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細部にこだわるのがデザイナーの凄さ、ではない。

たまには
「ディテールなんて、知らんがな!」
しませんか、というお話。


さて
noteを彷徨うと、面白いですね!

 #デザイン の話題だけをとっても、様々なジャンルのお話が沢山アップされています。

とくに見かけるのが、普通に生活していては気づけない細部へのこだわり

つい先日の、ベクトカルチャー伊藤さんの記事も、本当に面白かった!

プロって、本当にすごい。
徹底的にこだわっている。

そして、それを読み解ける人がいるの凄い
こだわり甲斐があるってもんです!

僕もこだわるの大好き!
読み解くのも大好きです!

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微細な彫刻文字とか大好き!

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金属のローレット大好き!
表面仕上げを追求するの大好き!

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Rを馴染ませるアプローチカーブも大好き!





さてさて
その上で、僕には少し気になることがあるんです。



細部にこだわることだけが、
デザイナーの凄さでしたっけ?


いろんな会社さんと仕事をすると、最初に
「デザイナーさんはこだわるから面倒臭いよね」
「細かなことで急に怒るから怖いよね」なんて構えられます。

(きっと過去に何かあったんでしょう。)

でも僕たちTENTは(他のデザイナーさんと比べると)開発途中でのデザイン変更にあっさり応じるみたいです。

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堀本さん デザイナーって、良いところでもあり悪いところでもあると思うんですけど、こだわりが強いことが多いです。

それに比べると、TENTさんは設計の段階での変更にも「そうですか」と素直に応じることが多くて、最初は正直不安な時もありましたよ。

STAN.デザインのひみつ」より抜粋

そうなんです。
TENTは、こだわらない。

それにはワケがあります。

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何にこだわり、何にこだわらないか。

そこにデザイナーの個性が出てしまうし、そこにこそ本当の凄さがあると、僕は思うんです。



こだわりがなければ成立しないなんて

たとえば(みんな大好き)Apple製品を見ながら、平面の平滑度、複合カーブ、フォント、などなど細かなこだわりを読み解く。

ポスター、映像、建築物、漫画、様々なものから微細な工夫を読み解く。

それって、とっても面白いし勉強になります。
でも、そのモノのすごさって、本当にそこだけなのか?

そのこだわりを全部無くしたら、完全に価値が消え去るのか?

そして
微細なこだわりを持っている人なら、素敵なモノが作れるのか?

何か大切な部分が抜け落ちてる気がするんです。




細部よりも、ひらめきの発火点

まだ何を作るかも決まっていない段階で。
この世にまだ存在しないモノをひらめいた瞬間って細部にこだわってる場合じゃない。

大声を出すかもしれないし、
紙があれば描くし、
ハサミがあれば工作する。

ひらめいてしまった衝動を何かに叩きつけたくなる。

ひょっとすると人に見せたくないような恥ずかしいものかもしれない。

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ひらめきの発火点。
この時点では、ウチの6歳児が作るものもプロのデザイナーである僕らが作るものも大差ありません。

ただの工作や落書きでしかない。

でも、衝動とも言えるこの工作や落書きには「そもそも何を作るか」がギュっと込められている。

こだわる部分とこだわらない部分をクリアにする鍵があるわけで、最も重要なものだと僕は思います。

最初に書いたように、細部にこだわることと細部を読み解くことは、僕も大好きです。

でも、そこばっかり見てたら
「デザイン」って仕事なんて、どんどん窮屈になっちゃいます。

「デザイナーさんはこだわるから面倒臭いよね」
「細かなことで急に怒るから怖いよね」

なんて言われ続けちゃいますよ。

「プロのこだわり」を強調するほど、何かを思いついたり作ってみたりするハードルが上がって萎縮しちゃう。

つくる人が減り、語る人ばかり増えていく。
そんなのつまんない。

最も重要で、最も恥ずかしい
ひらめきの発火点としての落書きや工作をみんなと共有してしまって。

「なんか自分にもできちゃいそう!」

って思う人が増えてくれたらいいなあって、僕は思ってます。

というわけで、

2020年1月26日(木)に
そんな感じのことを
アイドントノウの三人がお話するトークイベントと



ひらめきの発火点を体感できちゃうワークショップを開催します。




たまには
ディティールなんて「知らんがな!」
していきましょう。

お気軽にご参加ください。

この記事は、アイドントノウの音声コンテンツ「知らんがなラジオ」でお話した内容を元に作成しました。

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