – Win の関係となる選抜が、AO・推薦入試だと言えます。
これは、合否ラインをバチッと設定し、勝者(Win)と敗者(lose)の線引きを明確にする従来の受験の価値観とは大きく異なります。
誤解を恐れずに言えば、AO・推薦でたとえ不合格だったとしても、
「自分に合わない環境を、前もって避けられた。」という意味において、
決して残念なことではなく、その不合格は、本人とってむしろプラスの結果だと言えます。
AO・推薦による選抜は、合格してもWin、不合格でもWin なのです。
一方、日本の大学入学者の10人に1人が中途退学しているというデータがあります。
その理由の多くが、、、
「この大学(学部)が合わなかったから」
「入学したら、イメージしていた大学(学部)と違ったから」
というもの。
いわゆるミスマッチ問題ですが、この状況は、想像以上に不幸です。
(後編につづく)
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